一般的には、乳幼児から幼児期にかけて、様々な原因で発達の遅れなどの障害がみられるものを言います。発達障害の場合、本人の怠慢や家族のしつけ、環境などが原因ではなく、基本的に脳の機能の障害から起こります。発達障害者支援法(2005年施行)では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
発達障害の代表的なものとして、広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)があげられますが、同じ診断名でも、知的障害の有無、子供の個性や発達の状況、年齢など、様々は要因によって多様な症状を呈します。正確な診断ができる専門医はごく少数なため、各専門機関への相談が重要です。
はったつ‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【発達障害】
発達障害
発達障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 07:08 UTC 版)
発達障害(はったつしょうがい、英: Developmental disability、DD)は、身体や、学習、言語、行動の何れかにおいて不全を抱えた状態であり、その状態はヒトの発達期から現れる[1]。
注釈
- ^ 特定分野への興味関心が常軌を逸して強いために、社会的な需要を無視する傾向があり、社会生活に支障を来たす事が多い。また、会話の場で自らの興味のあることばかり話し続けるため、会話が一方通行になりやすい。例えば、職場であれば他者の行動に興味関心を持たないため、組織としての状況を推察できないばかりか、仕事の本質的な理解にも至らず、多大な時間を掛けても仕事が全く進まないという結果になる。
- ^ 教員に対するアンケート調査の結果であり、医師による診断の結果では無いことに注意する必要がある。
- ^ むしろ医師であっても多角的な分析に基づく難しい判断となる。
- 専門家でない者は、複雑な事態の表層だけを見て、社交的でない人全てを発達障害者として扱ってしまう危険がある。
- ^ 公的な認定という意味では、障害全般が医師の診断を必要とするが、特に発達障害の場合、生育歴の調査や能力検査なども含めた多角的な分析が必要であるため、発達障害の診断自体が難しく、誤診もありうることがネックとなる。
- ^ 受診の切っ掛けとしては有用である。
- ^ ちなみに、対義語の「重度」は、「知的障害の度合いが重い」という意味で用いられ、「重度重複障害」などの形で用いられる。
- ^ 同省、初等中等教育局特別支援教育課。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “Facts About Developmental Disabilities”. アメリカ疾病予防管理センター. 2015年6月1日閲覧。
- ^ a b “ライフステージに応じた発達障害の人たちへの支援の考え方”. 内閣府. 2021年7月15日閲覧。
- ^ a b “放課後等の教育支援の在り方に関する資料 データ集”. 文部科学省. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “能力不足・成績不良社員|人事・労務|弁護士法人法律事務所ホームワン”. www.home-one.jp. 2022年3月9日閲覧。
- ^ a b “「10社以上でクビ」発達障害46歳男性の主張 | ボクらは「貧困強制社会」を生きている”. 東洋経済オンライン (2020年10月16日). 2021年12月22日閲覧。
- ^ “適性検査 リスクチェッカー デイズヌーヴェル”. www.dazenouvel.com. 2022年2月14日閲覧。
- ^ “適性検査リスクチェッカー~人材の3大リスクを徹底チェック~|株式会社マネジメントベース|適性検査・スキル測定のサービス詳細 | 『日本の人事部』”. jinjibu.jp. 2022年2月14日閲覧。
- ^ “適性検査の事ならリスク面に特化した適性検査HRベース・リスクチェッカー”. www.r-checker.jp. 2022年2月14日閲覧。
- ^ HRベース. “適性検査 HRベース”. www.hr-base.jp. 2022年2月14日閲覧。
- ^ 発達障害者支援法第二条 e-Gov法令検索 2019年6月19日閲覧
- ^ a b c 吉岡恒生「発達障害児のアセスメント」『愛知教育大学教育臨床総合センター紀要』第2号、2012年3月、79-86頁、NAID 120005378771。
- ^ a b c d e 「第一章 発達障害とは」『支援者のための地域連携ハンドブック ― 発達障害のある子供への対応』東京都多摩府中保健所、2013年。
- ^ 特別支援教育について-発達障害とは - 文部科学省
- ^ “放課後等の教育支援の在り方に関する資料 データ集”. 文部科学省. 2020年12月22日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした”. NHKニュース. 2021年10月11日閲覧。
- ^ “ひきこもり 見過ごされた 発達障害”. NHK生活情報ブログ. 2021年1月31日閲覧。
- ^ “働く広場2017年12月号”. www.jeed.go.jp. 2021年1月31日閲覧。
- ^ “4人に1人以上が発達障害!?引きこもる大人たちが働けない本当の理由”. ダイヤモンド・オンライン. 2021年1月31日閲覧。
- ^ a b 日本放送協会. “なぜ大人になるまで見過ごされるのか|大人の発達障害ってなんだろう?”. 大人の発達障害|NHK福祉ポータル ハートネット. 2021年4月29日閲覧。
- ^ 安藤寿康「遺伝と環境の心理学」 培風館 (2004)
- ^ “Advances in autism”. Annu Rev Med 60: 367–80. (2009). doi:10.1146/annurev.med.60.053107.121225. PMC 3645857. PMID 19630577 .
- ^ National Collaborating Centre for Mental Health (2009). Attention Deficit Hyperactivity Disorder: Diagnosis and Management of ADHD in Children, Young People and Adults. NICE Clinical Guidelines. 72. Leicester: British Psychological Society. ISBN 978-1-85433-471-8. オリジナルの13 January 2016時点におけるアーカイブ。
- ^ “MedlinePlus - Developmental Disabilities”. アメリカ国立医学図書館. 2016年1月10日閲覧。
- ^ B.J.Kaplan; V.A.Sadock『カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5診断基準の臨床への展開』(3版)メディカルサイエンスインターナショナル、2016年5月31日、Chapt.31.5。ISBN 978-4-89592-852-6。
- ^ 橋本亮太; 安田; 大井 et al., eds (2009). “モデル動物を用いた中枢神経系機能性疾患の病態解析” (PDF). 脳と精神の医学 20 (3): 229-231. doi:10.11249/jsbp.20.213 2019年3月28日閲覧。.
- ^ “Specific Conditions”. アメリカ疾病予防管理センター. 2015年6月1日閲覧。
- ^ a b 「発達障害」の用語の使用について - 文部科学省、2007年3月。
- ^ 発達障害者支援に係る検討会. 第3回. 厚生労働省. 15 March 2005.
- ^ Wing,2000
- ^ 稲垣真澄・林隆「発達障害児をもつ保護者の方へ」
- ^ 青木省三; 村上伸治 編『専門医から学ぶ児童・青年期患者の診方と対応』医学書院、2012年5月18日、54-55頁。ISBN 978-4-260-01495-3。
- ^ a b 内田伸子 2006, p. 244.
- ^ 軽度発達障害児の発見と対応システムおよびそのマニュアル開発に関する研究班「第一章」『軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル』厚生労働省、2006年 。
- ^ 「発達障害」の用語の使用について(平成19年3月15日) 文部科学省
- ^ a b 内田伸子 2006, p. 224.
- ^ “Definition of DEVELOPMENTAL QUOTIENT”. Merriam-Webster Dictionary. 2014年11月9日閲覧。
- ^ “developmental quotient (DQ)”. TheFreeDictionary.com. 2014年11月9日閲覧。, in turn citing Mosby's Medical Dictionary, 8th edition.
- ^ 山本 淳一・松崎 敦子 (2016).早期発達支援プログラム 下山 晴彦・村瀬 嘉代子・森岡 正芳(編)必携発達障害支援ハンドブック (pp. 81-87) 金剛出版
- ^ 井上 雅彦 (2016).問題行動を適応行動に変える応用行動分析 下山 晴彦・村瀬 嘉代子・森岡 正芳(編)必携発達障害支援ハンドブック (pp. 88-92) 金剛出版
- ^ 明翫 光宜 (2016).感情調整を支援する認知行動療法プログラム 下山 晴彦・村瀬 嘉代子・森岡 正芳(編)必携発達障害支援ハンドブック (pp. 93-97) 金剛出版
- ^ 「オープンダイアローグで発達障害を治療|医療ニュース|Medical Tribune」『Medical Tribune』。2018年5月20日閲覧。
- ^ 英: challenging behavior
- ^ Emerson, E. 1995. Challenging behaviour: analysis and intervention with people with learning difficulties. Cambridge: Cambridge University Press
- ^ Hemmings, C.; Underwood, L., Tsakanikos E., Holt, G. & Bouras, N. (2008). “Clinical predictors of challenging behaviour in intellectual disability”. Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology 43 (10): 824–830. doi:10.1007/s00127-008-0370-9. PMID 18488127 .
- ^ Neef, N. A. (2001) The Past and Future of Behavior Analysis in Developmental Disabilities: When Good News is Bad and Bad News is Good. The Behavior Analyst Today, 2 (4), 336 -343. [1]
- ^ Roane, H.S., Ringdahl, J.E., Vollmer, T.R., Whitmarsh, E.L. and Marcus, B.A. (2007). A Preliminary Description of the Occurrence of Proto-injurious Behavior in Typically Developing Children. Journal of Early and Intensive Behavior Intervention, 3(4), 334-347. [2]
- ^ “Key Findings: Trends in the Prevalence of Developmental Disabilities in U. S. Children, 1997–2008”. アメリカ疾病予防管理センター. 2015年6月1日閲覧。
- ^ a b c 草薙厚子『大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか ドキュメント・少年犯罪と発達障害』、182-183頁。ISBN 978-4-7816-0504-3。
- ^ a b c “公立の小中学生8.8%に発達障害の可能性 文科省調査”. 毎日新聞. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “労働契約の終了に関するルール”. www.mhlw.go.jp. 2023年6月21日閲覧。
- ^ “ローパフォーマーとは?5つの特徴と企業が取るべき対策を解説|HRドクター|株式会社JAIC”. 中堅中小・ベンチャー企業のための採用×教育チャンネル HRドクター. 2023年6月21日閲覧。
- ^ “脱落者の視角からメリトクラシーを問い直す ―メリトクラシーはいかにして排除の仕組みを醸成してきたのか―”. 東京大学学術機関リポジトリ. 2023年6月23日閲覧。
- ^ “発達障害を隠して入社し「本人も周囲も煩悶」の悲劇”. ダイヤモンド・オンライン. 2019年11月23日閲覧。
- ^ a b 特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議高等学校WG(第6回)議事要旨 平成21年7月24日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 2009年12月26日閲覧
- ^ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係通知の改正について 障発第0329008号 平成14年3月29日 厚生労働省 2009年12月26日閲覧
- ^ 佐々木正美、梅永雄二『大人のアスペルガー症候群』講談社、2008年。ISBN 978-4-06-278956-1 p93によると「日本には発達障害のための手帳制度がないため」との理由の記述が見られる
- ^ 筑波技術大学テクノレポート Vol. 17 (1) December. 2009「発達障害を併せ有する聴覚障害学生に対する高等教育支援の構築」筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター、佐藤正幸、石原保志、白澤麻弓、須藤正彦、及川力
- ^ 北海道新聞 2009年6月25日記事 「道が2003年度に高機能広汎性発達障害を対象に加えたのを機に(札幌)市児童相談所も04年度、「IQが高くても知的障害と見なすことができる」として対象とした。」
- ^ a b 障害者自立支援法:参院で改正案可決・成立 2010年12月3日13時49分 毎日新聞 2010年12月25日閲覧
- ^ 発達障がい者に対する療育手帳の交付について(概要) 平成22年9月13日 総務省行政評価局 2011年6月13日閲覧
- ^ 『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』ISBN 978-4-260-01907-1
発達障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/24 04:25 UTC 版)
精神発達遅滞、広汎性発達障害(PDD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、自閉症(自閉性障害)。比較的話題になりやすいアスペルガー症候群(アスペルガー障害)は自閉性障害のなかでも言語発達が良好なもの、また高機能自閉症は精神発達遅滞のない自閉症に対して用いられる。
※この「発達障害」の解説は、「小児神経学」の解説の一部です。
「発達障害」を含む「小児神経学」の記事については、「小児神経学」の概要を参照ください。
発達障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:49 UTC 版)
「スティーヴン・スピルバーグ」の記事における「発達障害」の解説
2012年10月、ディスレクシアであることを明かした。その際の記事によると過去にはアスペルガー症候群との診断も受けたらしい。
※この「発達障害」の解説は、「スティーヴン・スピルバーグ」の解説の一部です。
「発達障害」を含む「スティーヴン・スピルバーグ」の記事については、「スティーヴン・スピルバーグ」の概要を参照ください。
発達障害(アスペルガー症候群・ADHD)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)
「境界性パーソナリティ障害」の記事における「発達障害(アスペルガー症候群・ADHD)」の解説
広汎性発達障害(PDD)の成人がBPDを併存することはまれだとみられている。広汎性発達障害に臨床的に併存すると思われるパーソナリティ障害の種類については未だ研究段階であるが、現在のDSMやICD-10の国際的な操作的診断基準では、広汎性発達障害とパーソナリティ障害は相互に除外規定が設けられており、重複診断は認められていない。
※この「発達障害(アスペルガー症候群・ADHD)」の解説は、「境界性パーソナリティ障害」の解説の一部です。
「発達障害(アスペルガー症候群・ADHD)」を含む「境界性パーソナリティ障害」の記事については、「境界性パーソナリティ障害」の概要を参照ください。
発達障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 18:04 UTC 版)
本人も、発達障害グレーゾーン該当の認識がある。 SNSや著書にて、体験談や自身の克服方法を紹介している。
※この「発達障害」の解説は、「荒屋明神」の解説の一部です。
「発達障害」を含む「荒屋明神」の記事については、「荒屋明神」の概要を参照ください。
「発達障害」の例文・使い方・用例・文例
発達障害と同じ種類の言葉
- 発達障害のページへのリンク