講談社現代新書とは? わかりやすく解説

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講談社現代新書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/02 01:47 UTC 版)

講談社現代新書(こうだんしゃげんだいしんしょ、: Kodansha's new library of knowledge)とは、講談社が発行する教養新書のシリーズである。1964年昭和39年)4月に創刊した。

概説

野間省一の署名のある「『講談社現代新書』の刊行にあたって」(1964年4月)では、「教養は万人が身をもって養い創造すべきものであって、一部の専門家の占有物として、ただ一方的に人々の手元に配布され伝達されうるもの」ではなく、「万人の内奥から発した真正の教養への芽生えが放置」されている。このような我が国の現状を憂慮されなければならい事態におかれている。「講談社現代新書」は、「この事態の克服を意図して計画された」ものであると宣言している。

沿革

初期は安倍能成武者小路実篤池田潔などの教養型著書が多く、岩波新書中公新書に遅れをとっていたが、1970年代半ばに、板坂元『考える技術・書く技術』、渡部昇一『知的生活の方法』などのヒットをきっかけに、入門書(ノウハウもの)やハウツーものにも力を入れるようになり、ブランド・イメージと方向性が固まった。 かつては、カバーの角を10枚切り取って講談社に郵送すると特製ブックカバーがもれなく返送されてくるサービスがあったが、現在では行われていない。2014年4月に創刊50周年を迎えた。

装丁

初代
創刊当初はえんじ色の表紙にビニールカバーだった。この装丁のみ、著者名の末尾に「著」の表記がある。
2代目
1971年に杉浦康平等のデザインによる、各冊ごとに表紙はテーマイラストと惹句(キャッチコピー)、裏側は著者の写真略歴(著者が共著などの場合は記載無しもある)と目次入りのカバー装丁に変更された。本体はカーキ色。
3代目
1985年に入り、本体表紙はあずき色で、杉浦デザインによる人体図や幾何学模様を組み合わせたものになり、ブックマークも1,000冊目よりノーベル平和賞メダルから杉浦による「アジアの豊穣の渦」を意味するデザインに変更された。カバー・レイアウトもタイトルのフォントなどが変更した。
4代目
創刊40周年を機に、2004年10月刊行の1,738冊目より中島英樹デザインによる白地で左上に黒のゴシック体で本のタイトル、中央にカラフルな正方形を置いたパターンの装丁に変更する。この正方形は基本的には単色だが、本によっては中にイラストが入っていることもある。
2007年6月刊行から落ち着きを出すため、背表紙も含め白ベースに統一(一部の本はカラー)。本体表紙と帯は正方形の色と同じ。2009年7月には2,000冊目を越えた。

特徴

  • 前記のハウツーものの他にも、現代思想哲学心理学精神医学サブカルチャー映画美術等)に強い。
  • 新書常識を超えた分厚いものがある(「現代哲学事典」「現代思想を読む事典」「新書アフリカ史」「世界の宗教を読む事典」)。
  • 単行本なら優に5,000円を超えるであろう内容が、新書で1,000円台で販売されており、密度が濃いシリーズといえる。

主なロングセラー

第1巻は都留重人著『経済学はむずかしくない』。

関連項目

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