ずがい‐こつ〔ヅガイ‐〕【頭蓋骨】
とうがい‐こつ【頭蓋骨】
頭蓋骨
頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/08 12:43 UTC 版)
頭蓋骨(ずがいこつ、とうがいこつ)は、頭の全体的な枠組みとしてはたらく、有頭動物の骨様構造である。頭蓋骨は、顔の構造を支持し、脳を外傷から保護する。一般的な読みとしては「ずがいこつ」「とうがいこつ」双方を用いるが、解剖学では「とうがいこつ」とのみ呼称、形質人類学では頭骨と表記して「とうこつ」と称し、「ずがいこつ」という読み方は学問的には用いられない。なお、医療の場では他に橈骨が存在するため、「とうこつ」と呼ぶことは稀である。英語ではskullまたはcranium、複数形craniaである。
頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 16:23 UTC 版)
双弓類 有鱗目 左:双弓類の基本的頭蓋骨。側頭窩が上下に2つある。 右:有鱗目の基本的頭蓋骨。下の弓が消失する。j:頬骨 (jugal) p:頭頂骨 (parietal) po:後眼窩骨 (postorbital) q:方形骨 (quadrate) qj:方形頬骨 (quadratojugal) sq:鱗状骨 (squamosal) 上図に見るように双弓類の頭蓋骨には眼窩の後ろに側頭窩が2つあり、上にある物を上側頭窩、下にある物を下側頭窩と呼ぶ。側頭窩の下縁架橋部を「弓」と呼び、これが上下に2つあることが双弓類の名称の由来となっている。上部の弓は後眼窩骨-鱗状骨(図のpo, sq)からなり、下部の弓は頬骨-方形頬骨-方形骨(図のj, qj, q)からなる。有鱗目も双弓類の一員であるが、この2つの弓のうち、頬骨-方形頬骨-方形骨からなる下部の側頭弓が消失して下側頭窩が下に開き、自由になった方形骨が鱗状骨と可動の関節面を形成することが有鱗目を特徴づける重要な点である。 実際の例としてオオトカゲの頭骨の図を右に示すが、鱗状骨(右図中のsq )は架橋によって後前頭骨(右図ptf )と接続され、上部側頭弓と上側頭窩はまだ存在している一方で、頬骨(右図j )と方形骨(右図q )の間には接続は無く、その部分の側頭弓が消失していることが見て取れる。 一般的にはこのことによって顎の可動性が増している利点があると考えられている。すなわち、方形骨が頬骨によって頭蓋骨前部に結合されなくなったため自由に動けるようになり、方形骨下端(上顎)と関節骨上端(下顎)間に存在する通常の顎関節に加えて方形骨の上端と鱗状骨の下端間にさらに関節が形成され(上図右のq-sq間の太線部)、一種の2重関節となるのである。 ただし、下部側頭弓の消失による下側頭窩の頬部への開放は、ムカシトカゲ目のプレウロサウルス類(Pleurosaurus)や、かつて広弓類とよばれた鰭竜類でも平行進化として同様に生じており、リンコサウルス類のクララジア科(Claraziidae)には可動性の方形骨を持つものがいるなど、これのみによって有鱗目が定義付けられるわけではない。 ヘビ亜目ではさらに後眼窩骨-鱗状骨からなる上部の側頭弓までもが消失し、方形骨だけでなく鱗状骨も頭頂骨(上図のp)との間に関節を持ち自由に動くようになる。これらの事に下顎先端が分離していることも併せて、ヘビ類の顎は非常に大きな自由度をもった可動性を獲得している。ヘビが体直径の何倍もの餌を飲み込めるだけでなく、獲物にかみついた下顎を左右交互に動かして獲物を咽へ送る(俗に「顎で歩く」と言われる)ことが可能なのもこの可動性を得たならばこそである。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/17 16:38 UTC 版)
乳様突起、眼窩上隆起、おとがい等のヒトの頭蓋骨の様々な形態的な形質は、性的二形を示している。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 17:54 UTC 版)
人間の頭蓋骨を模した警備装置。艦内に乗員の遺体に混じって配置されている。集団で空中浮遊し噛み付こうとしたり、口からガスを散布する。このガスはゴッド・アームの強化された肉体をも麻痺させる効果がある。
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頭蓋骨(ずがいこつ、とうがいこつ、英: skull)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)
「魚類用語」の記事における「頭蓋骨(ずがいこつ、とうがいこつ、英: skull)」の解説
脳を保護する骨。頭骨のうち両顎部、舌部、鰓部の骨を除いたもの。特に分類学上重要である。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 21:45 UTC 版)
「アルディ (アルディピテクス)」の記事における「頭蓋骨」の解説
復元された頭蓋骨から、脳の大きさは300ccから370ccと見積もられている。この大きさは700万年前のサヘラントロプス「トゥーマイ」の脳(320ccから380cc)とも大差なく300cc前後におさまるチンパンジーの脳とも、大差のない数値といえる。前寄りに位置する大後頭孔は、後述する直立二足歩行の特色を補強する。 現存最古の「トゥーマイ」の場合、眼窩上隆起にかなりの厚みがあり、メスのゴリラと見なす少数意見の論拠にもなっているが、アルディのそれは薄い。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 03:58 UTC 版)
内鼻孔は、外鼻孔から進入した空気を気道へ送るための口腔内の孔である。プロトスクスのような基盤的ワニ形上目では内鼻孔が吻部の前方に位置していたため、呼吸が可能であったのは口を閉じていてかつ獲物などを口腔内に咥えていない時のみであった。ゴニオフォリスの段階では内鼻孔は口腔の奥へ移動し、ベルニサルティアでは口蓋骨と翼状骨の境界まで後退しており、水中で開口していても獲物を咥えていても呼吸が可能となっていた。正鰐類の内鼻孔は翼状骨の内部に位置し、より後退が進んでいる。 なお、現生のワニの解剖からは、鰓舌骨筋が角鰓骨後方と基舌骨前方の間に腱を伴って付着することが確認されている。ワニの舌の付け根には舌基弁と呼ばれる軟体部が存在し、この弁が持ち上がることで喉への水の進入を防ぎ、かつ鼻道が外鼻孔を通じて外界と繋がるため呼吸が可能となっている。ゴニオフォリス科のアンフィコティルスは現生のワニと同様に湾曲してモーメントアームの増大した角鰓骨を持つため、正鰐類やそれよりもやや基盤的なワニ形上目の時点でこの機構は確立されていたと考えられる。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 14:28 UTC 版)
無弓類形頭蓋骨側頭窩(頭蓋骨の眼窩後方に開いた窓)を持たない爬虫類の始祖的形状。現生爬虫類でこの形の頭骨を持つ者はいない。 ムカシトカゲ頭蓋骨左図の双弓類型頭蓋骨の特徴である二本の側頭弓がはっきり見て取れる。有鱗目では全種が下側頭弓を失っているため、現生の鱗竜類でこの形の頭蓋骨を持つのはムカシトカゲのみである。 双弓類形頭蓋骨弓を2本持つ双弓類の基本的形状。現生爬虫類はすべて双弓類だが、この形をこのまま保持しているものは非常に少ない。 有鱗目型頭蓋骨弓を2本持つ双弓類のなかでも特殊化した形状。現生爬虫類の大部分を占める有鱗目では図のように下の弓が消失する。 ムカシトカゲは現生の有羊膜類で最も原始的な頭蓋骨を持っており、完全な弓(側頭窩の下縁部を形成する骨の架橋部)で囲まれた2つの側頭窩をもつ双弓類の原始形を保持している。そのため、弓を退化消失させて顎関節の自由度を得た有鱗目に比べて堅固な構造のままである。ドイツ語でこの動物を表す単語 Brückenechsen(Brücke:橋、Echse:トカゲ)はこの架橋部に由来する名称である。カメ目の頭骨はかつては有羊膜類のなかで最も原始的な無弓類形の頭骨をもっており伝統的に無弓類とされてきたが、最近の研究ではそれは元来持っていた側頭窩が二次的に無くなって無弓形に収斂した双弓類だと考えられてきている。 上顎の先端は嘴状になっており、頭骨に入り込んだ裂溝によって上顎の後方と分けられている。下顎1列、上顎2列の歯列があり、顎を閉じると下顎歯列は2列の上顎歯列の間に入り込む。上顎骨以外に口蓋に歯列を持つというのは他の爬虫類にもしばしば見られる特徴であり、例えば多くのヘビも上顎2列の歯列をもつが、その配列と機能はムカシトカゲとは異なる。ムカシトカゲの歯は骨から鋸歯状に飛び出ているだけで顎骨と分離した構造になっていない端生歯であり、生え変わりをしない(一生歯性)。靭帯によって連結した上下顎は、上下の剪断と組み合わさった前方・後方への動きを伴って咬合する。特殊化した独特の前後動に伴い、歯は閉じられる際に鋏のように前方へ動くため、保持力は非常に強力である。この仕組みにより、歯は自動的に研磨されて鋭さを保つ。老齢のムカシトカゲは歯が磨耗していくため、ミミズやイモムシ、ナメクジなどの柔らかい獲物を食べ、最終的に歯が磨耗しきると顎骨の間で直接食べ物を咬まなくてはならない。
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頭蓋骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 09:19 UTC 版)
体幹の最も上に有る頭蓋骨は、脳を保護するだけでなく目・鼻・口といった感覚器や呼吸器および消化器の入り口を備える。そのため複雑な形状を持つ。15種類計23個の骨が組み合わさっており、そのほとんどは縫合による固い結合で、可動する部分は下顎骨や舌骨などわずかである。頭蓋骨は大きく、上部に有る脳を包み込む部分の脳頭蓋(神経頭蓋)と、眼窩・鼻腔・口腔のような臓器がはめ込まれたくぼみを持つ顔面頭蓋(内臓頭蓋)に分けられる。ヒトは前者が発達している特徴を持つ。 脳頭蓋は、前頭骨1個、頭頂骨2個、側頭骨2個、後頭骨1個、篩骨1個、蝶形骨1個の6種計8個で成り立ち、円形の屋根に当たる頭蓋冠と、床に当たる頭蓋底を作る。特に頭蓋冠では、それぞれの骨がギザギザの縁をかみ合わせた縫合を持っている。頭蓋底は脳の形状に合わせたような凸凹と、つながる血管や神経が通るための孔がたくさん空いている。 顔面頭蓋は9種計15個の骨で成り、うち6種は対になっている。主要な骨は1対の上顎骨と1個の下顎骨である。上顎骨は頬骨と脳頭蓋の前頭骨との間で眼窩前面を、対の間と鼻骨で鼻腔前面を作る。口腔は上部に上顎骨・口蓋骨と、下部に下顎骨との間で形成される。
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頭蓋骨
出典:『Wiktionary』 (2021/07/25 05:03 UTC 版)
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頭 | 蓋 | 骨 |
ず 第二学年 | がい 常用漢字 | こつ 第六学年 |
音読み | 音読み | 音読み |
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頭 | 蓋 | 骨 |
とう 第二学年 | がい 常用漢字 | こつ 第六学年 |
音読み | 音読み | 音読み |
発音
名詞
関連語
翻訳
- イタリア語: cranio (it) 男性, teschio (it) 男性
- 英語: skull (en)
- エスペラント: kranio (eo)
- オランダ語: schedel (nl) 男性
- スペイン語: cráneo (es) 男性
- スロヴァキア語: lebka (sk)
- チェコ語: lebka (cs) 女性
- 中国語: 头骨, 颅骨 / 頭骨, 顱骨
- テルグ語: పుర్రె (te)
- ドイツ語: Schädel (de) 男性
- フランス語: crâne (fr) 男性
- ベトナム語: sọ (vi) (��)
- ラテン語: calvaria (la) 女性
- ルーマニア語: craniu (ro) 中性
「頭蓋骨」の例文・使い方・用例・文例
- 頭蓋骨を骨化する
- 頭蓋骨のこの部分の骨はまだ骨化していない。
- 彼女は肉のないその頭蓋骨を見つめた。
- 篩骨とは頭蓋骨の中にある方形の骨である。
- 調べを進めるうちに、頭蓋骨が、何か重い一撃を受けて打ち砕かれているのが明らかになった。
- 何か重い兇器でやられたらしく、頭蓋骨は粉砕された。
- 太った女性も、若いカップルも、眠っているインド人も、そして、背の高い黒服の男も。しかし、今では皮膚も肉も髪もなくなって、ぼんやり光る白い頭蓋骨から、からっぽの眼窩がにらみつけていた。
- 頭蓋骨から骨を円形断面に取り外す手術
- 頭蓋骨の発見は古生物学者を釘付けにした
- 分割した脊柱と頭蓋骨または頭蓋に包まれた大脳を持つ骨性または軟骨性頭蓋骨を持つ動物
- 一般的にずっしりした体のサンショウウオまたはワニを思わせる、硬く平たい頭蓋骨頭と円錐歯がある絶滅した両生類
- 頭蓋骨の側頭部に穴が無い原始的爬虫類
- 頭蓋骨のそれぞれの眼の後ろに一対の穴がある爬虫類
- 巨大なくちばしの付いた頭蓋骨を持ち、四足の草食性で角のある恐竜類の総称
- 頭蓋骨の側部に一時的な一対の穴がある絶滅した爬虫動物
- 英国原産の頑強でずんぐりした犬で、幅広い頭蓋骨とすべすべした被毛を持つ
- 人間の頭蓋骨に似た模様が背中にある欧州産スズメガ
- トランスヴァール州で発見された頭蓋骨に代表される初期のヒトでありうる
- 頭蓋骨の両心耳の直径
- 頭蓋骨の前頂の、または、頭蓋骨の前頂に関する
頭蓋骨と同じ種類の言葉
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