台詞の出自
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 09:14 UTC 版)
「I am Error」の記事における「台詞の出自」の解説
『リンクの冒険』はゼルダの伝説シリーズの第2作であり、日本では1987年1月14日に発売され、海外では1988年後半に発売された。プレーヤーは「リンク」というキャラクターを操作し、舞台であるハイラルを冒険してゼルダ姫の救出を目指す。ゲームの始めの頃で、リンクは「ルト」という町に到着する。ルトの町ではある家屋に入ることができる。そこには紫色の服を着た髭面の男が住んでおり、"I AM ERROR"と発言する。 英語版のゲームを遊んでいた人たちはこの台詞に困惑し、その多くが誤訳やゲームの欠陥と勘違いした。しかし、この台詞は元の日本語版の「オレノナハ エラー ダ...」を正しく英訳したものだった。最初に来たときは「エラー」はそれ以外に何も発言しない。しかし、プレーヤーがミドの町に進むと、ミドの町にいる男がリンクに、ルトの町の「エラー」から話を聞くように助言する。それから「エラー」の元に戻ると、「エラー」は3番目のダンジョンへ入るための方法に関する手掛かりを教えてくれる。 「エラー」というキャラクターの由来については開発した任天堂からの公式の説明が無いが、プレーヤーの間ではプログラマのジョークと考えられている。ゲームには「エラー」だけでなく「バグ」というキャラクターも登場する。「バグ」はルトの町の南にある森の中に隠された家に住んでいる。「エラー」と「バグ」は姿が似ているが、「エラー」は紫色の服を着ており、「バグ」は赤色の服を着ているという違いがある。そのため、開発者が一方に「エラー」、他方に「バグ」という名前を付けて、ユーモラスな関係性を持たせたと推測されている。このゲームを日本語から英語に翻訳したときに、「エラー」は正しく"Error"と訳されたが、「バグ」は"Bug"とは訳されなかった。イギリスのOfficial Nintendo Magazine(英語版)には、「バグ」を"Bagu"と訳したのは誤りで、"Bug"と訳すべきだったと書かれている。 コンピュータゲーム『MOTHER3』のファンコミュニティでゲームの英訳(en:Mother 3 fan translationを参照)を主導したことで知られるクライド・マンデリン(英: Clyde Mandelin)は、"I am Error"という台詞はしばしば誤訳と誤解されており「ファミリーコンピュータ初期のゲームで最大級の誤訳」と勘違いされることさえあると記している。他にも、「エラー」にまつわる誤解として、"Error"は誤植であり"Errol"が正しいというものもあるが、日本語版のテキストから、この推察は誤りであることが分かる。この台詞がしばしば誤訳や誤植と考えられたのは、1980年代から1990年代に発売された初期のテレビゲームの多くで、誤訳や拙い英語(いわゆるEngrish)が多く見られたためと考えられる。ゼルダの伝説シリーズの最初の作品『ゼルダの伝説』もその例に含まれる。特に有名な例が1989年のコンピュータゲーム『ゼロウィング』の"All your base are belong to us"である。
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