後ろとは?

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うしろ【後ろ】

人や物の正面とは反対の側。また、その方向。

後方背後。「後ろを向く」「後ろへ順に送る」「駅の後ろの公園」⇔前。

背中。「敵に後ろを見せる

表からは見えない所。物の裏側になっているところ。「カーテンの後ろ」「後ろで糸を引く」⇔前。

順序のあとの方また、最後のところ。「行列の後ろにつく」「物語の後ろの方でどんでん返しがある」⇔前。

過去のこと。「後ろを振り返らず前向き生きる

舞台に出て役者着付け直したりする者。後見(こうけん)。

舞台後方黒衣を着て控え役者台詞(せりふ)をつける者。

舞台の陰で役者所作につれて歌ったり、演奏したりすること。また、その音楽下座音楽

物事の過ぎ去ったのち。特に、人が去ったり、死んだりした、それから先。

「世を去りなむ—の事、知るべきことにはあらねど」〈源・椎本

下襲(したがさね)のしり。裾(きょ)。

御衣(おんぞ)の—ひきつくろひなど」〈源・紅葉賀


うしろ【後】

〔名〕 空間的にも、時間的にも用いる。

正面向いている場合、ほぼ、視野外の方角に当たるところ。体が向いているのと逆の方向に当たるところ。背後後方。あと。しりえ。

宇津保(970‐999頃)蔵開中「うちむづかりて、うしろむき給へる御ぐしの」

② 背。背中。または、後頭部

多武峰少将物語(10C中)「かしらおろしては、かうぶりとられなんと人のものすればなむ、いささかうしろのこして侍る

大鏡(12C前)三「九条殿なん御うしろをいだきたてまつりて」

後ろ姿

(10C終)八三「奥のかたより見いだされたらんうしろこそ」

正面からは見えない部分物の背後向こう側。かげ。ものかげ

古今(905‐914)賀・三五二・詞書「うしろの屏風によみてかきける」

(5) ある物の後部

平家13C前)八「車には、めされ候ふこそうしろよりめされ候へ

(6)多く、「うしろやすし」「うしろかるし」などの形で使われる) 人の生活や環境において、不確定、不安定部分。人の生活の背後にある部分

続日本紀天応元年781二月一七日宣命罷りまさむ道は、〈略〉宇志呂(ウシロ)も軽く安らけく通らせ」

(7) 下座(しもざ)。

弁内侍1278頃)建長元年五月御手水の間台盤所はうしろにす」

(8) 下襲(したがさね)や袴などの尻の部分

(10C終)一一「うしろをまかせて、御前のかたにむかひてたてるを」

(9) (行った者、死んだ者の立場からみていう) 人が立ち去った後。また、死後

源氏100114頃)椎本「世を去りなんうしろの事知るべきことにはあらねど」

(10)時の流れに従って進んで行く者の背後の意から) 過ぎ去った昔。過去

夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村第二部その時になって見ると、〈略〉すべて後方(ウシロ)になった。すべて、すべて後方になった」

(11) 芝居で、役者所作をしている間、舞台の陰で歌ったり三味線などを演奏すること。また、その音楽下座音楽

洒落本通言総籬(1787)一「くさぶえ入のうしろで読まうといふ、ふみだっけ」

戯場訓蒙図彙(1803)三「唄(うた)俗に又つなぎ、一名うしろとも云」

(12) 舞台に出て役者着付け直すなどの世話をする者。後見

滑稽本八笑人(1820‐49)四「うしろとしたのは、後見やはやしへ廻る印よ」

(13) 舞台後方控え必要に応じてせりふを付けたり役者着付け直したりなどの世話をすること。また、その者。後見。「うしろを付ける

[語誌](1)古代、「うしろ」の意味の中心は「背面ものかげ」にあり、「前方」の意の「まへ」と対義関係になる「後方」の意味は、もっぱら「しりへ」で表わされていた。
(2)中古末期頃から、「うしろ」が「しりへ」の意味領域進出し、「後方」の意味をも担うようになるに及んで「しりへ」は衰退する。その結果現代におけるように「うしろ」は「まえ」の対義語としても用いられるようになった


後ろ

★1a.後ろ手一般に、相手背を向けて何事かをするのは呪いのしぐさである。

古事記上巻 イザナキ黄泉国訪れた時、8体の雷神と千5百の黄泉軍よもついくさ)に追われた。彼は、身につけていた十拳(とつか)の剣を抜き後ろ手振りながら逃げた〔*日本書紀巻1に同記事〕。

古事記上巻 ホヲリ山幸彦)は、兄ホデリ海幸彦)に借り釣り針を、海に失う。海神助けで、ホヲリ釣り針を捜し出し、兄ホデリ釣り針返すその時海神教えられたとおり、ホデリ呪いの言葉唱え(*→〔呪い〕1)、後ろ手釣り針を渡す。その後、兄ホデリ貧しくなる。

*これとは逆に後ろ手財産授かる話もある→〔餅〕6の『妖怪談義』(柳田国男)「妖怪名彙シズカモチ)」。

★1b.神と対面するのは畏れ多いので、後ろ手行なうという場合もある。

奇談異聞辞典柴田宵曲)「戸隠明神」 歯の病の治癒を願って戸隠明神参詣する人は(*→〔歯〕8)、奉納する。神主折敷にのせて後ろ手捧げ、後(あと)しざりして、奥の院岩窟前に置いて帰る。後ろをかえり見ることはしない。神主岩窟から10離れないうちに、まさしく梨の実喫する音が聞こえるという(『譚海』巻2)。

★2.後ろへ投げる。

オデュッセイア第5巻 トロイアから故国イタケへの航海途中大嵐で船が難破し、オデュッセウス海上を漂う。海の女神レウコテアオデュッセウススカーフ与え、「これを身につければ危険にはあわぬ。ただし、無事陸地に手が触れ時には、海に背をむけてスカーフ投げ返せ」と教える〔*オデュッセウス陸地に着きスカーフ投げ眠りこんで、王女ナウシカア発見される〕。

神統記ヘシオドスウラノス(=天)が夜を率いて訪れガイア(=大地の上愛を求めておおいかぶさった時、彼らの息子クロノス待ちぶせの場から手を伸ばし大鎌で父の性器切り取った。クロノスがそれを背後投げつけると、後ろへ飛んでいった。

日本書紀巻2・第10段一書第2 海神ヒコホホデミに、「鉤(つりばり)を兄ホノスセリに返す時には、『貧鉤(まぢち)、滅鉤(ほろびち)、落薄鉤(おとろへち)』と呪詞をとなえ、鉤を後ろ手投げ捨てて兄に取らせよ。面と向かって与えてはいけない」と教える。ヒコホホデミはこの呪詞と、潮満つ珠潮干る珠用いて、兄を降参させた〔*一書第3にも同記事。ただし呪詞が異なる〕。

変身物語オヴィディウス)巻1 大洪水後、生き残ったデウカリオンピュラ夫婦は、女神テミスから「大いなる母の骨を背後投げよ」との神託を得た。夫婦は、「大いなる母」は大地、「骨」は石のことと解し、石を後ろの方へ投げると、そこから人間が生じた〔*→〔接吻〕5の「母なる大地伝説」も、神託「母」を「大地」と解釈する物語〕。

*→〔うちまき2aの『追儺』(森鴎外)・〔呪的逃走〕1の『御曹子島渡』(御伽草子)・『古事記上巻・『ペンタメローネ』(バジーレ)第2日第1話・〔守り札〕1の『三枚のお札』(昔話)。

★3.自分自身後ろ姿

カンガルー・ノート安部公房かいわれ大根が脛に生え奇病かかった「ぼく」は、廃駅にたどり着き、賽の河原小鬼たちの手ダンボール箱に押し込められる。ダンボール箱には覗き穴があり、そこから外を見ると「ぼく」の後ろ姿見える。その「ぼく」も、覗き穴から向こうをのぞいている。「ぼく」は脅える。駅の構内で「ぼく」の死体発見される。

現代民話考』松谷みよ子)5「死の知らせほか」第1章の2 昭和521977)年、硬膜下血腫の手術中生死の間を漂っている時に見た1コマ真っ白なペンキ流したような大きな川に、真っ黒な小波が立っていた。白と黒河原に私はションボリと立っており、その後ろ姿を私が見ていた。自分の姿を自分見て自分が呼んでいるのは、まことに奇妙なことだった(新潟県新潟市)。

百物語杉浦日向子)其ノ16 ある家の主人が外から帰って来て書院文机寄りかかる人の後ろ姿を見る。それはどう見ても、主人自身後ろ姿だった。やがて後ろ姿は、障子のわずかな隙間から外へ出て行った。主人その年のうちに死んだ。その家では父も祖父も、死ぬ前に自分の姿を見ている。

自分後ろ姿と気づかず銃撃する→〔円環構造〕7の『長い部屋』(小松左京)。

*無限の空間彼方に自分自身後ろ姿を見る→〔無限〕8の『似而非(えせ)物語』(稲垣足穂『ヰタ・マキニカリス』)。

★4.後ろ姿振り返ってこちらを見る。

一千一秒物語稲垣足穂)「自分によく似た人自分によく似た人が住んでいるという、真四角な家があった。自分の家とそっくりなので、変に思いながら、戸口開けて2階へ登る椅子にもたれ、背をこちらに向けて、本を読んでいる人があった。「ボンソアール!」と大声で言うと、向こう驚き立ち上がってこちらを見たその人とは自分自身だった。

小説を読んでいる人の後ろ姿→〔作中人物5aの『続いている公園』(コルタサル)。

後ろ姿見せ幽霊→〔霊〕4bの『遠野物語』(柳田国男23


前後

(後ろ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/03 10:57 UTC 版)

前後(ぜんご、まえうしろ)とは、方位(六方)の名称の一つで、奥行を指す方位の総称。この内、進む方向を(まえ)、これと対蹠に退く方向を(うしろ)という。




「前後」の続きの解説一覧

後ろ

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 18:19 UTC 版)

漢字混じり表記

(うしろ)

  1. うしろ 参照



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