新潟県新潟市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 06:51 UTC 版)
指定年月日:2007年(平成19年)6月4日 事業期間:2007年度 - 2012年度の6年間(当初の事業期間は2011年度末までだったが、2010年春に1箇年延長を決定) 主な事業者:新潟交通・新潟交通観光バス 同市内の軌道系公共交通はJR線のみであり、市内交通においてはバスが大きな役割を持っている(詳細は新潟市の交通の記事を参照)。新潟交通グループは新潟駅や万代シテイバスセンター、古町、新潟市役所など市内中心部から郊外へ放射状に伸びる路線網を構築していたが、これら中心部のバス発着点は路線や便によって大きく異なっており統一性がないなど路線構成が他都市に比べて非常に煩雑となっていた(新潟交通のバス路線一覧#新バスシステム開業前の特色・問題点を参照)。また不採算路線の削減・廃止などにより公共交通の空白域が生じるなどしたこともあって、日常の交通手段を自家用車に依存する比率は年々増加し、市内各所の幹線道路では渋滞・速度低下が慢性化しつつあった。 新潟市は2005年(平成17年)に13市町村を編入する広域合併を行い、さらに2007年(平成19年)に政令指定都市へ移行するにあたり、公共交通の振興や道路交通の円滑化など市内全域の交通施策を体系的に進めるための短中期計画「にいがた交通戦略プラン」の策定作業を2006年(平成18年)から進め、その一環として路線バスの振興を目指す「新潟市オムニバスタウン計画」を策定し、2007年(平成19年)に指定を受けた。 この計画を踏まえ、同年11月1日のにいがた基幹バス(りゅーとリンク)運行開始をはじめ、市内の路線網再編やバス停の環境整備、非接触式ICカード乗車券「りゅーと」の導入など、2012年度末までの6箇年で様々な施策が行われた。 また交通戦略プランには「南区方面のバス利便性向上」など市内全域の公共交通振興策が盛り込まれており、さらに市が県と共同で行っている「新潟空港アクセス改善事業」でも、当面の策として路線バスの運行体制改善が図られることになった。新潟市都市政策部、新潟県(港湾振興課、新潟県警察本部ほか)、国土交通省など関係官庁と新潟交通グループ、JR東日本新潟支社など関連事業者はこれらの策を共同で段階的に実施しながら、公共交通の利便性向上を目指している。 主な施策 2007年度中央区・江南区を除く6行政区で市主体のコミュニティバス「区バス」の運行を開始(江南区は試験運行) 市内中心部の主要バス停に設置されている上屋を改修(もしくは新設) ノンステップバスの増車 11月1日、新潟市中心部発着路線のダイヤ改正で実施されたもの市内線・郊外線のうち、新潟駅から県庁、新潟市民病院、東北電力ビッグスワンスタジアム方面に至る「中央循環線」と「市民病院線(もとの駅南口・曽野木線)」の2路線を基幹路線と位置づけ「にいがた基幹バス」として運行開始 郊外線のうち、万代シテイバスセンター(前)発着且つ市内中心部の運行経路が往路・復路で異なっていた「鳥屋野線」「大野白根線」「流通センター線」の3路線を新潟駅前(万代口)発着・柾谷小路経由に経路を統一化 一部路線で終バス繰り下げを実施 大野白根線のうち、白根線の各停平日朝3本を「区間快速」として2停留所を通過 2008年度江南区の「区バス」が正式事業化 中央区中心部・柾谷小路沿いのバス停留所(礎町、本町、古町の3停留所)を方面別に集約 イオン新潟南ショッピングセンターと共同で、長潟線と同SC駐車場利用によるパークアンドライドの社会実験を実施(11月4日 - 2009年2月27日。実験以降、長潟線・京王団地線は平日全便が同SCへ乗り入れ) 2005年(平成17年)から夏休み期間、主に旧市域の路線で実施していた「子供ワンコインバス」(1乗車50円)を通年実施、土曜・休日に拡大(2009年1月17日より) 中央循環線、大野白根線で位置表示装置付きバス停の供用を開始(2009年3月より。県庁、新潟ふるさと村、北田中など) 大野白根線のうち、白根線の区間快速3本を「快速」に改称し通過停留所を追加、新潟駅前発の各停平日夕方2本を快速化(同年3月14日のダイヤ改正より) 2009年度空港線を再編、新潟駅南口発着・東跨線橋経由の直行系統「エアポートリムジン」を開設(4月1日。従来の新潟駅万代口・バスセンター発着便は各停として5月1日から運行再開) 市内中心部の運行経路が往路・復路で異なっていた「船江町線」「太夫浜線」の2路線を松浜線同様、市役所前発着・万代町通経由に経路を統一化。さらに空港線各停を増発し、松浜線に新潟駅への直通系統を開設(6月1日より) 市道太平大淵線の改良工事進捗に伴い「牡丹山線」「山二ツ線」「東明線」の3路線を新潟県立新潟北高等学校まで延伸(9月1日より) 2011年度非接触型IC乗車カードによるストアードフェアシステム「りゅーと」の導入 今後予定される施策引き続き市内路線網の再編を実施し、最終的には市内中心部のバス発着地を新潟駅万代口・南口と市役所前の2箇所に集約 路線ごとに分散している市内中心部の停留所を方面別に統合し、数箇所に集約 軌道系公共交通の無い南区方面への基幹路線開設の検討 バスロケーションシステムのサービス向上 ほか 新潟駅は現在、南北の駅前にそれぞれバスターミナルが設けられているが、2015年度中の完工を目標に進められている在来線連続立体交差化事業とそれに伴う駅周辺整備事業において、高架下の駅舎東側に「交通広場」が設けられ、バスターミナルが一箇所に統合される予定である。
※この「新潟県新潟市」の解説は、「オムニバスタウン」の解説の一部です。
「新潟県新潟市」を含む「オムニバスタウン」の記事については、「オムニバスタウン」の概要を参照ください。
- 新潟県新潟市のページへのリンク