別宮貞徳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 13:48 UTC 版)
人物情報 | |
---|---|
生誕 |
1927年3月28日![]() |
死没 |
2025年3月21日![]() |
出身校 | 上智大学 |
学問 | |
研究分野 | 英文学 |
研究機関 | 上智大学 |
別宮 貞徳(べっく さだのり、1927年3月28日 - 2025年3月21日)は、日本の英文学者・翻訳家。元上智大学文学部教授[1]。
経歴
- 出生から修学期
1927年、東京府で生まれた。兵庫県立第一神戸中学校、第一高等学校理科を経て、東京大学理学部動物学科に入学。しかし在学中に聖職者を志し、東京カトリック神学院に入学。健康上の問題で休学し、上智大学ラテン哲学科を経て、同大学英文学科を卒業[2]。同大学大学院修士課程を修了。
- 英文学研究者として
研究内容・業績
同僚であったピーター・ミルワード、チェスタトンなどの多くの翻訳のほか、誤訳批評・批判でも知られる。また、クラシック音楽にも造詣が深く、数多くの著書がある。
家族・親族
著書
単著
- 『「あそび」の哲学:独楽的人生のすすめ』産業能率短期大学出版部 1974
- 文庫化 講談社学術文庫 1984
- 『「あそび」の効用:やぶにらみ人間学』産業能率短期大学出版部 1975
- 改題文庫化 『複眼思考のすすめ:非合理が文化を作る』講談社文庫 1986
- 『翻訳を学ぶ』八潮出版社 1975
- 改題文庫化 『翻訳と批評』(講談社学術文庫) 1985
- 『「型破り」の思想』産業能率短期大学出版部 1976
- 『日本語のリズム:四拍子文化論』講談社現代新書 1977
- 文庫化 ちくま学芸文庫 2005
- 『翻訳読本:初心者のための8章』(講談社現代新書) 1979
- 『翻訳の初歩:英文和訳から翻訳へ』ジャパンタイムズ 1980
- 改題『実践翻訳の技術:さらば学校英語』ちくま学芸文庫 2006
- 『誤訳迷訳欠陥翻訳』(正・続) 文藝春秋 1981-1983
- 新編文庫化 ちくま学芸文庫 1996
- 『誤訳辞典』日本翻訳家養成センター 1983
- 『英文の翻訳』(スタンダード英語講座 1) 大修館書店 1983
- 『「不思議の国のアリス」を英語で読む』PHP研究所(21世紀図書館) 1985
- 文庫化 PHP文庫 1993
- 文庫化 ちくま学芸文庫 2004
- 『こんな翻訳読みたくない』文藝春秋 1985
- 『こんな翻訳に誰がした』文藝春秋 1986
- 『悪いのは翻訳だ:あなたのアタマではない』文藝春秋 1988
- 『目から鼻へ抜ける話』南窓社 1989
- 『翻訳の落とし穴』文藝春秋 1989
- 『翻訳はウソをつく』文藝春秋 1991
- 新編『裏返し文章講座 翻訳から考える日本語の品格』ちくま学芸文庫 2009[5]
- 『そこに音楽があった:ベック氏の極私的エッセイ』春秋社 1992
- 『誤訳、悪訳、欠陥翻訳:ベック剣士の激辛批評』バベル・プレス 1993
- 『やっぱり、誤訳だったのか!:欠陥翻訳時評』ジャパンタイムズ 1996
- 『欠陥だらけの大学英語入試』マガジンハウス 1996
- 『トリヴィア・トリヴィオールム:別宮貞徳論文選集』南窓社 2004
- 『できたらすごいBEC先生の「へぇ」クイズ』共同通信社 2005
- 『実況翻訳教室:達人に挑戦』(ちくま学芸文庫 2007
- 『日本語縦横無尽:国語力即上昇のQ&A』共同通信社 2007
- 『ステップアップ翻訳講座:翻訳者にも説明責任が』ちくま学芸文庫 2011
- 『蟹食へば』南窓社 2018
編著
- 『日本の名随筆 別巻45 翻訳』作品社 1994
- 『ヨゼフ・ロゲンドルフ一巻選集』南窓社 1988
訳書
- 『翻訳入門:その理念と技法』T・H・セイヴァリー著、八潮出版社 1971
- 『日本を知る:外人の見た400年』F・ベイテイ著ほか、南窓社 1972
- 『ルネサンス』ウォルター・ペイター著、冨山房百科文庫 1977
- 文庫化 中公クラシックス 2015
- 『音楽:人生の喜び』エドワード・ヒース著、日貿出版社 1980
- 『異文化のはざまで』ヨゼフ・ロゲンドルフ著、文藝春秋 1983
- 『メニューヒンが語る人間と音楽』イェフディ・メニューヒン,カーティス・W・デイヴィス著、日本放送出版協会 1983
- 『古きアフガニスタンの思い出』ポール・セロー著、心交社 1988
- 『十二世紀ルネサンス』チャールズ・ホーマー・ハスキンズ著、朝倉文市共訳、みすず書房 1989
- 『ヴァティカン:歴史・芸術・建築』ヴァレリオ・ヴォルピーニ著、原書房 1991
- 『図説キリスト教文化史』(全3巻) ジェフリー・バラクラフ編、原書房 1993-1994
- 『キッシンジャー:世界をデザインした男』ウォルター・アイザックソン著、日本放送出版協会 1994
- 『ルネサンス百科事典』トーマス・バーギン,ジェニファー・スピーク編、原書房 1995
- 『新約聖書人名事典』ロナルド・ブラウンリッグ著、原書房 1995
- 『図説ハプスブルク帝国衰亡史:千年王国の光と影』アラン・スケッド著、原書房 1996
- 『ミレニアム:文明の興亡この1000年の世界』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト著、日本放送出版協会 1996
- 『幻想の国に棲む動物たち』ジョン・チェリー編、東洋書林 1997
- 『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム著、日本放送出版協会 1998
- 愛蔵版 2018
- 『ヨーロッパ』(全4巻) ノーマン・デイヴィス著、共同通信社 2000
- 『世界音楽文化図鑑』アラン・ブラックウッド著、東洋書林 2001
- 『ベッドの文化史:寝室・寝具の歴史から眠れぬ夜の過ごしかたまで』ローレンス・ライト著、八坂書房 2002
- 『人はなぜ泣き、なぜ泣きやむのか?:涙の百科全書』トム・ルッツ著、八坂書房 2003
- 『世界を変えた100冊の本』マーティン・セイモア=スミス著、共訳、共同通信社 2003
- 『1688年:バロックの世界史像』ジョン・ウィルズ著、監訳、原書房 2004
- 『アイルズ:西の島の歴史』ノーマン・デイヴィス著、共同通信社 2006
G・K・チェスタトン
- 『人間と永遠』(G・K・チェスタトン著作集 2) 春秋社 1973
- 『棒大なる針小:文学論随筆集』(G・K・チェスタトン著作集 4) 安西徹雄共訳、春秋社 1975
- 新装版 1999
- 『異端者の群れ』(G・K・チェスタトン著作集 5) 春秋社) 1975
- 『ローマの復活』(G・K・チェスタトン著作集 7) 春秋社 1977
- 『ロバート・ルイス・スティーヴンソン』(G・K・チェスタトン著作集, 評伝篇 5) ピーター・ミルワード編・解題、柴田裕之共訳、春秋社 1991
ピーター・ミルワード
- 『イギリス人と日本人』ピーター・ミルワード著、講談社現代新書 1978
- 『イエスとその弟子:聖書を読む』ミルワード著、講談社現代新書 1978
- 『人はどう生きるか』ミルワード著、講談社現代新書 1982
- 『ミルワード師の天眼鏡:ニッポンこころ模様』ミルワード著、編訳、主婦の友社 1989
- 『旧約聖書の智慧』ミルワード著、講談社現代新書 1990
- 『お茶とミサ:東と西の「一期一会」』ミルワード著、PHP研究所 1995
- 『英語の名句・名言』ミルワード著、講談社現代新書 1998
ポール・ジョンソン
- 『インテレクチュアルズ』ポール・ジョンソン著、共同通信社 1990
- 文庫抜粋版 講談社学術文庫 2003
- 『現代史 1917-1991』ポール・ジョンソン著、共同通信社 1992
- 『近代の誕生:1815年~1830年』(全3巻) ポール・ジョンソン著、共同通信社 1995
- 『キリスト教の2000年』ポール・ジョンソン著、共同通信社 1999
- 『アメリカ人の歴史』ポール・ジョンソン著、共同通信社 2001
関連事項
外部リンク
- 別宮 貞徳 筑摩書房 2022年5月閲覧
脚注
- ^ 第8回:翻訳に役立つ参考書(8) 裏返し文章講座 翻訳から考える日本語の品格 (別宮貞徳) ちくま学芸文庫 2022年5月閲覧
- ^ 『こんな翻訳に誰がした』著者略歴
- ^ コトバンク 別宮貞徳 2022年5月閲覧
- ^ 富樫康『日本の作曲家』p.275
- ^ 上記の各・文春版を再編
固有名詞の分類
- 別宮貞徳のページへのリンク