せりふ【台=詞/科=白】
読み方:せりふ
2 人に対する言葉。言いぐさ。「気のきいた—を吐く」「そんな—は聞きたくもない」
「これ半七、お花はこちの奉公人、親仁との—なら、どこぞ外でしたがよい」〈浄・女腹切〉
5 支払いをすること。
だい‐し【台詞】
読み方:だいし
「せりふ」に同じ。
台詞
台詞(せりふ)
台詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/26 04:51 UTC 版)
台詞(せりふ、日本語表記揺れ:せりふ、セリフ)とは、演劇や創作物の作中で登場キャラクターが発する言葉である。転じて、日常会話や文章などにおいての「決まり文句(きまりもんく)」、または、会話や言葉そのものをも指す。
「科白」とも記すが、こちらの語は言葉のみならず仕草も含意する点で「台詞」とは異なる。したがって、日本語一般で多く使われる意味での「せりふ」ということでは、「台詞」がよりふさわしい。ただし、両者の違いは一般的に認識されていないため、「科白」が間違いということにはならない。
概要
劇や漫画の登場人物が発する言葉のこと。脚本の中では実際に発声される言葉の部分であり、漫画においてはふきだしに書かれ読者により読まれる部分である。
また、歌において、メロディーを付けずに話すように発声される部分をこう呼ぶ。台詞で有名な歌に『傷だらけの人生』(鶴田浩二)などがある。
江戸時代においては苦情や言い訳、交渉などの意味で用いられていたこともあり、遊廓では遊女と客の駆け引きや、支払いのことを指していた[1]。
語源
「せりふ」は江戸時代のはじめ頃から使われている語で、「世流布」(せるふ)が変化したもの、または「競り言ふ」(せりいう)が詰まったものだと考えられている。
明治以降主に使われる漢字表記には「科白」と「台詞」の二通りがあるが、どちらも中国語にある言葉に対する当て字で[2]、前者は「かはく」、後者は「だいし」と読むこともある。
せりふの種類
- 対話(たいわ)
- 英語(イギリス英語)で “dialogue” 、アメリカ英語で “dialog” という。それらを音写した外来語(日本語)で「ダイアローグ」ともいう。
- 舞台上の複数の登場人物が互いに話し合う際のせりふ。
- 独白(どくはく)
- フランス語および英語で “monologue” という。それに由来する外来語で「モノローグ」ともいう。
- 舞台上にただ一人いる登場人物が独り言として発するせりふ。
- 傍白(ぼうはく)
- 英語で “aside” という。それに由来する外来語で「アサイド」ともいう。
- 舞台上の登場人物には聞こえないという決まりのもとで、観客に向けて本心などを述べる際のせりふ。
歌舞伎における台詞
歌舞伎では、音楽的要素が強いことから、韻律的な台詞がさまざまに発達した。以下に上げるのはそれらのうちで代表的でものである。
- 捨て台詞(すてぜりふ)
- 舞台上で役者が即興で挟むせりふ。アドリブのせりふ。
- 「立ち去る前に発せられる言葉」という語義での日本語「捨て台詞」は、前者から派生して一般化した語であり、別れ際の挨拶や、相手に浴びせる侮蔑・罵倒の意味で使用されている。「(立ち去る前に発せられる)捨て台詞」の英語表現については「パルティアンショット#捨て台詞」を参照
- つらね
- 漢字では「連事」あるいは「連詞」と記す。主に荒事の主役が述べる長台詞(ながぜりふ。文句の長い台詞)。音楽的要素が強く、掛詞などが使われる。これが発展し、割台詞、渡り台詞などとなる。
- 割台詞 / 割白(わりぜりふ)
- 二人の登場人物がそれぞれ交互に思いを述べ、最後に結論を双方が同時に同じせりふで発する手法。
- 渡り台詞(わたりぜりふ)
- 一連のせりふを複数の登場人物が順番に受け渡しながら発する手法。
- 名乗り台詞(なのりぜりふ)
- 主に主役が登場し、名乗りを上げる際のせりふ。
脚注
出典
参考文献
- 山口佳紀 編 編『暮らしのことば語源辞典』講談社、1998年5月。 ISBN 4-06-125037-X、ISBN 978-4-06-125037-6、OCLC 1002281606。
関連項目
台詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 00:33 UTC 版)
サンボが出かけるとき、サンボの母はサンボに「服を汚さないでね」と呼びかける例が多い。またトラはサンボの服を奪うとき、「俺様」と自称するものが多い。
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台詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:38 UTC 版)
「ターミネーター (映画)」の記事における「台詞」の解説
警察署窓口を去る際にT-800が口にする「I'll be back.(また戻ってくる)」は、本作以降シュワルツェネッガーのトレードマークとなり、続編を含む以降の出演作で同じセリフを言うシチュエーションが多用されている。 サラがT-800をプレス機で押し潰すときのセリフ「You are terminated.(「抹殺完了」「お前を抹殺する」)」は、『ターミネーター3』でT-850がT-Xを破壊するときにも使用された。『ターミネーター2』では、ジョンの「Is he dead?(死んだの?)」に対し「Terminated.(完全に)」という台詞が発せられている。 カイルがサラに言った「機械のことは信用するな。やつらは悲しみも感情もないのだ」という台詞は『ターミネーター2』や『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』でサラが頑なに信じている言葉でもある。『ターミネーター2』特別編でT-800のチップを取り出し、叩き壊そうとしてジョンに制止されるシーンがある他、 サラはジョンを助けに来たTOK715型ターミネーター(キャメロン)をも信用してはいない。
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台詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 08:47 UTC 版)
大蛸: いつぞハいつぞハと、ねらいすましてゐたかいがあつて、けう(今日)といふけう、とうとう、とら(捕ら)まへたア。ても(ママ)、むつくりとしたいいぼぼた(ママ)。いもよりハ、なを(尚)、こうぶつだ。サアサア、すつてすつて、すいつくして、たんのふ(堪能)させてから、いつそ、りうぐうへつれていつて、かこ(囲)つておこうか。 女: ズウツズツズツニ、チユツチユチユツ、ズウツズウツ、フゝゝゝウ。アレ、にくいたこだのう。うフゝゝゝ。ヱゝ、いつそ、アレアレ、おくの、フゝゝゝ、こつぼのくちをすハれる(吸われる)ので、いきがはづんで、アゝヱゝモ。イツク(一句)、『それなア、いぼ(疣)で、ヱゝフウフウ、いぼで、ヱゝフウフウ』。そら、われをいろいろと、ヲゝヲゝアレアレ、こりやアどうするのだ。アゝヨウヲゝヲゝヲゝホヲゝ、アゝレヱヲゝヲゝ、いゝいゝ、ヲゝいゝいゝいゝ。ハアゝ、アゝいゝいゝ、ハアいゝ、フゝゝゝウ、フゝゝゝウ、まただヨウヨウ。いままで、わたしをば、人が、アア、フゝゝゝウゝウゝウゝ、たこだ、たこだといつた(言った)がの、ヲゝフゝウゝウゝ、どふして(どうして)どふして、ヱゝヱゝ、この、ヲゝ、ヨヨヨウ、サアデヱハ(さては)、アゝアゝアゝ、ズウズウズウ、ひちやひちや、ぐちやぐちや、じゆつちうちゆちゆちゆ、ぐうぐう、ズウズウ。なんと、八ほんのあしのからミあんばい(塩梅)ハ、どふだ(どうだ)どふだ。あれあれ、中がふくれあがつて、アゝアゝ、ゆ(湯)のやうなゐんすい(淫水)、ぬらぬらぬら、どくどくどく。ヱゝ、モゝウ、くすぐつたくなって、ぞつぞつと、こしにおぼへ(覚え)がなくなって、フゝゝゝウ、フゝゝゝウ。きり(切り)もさかい(境)もなくの、ヲゝヲゝヲゝ、いきつづけ(行き続け)だアな。アゝアゝアゝ、アレアレ、ソレソレ、ウゝゝくゝゝ、フンムフウム、ウゝウゝ、いゝヨいゝヨ。 小蛸: おやかた(親方)がしまふ(しまう)と、また、おれがこのいぼで、さねがしら(核頭)からけつのあなまで、こすつてこすつて、き(気)をやらせたうへ(上)で、また、すいだしてやるにヨ、チウチウ。
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台詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 03:44 UTC 版)
「ウホッ! いい男…」 道下の阿部に対する第一印象。のちに発刊された作品集のタイトルにも用いられた。作中では「いい男」「イイ男」など、表記に若干のぶれがある。 「やらないか」 阿部が自身の陰茎を見せつけながら道下を誘うときの台詞。語尾に疑問符は付けない。 『薔薇族』初代編集長の伊藤文學は、この台詞を「皆が行動を起こせ!という呼びかけの言葉」ととらえ、語尾に感嘆符を付けて自著のタイトルに使用した。 「すごく…大きいです…」 阿部から陰嚢を見た感想を求められた道下の一言。
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台詞(セリフ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 02:17 UTC 版)
脚本 登場人物がしゃべる言葉を「」で括って記述する。「の前に役者の役名を記述する。性別が分かりやすいように男性は名字、女性は名前で書くのが一般的。ナレーションの場合はNと書く。その場にいない(映像では画面に映っていない)人物の台詞は、冒頭に(OFF)《読み:オフ・ボーカル》と書くことで指定する。内心の台詞は(M)《読み:モノローグ》と表記する。《例:両津(OFF)「そんなことが……」》または《例:山田の声「そんなことが……」》など。 戯曲 書式は脚本と同じ。劇場の規模によっては、役者の演技や持ち道具、小道具が見えない場合が多々あるため、または演出家の狙いで状況を台詞で説明する場合が多い。これによって、大怪獣が現れたり、数百人の機動隊に囲まれたりする芝居の世界観を作り出す。台詞の流れを印象付けるため、「倒置法」という台詞回しを使うことがある。《例:「今日はいい天気だね」→「いい天気だね! 今日は」》など。 漫画原作 書式は脚本と同じ。台詞は吹き出しに収まるように要求される。長台詞の場合は三行台詞があって行動(ト書き)し、また三行台詞を繰り返す。基本的にはテキストなので、「強敵(ライバル)」または「友人(ライバル)」などのルビを入れて、二つの意味を持たせることもある。また擬音(オノマトペ)なども原作者の仕事である。語尾などにキャラクターを立てる台詞を要求されることもある。《例:「…だよーん」「…なのだ」》など。 ナレーション 登場人物の心象や内心、人間関係の説明。状況、事情などを語るときに使われる。登場人物自らがナレーションする場合と、別にナレーターを立てる場合がある。 多用すると、映像作品としての意味を問われる場合があるので、あまり好まれないが、見せたいシーンの構成や、込み入ったストーリーでは物語の整理をつけ、分かりやすくするために使われる。同じような意味で、物語の冒頭でテキストされることもある。
※この「台詞(セリフ)」の解説は、「脚本」の解説の一部です。
「台詞(セリフ)」を含む「脚本」の記事については、「脚本」の概要を参照ください。
「台詞」の例文・使い方・用例・文例
- その台詞は我々には素晴らしく聞こえる。
- それは悲しい台詞ですね。
- それは私がこの映画の中で最も好きな台詞です。
- 私はその台詞から英語を学ぶ。
- 私は映画の台詞を英語で聞くことによって、英会話に少し慣れました。
- あなたはこの台詞を聞いたことがあると思います。
- 私の好きな台詞にこのようなものがある。
- それは私の台詞です。
- 役者は台詞を暗記しなければならない。
- 僕は芝居の自分の役の台詞を覚えた。
- テレビでは俳優が台詞を思い出せるようにキューカードが主に使われる。
- 台詞を忘れる.
- 君の台詞で彼はかっときたんだ.
- これがどの女の子にも言う君のお得意の台詞なのかい.
- それは僕の台詞だよ.
- 彼は台詞回しがじょうずだ.
- 台詞の書き抜き
- へま(特に役者が台詞を忘れること)
- >> 「台詞」を含む用語の索引
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