誤認の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 21:55 UTC 版)
第32特根首席参謀、島村浩二大佐は湾内の沈船に三角波が当たって異様な形を成していたこと及び付近に漁舟もありそれに海面に朦気があったため、先入観もあって敵上陸用舟艇の来襲と見誤り報告し、疑心暗鬼も加わって次第に誇張され、錯覚喧伝されていったもので、こうした疑心暗鬼は、ダバオ邀撃準備がほとんどできていなかったため敵上陸を恐れていたこと、数日来の敵空襲で陸上施設に大きな損害を受けて市街も焼かれ人心に動揺をきたし、通信施設が破壊されたため情報が伝わらず、パニック状態を一層高めた結果であったらしいと戦後述べている。一航艦司令部付副官の門司親徳主計少佐は、敵上陸部隊接近の一報があった直後に南方の方で「ドロローン」という遠雷のような異音が聞こえてきたため、司令部幕僚の一部がそれを上陸支援の艦砲射撃と誤認したことも誤報を信じてしまった一因になったと戦後述べている。 見張員のパニックに現地最高指揮官が巻き込まれて敵上陸の場合の退避措置に気を取られ早期に敵情を確認する手段を講じなかった点を問題とし、32根拠地隊司令部も一航艦司令部も確認手段はあるので疑念を持った時点で直ちに確認すれば事件にはならなかったとする意見もある。
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