誤認
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誤認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 09:01 UTC 版)
同航空戦では戦果を大きく誤認している。誤認の原因としては以下が挙げられる。夜間攻撃に予定されていた照明隊が吊光投弾使用の困難からほぼ実施されず、夜間索敵となったが、接触機もなく、攻撃避退、戦果確認が至難であり、自爆機の海面火災も誤認の原因となった。捷号作戦では夜間攻撃が重視されていたが、元来夜間攻撃は目標戦果認識困難である上、練度も上達する時間的余裕がなかった。米側のハルゼーも攻撃を受けた際に米艦隊が炎上した様子を見て大損害を受けたと誤認しており、日本の米機動部隊撃滅報告も無理のないことだった。 この航空戦を指揮した第二航空艦隊司令部は10月15日の時点で戦果の誤認に気づいていた。二航艦司令部は15日に従来の戦果判断に加え、最終的に空母に対する戦果を大型、中型合わせて4隻撃沈と判定している。つまり四群からなる空母部隊の一群分程度を撃滅できたが、他の三群は健在と見ていた。それまでの三群を撃滅し、残るは一群、同日の航空戦でそれも撃滅可能という楽観的な判定から逆転している。この戦果判断の重大な訂正は大本営にも、連合艦隊司令部にも報告されなかった。二航艦長官福留繁中将は、米戦略爆撃調査団の質問に「台湾沖航空戦の戦果を4隻くらいとみていた」と証言している。 10月16日には索敵機が台湾沖で空母7隻を含むアメリカ機動部隊を発見したとの報告があった。壊滅したはずの米戦力が発見されると連合艦隊(日吉)司令部で、連合艦隊航空参謀淵田美津雄中佐、軍令部航空参謀鈴木栄二郎中佐、第二航空艦隊兼T攻撃部隊航空参謀田中正臣少佐、連合艦隊情報参謀中島親孝少佐の4人で再検討が行われた。1949年7月31日に淵田美津雄がマッカーサーからの質問に答えた陳述書によれば、田中を招致して、淵田と鈴木で田中の持参した資料を検討し、中島の意見も求め、その結果いくら上算しても空母4隻撃破程度で撃沈はまずあるまいと結着した。軍令部で現地に派遣調査させた三代辰吉も同様の判断をした。連合艦隊参謀淵田美津雄大佐によれば、誤認について参謀長申進を以て注意をしており、17日の「捷一号作戦警戒」発令においても敵空母10隻健在のもと対処するように通達した。この時点で海軍は、連合艦隊、軍令部、各航空隊に到るまで大戦果が誤認であることを共通の認識としていた。戦後、田中正臣はこの再検討の際に話し合われた内容について「覚えていない。そういうこと(忘れてしまうこと)もある」と話している。 ブイン、ブーゲンビルの戦闘ですでに戦果報告の十分の一が実際の戦果であり、戦果誤認は以前から問題になっていた。中澤佑軍令部部長によれば、連合艦隊司令部の報告から不確実を削除し、同司令部に戦果確認に一層配慮するように注意喚起していたが、同司令部より「大本営は、いかなる根拠をもって連合艦隊の報告した戦果を削除したのか」と強い抗議電が参謀長名(福留繁中将)で打電され、結局反論なくうやむやになっていたという。軍令部参謀藤森康男によれば、疑念もあり軍令部作戦課はさらに検討を加えたが、さしあたり公的には現地部隊報告を基礎に資料作成するほか名案もなかったという。 陸軍の大本営情報参謀であった堀栄三の回想によれば、フィリピン出張の途上で台湾沖にて航空戦中であることを耳にして、「今までの戦法研究で疑問符のつけてある航空戦だ、この眼で見てみよう」と思い立ち、鹿屋で実際の航空兵から戦果確認方法について聞き取り調査を行ったが、戦果に対しての疑問は解消できず、「この成果は信用出来ない。いかに多くても2、3隻、それも航空母艦かどうかも疑問」と大本営陸軍部第二部(情報)長宛に打電した。その後作戦課へ報告されたが、省みられることがなかったという。堀は、10月15日にマニラに到着後、17日に南方総軍司令部第2課で台湾沖航空戦の戦果に再検討を加え、米軍の健在な空母を12隻と計算し、第14方面軍司令官の山下奉文大将、参謀副長の西村敏雄少将に報告し、さらに航空戦の戦果ほど怪しいものはなく、ブーゲンビル島の地上戦で敗北したのは海軍のろ号作戦の過剰な戦果報告が原因だと報告した際、米軍艦載機によるマニラ空襲が行われており、山下大将と西村少将は堀の報告を信じたという。
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