ヒト属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/23 14:02 UTC 版)
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宇宙探査機パイオニア11号に搭載されたヒトの両性の画像
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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種 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヒト属あるいはホモ属 (学名:Homo ラテン語で「人間」の意) は、哺乳類霊長目(サル目)ヒト科の属のひとつ。他のヒト科の分類群と比べて、巨大な大脳が特徴である。現生するヒト属の種はホモ・サピエンスのみであり、他に絶滅種として、ヒトの祖先や近縁種であるホモ・ネアンデルターレンシスやホモ・エレクトスなどが分類されている。ヒト属の分類および系統は研究途上であり、文献によって異なる分類が採用されていることがある。
ヒト属は、アウストラロピテクス属の一部の種から発展した属であり、他にアウストラロピテクス属から分かれた属に、パラントロプス属とケニアントロプス属がある。ヒト属の最初の種とされているのは、190万年前の化石記録のあるホモ・ルドルフエンシスであり、ホモ・サピエンスを以外で最後の絶滅種とされている種は、ホモ・ネアンデルターレンシス、デニソワ人、ホモ・フローレシエンシスであり、いずれも約5万年前に絶滅した。
分類
ヒト属 Homo
- 原人
- ホモ・ハビリス H. habilis
- ホモ・ルドルフエンシス H. rudolfensis
- ホモ・ガウテンゲンシス H. gautengensis
- ホモ・エルガステル H. ergaster
- ホモ・エレクトス H. erectus
- ホモ・エレクトス・エレクトス(ジャワ原人)H. e. erectus
- ホモ・エレクトス・ペキネンシス(北京原人)H. e. pekinensis
- ホモ・マウリタニクス(ホモ・エレクトス・マウリタニクス)H. mauritanicus
- ホモ・エレクトス・ユァンモウエンシス(元謀原人)H. e. yuanmouensis
- ホモ・エレクトス・ソロエンシス(ソロ人)H. e. soloensis
- ホモ・アンテセッサー H. antecessor
- ホモ・フローレシエンシス(フローレス人)H. floresiensis(諸説あり)
- ホモ・ナレディ H. naledi(諸説あり)
- ホモ・ケプラネンシス H. cepranensis
- ホモ・ゲオルギクス(ドマニシ原人)H. georgicus
- 旧人類(旧型ホモ・サピエンス)Archaic humans
- ホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルク人)H. heidelbergensis
- ホモ・ローデシエンシス H. rhodesiensis
- ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)H. neanderthalensis
- 不確定な種
- ホモ・サピエンス・アルタイ(デニソワ人)
- ホモ・ボドエンシスHomo bodoensis
- ホモ・ヘルメイ Homo helmei
- 馬鹿洞人 Red Deer Cave people
- ホモ・ロンギHomo longi
- ダリ人 Dali Man (大茘人)
- クァフゼ人Qafzeh hominins
- ホモ・ツァイチャンゲンシス(澎湖人)H. tsaichangensis
- ホモ・ルゾネンシス H. luzonensis
- 金牛山人 Jinniushan hominin
- ホモ・サピエンス・シュテインハイム H. sapiens steinheimensis
- 馬壩人 Maba Man
- ペトラロナ洞人 Petralona skull
- ホモ・サピエンス H. sapiens
- ホモ・サピエンス・イダルトゥ(ヘルト人)H. s. idaltu
- ホモ・サピエンス・サピエンス(現代人、現生人類)H. s. sapiens
系統
以下のヒト属、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ケニアントロプス属を含む類人猿の分岐図は、分岐学的手法による化石人類の分類によって提案されているものである。
ヒト上科 |
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(20.4 Mya) |
猿人 |
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(7.3 Mya) |
脚注
関連項目
ヒト属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 16:03 UTC 版)
「ヒト属」を参照 240万年前までにはホモ・ハビリスが東アフリカに出現した。これは知る限り最初のヒト属であり、初めて石器を作った人々でもある。 道具の使用は進化の上で決定的な利点をもたらし、その作業(道具の使用)で要求される巧みな手の動作を調和させるために、より大きくかつ洗練された脳を要求した。前述の通り、直立二足歩行を行う事によって、ヒト属は脳の巨大化を可能とした。しかし脳の巨大化という進化は、初期の人類にある問題をもたらした。すなわち大きな脳には大きな頭蓋骨が必要であるため、新生児の大きくなった頭蓋骨を通すために、より大きな産道を女性は持つ必要が生じた。しかし女性の産道があまりに広くなりすぎると、彼女の骨盤は広くなりすぎ走れなくなってしまう。走る能力は200万年前の危険な世界ではまだ必要だった。 これの解決法は、頭蓋骨が大きくなりすぎて産道を通れなくなる前、胎児の発生の早い段階で出産してしまうというものだった。この適応により、人間の脳は増大し続けることが可能になった(しかし適応は十分とは言えず、産道を無事通る事ができない事例がしばしば生じた。現代に至って、多くの人間が帝王切開により生まれている)。 しかしそれにより、新しい試練も課されることになった。未熟な段階で子供が生まれる事によって、その子供が成熟するまで、長期間にわたり世話しなければならなくなった。さらに直立二足歩行という、高度な身体能力が求められる歩行方法は、習得するに長期間の訓練が必要である事も、子供を世話する時間の長期化の原因となった。これにより人間集団は機動性を奪われ、ますます一箇所に長い間留まるようになった。それにより女性は子供の世話を行なえるが、男性は食物を狩ったり、食物源(猟場)をめぐり対立する他集団と争ったりした。結果として、人間は他の動物や人間と争うために、より道具の作成に依存するようになり、体格や体力に依存しなくなった。 およそ20万年前、ヨーロッパと近東にはネアンデルタール人の集落があった。4万年前にその地域に現代人類が現われ、次いで2万年前にネアンデルタール人は絶滅した。
※この「ヒト属」の解説は、「人類の知能の進化」の解説の一部です。
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