誤訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/14 07:12 UTC 版)
誤訳(ごやく)は、翻訳における誤りのひとつで、翻訳の対象となる原文の内容を正確に理解していない翻訳者が、誤った理解に基づいて翻訳文を作成すること、またそのように作成された誤った内容の翻訳文[1][2]。原文に含まれている要素を、誤解して訳文に盛り込むもののほか、原文に含まれている要素を訳文に反映させていない「訳抜け」や、逆に原文に書かれていない要素を訳文に盛り込んでしまう場合も誤訳に準じた翻訳上のミスとされる[2]。翻訳の過程が解釈と表現からなるとすると、もっぱら解釈の誤りに由来するものが「誤訳」とされ、これに対して、もっぱら表現の適否、巧拙における問題点は「悪訳」として区別することがある[3]。誤訳の指摘をおもな内容とする書籍などでは、さらに「珍訳」[4]、「欠陥翻訳」[5]といった表現が用いられることもある。
- ^ "誤訳". 精選版 日本国語大辞典. コトバンクより2020年10月4日閲覧。
- ^ a b c “翻訳の誤りとは ~4つの分類とチェック”. 川村インターナショナル. 2020年10月4日閲覧。
- ^ 中原道喜「はしがき」『誤訳の典型』聖文新社、2010年。"翻訳の過程は,おおまかに“ 解釈 ”と“ 表現 ”という二つの部分に分けられるが,“ 表現 ”(または“ 訳し方 ”)の適否や巧拙がかかわるのは「悪訳」であって,「誤訳」ははっきりとした“ 解釈 ”の誤りに由来するものである."。 版元ドットコム
- ^ 菊地義明『誤訳・悪訳・珍訳大研究―間違いだらけの翻訳を糺す!』日本実業出版社、1995年。
- ^ 別宮貞徳『誤訳、悪訳、欠陥翻訳―ベック剣士の激辛批評!』バベルプレス、1993年。
- ^ “誤訳が引き起こす危険性とは!翻訳会社に依頼するメリットとは”. 十印 (2019年11月18日). 2020年10月4日閲覧。
- ^ 末次賢治 (2004年9月13日). “戦争を終わらせた誤訳(抜粋)”. 楽天. 2020年10月4日閲覧。
- ^ “日米和親条約の誤訳が歴史を動かした?”. Crimson Interactive Japan Co., Ltd. (2019年3月14日). 2020年10月4日閲覧。
- ^ 堀田都茂樹 (2019年7月23日). “意図した誤訳- 一語の誤訳が世界を変える”. Babel Corporation. 2020年10月4日閲覧。
- ^ 大西菜奈美、山田優、藤田篤、影浦峡「翻訳学習者が誤訳をする理由 MNH-TT の校閲カテゴリ「X3」から見る学習者の訳出プロセスと学習効果」(PDF)『通訳翻訳研究への招待』第18号、2017年、88-106頁、2020年10月14日閲覧。
- ^ 『出エジプト記(口語訳)』。ウィキソースより閲覧。"モーセはそのあかしの板二枚を手にして、シナイ山から下ったが、その山を下ったとき、モーセは、さきに主と語ったゆえに、顔の皮が光を放っているのを知らなかった。"。
- ^ a b “モーセの頭に2本の角が生えた彫像がありますが、これはどういうことを意味していますか。” (PDF). 日本基督教団西神戸教会. 2020年10月4日閲覧。
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