誤認説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:02 UTC 版)
幻覚 UFOやその搭乗者などの目撃は、幻覚の類のものであるという主張がある。この説の問題点は、多くの者が同時にUFOを目撃したケースや物的痕を残したケースを説明できないことである。 例えば報道などにより集団幻覚が誘発できるとしても、その目撃場所にはあまり偏りが生じないと思われる。実際は物体の直線の飛行経路数十km以上にわたって目撃を追跡できる事例がある。幻覚であれば直線に沿って起きることはない。 人工物 遠くの車のヘッドライト、夜間に飛行する飛行機やヘリコプターなどを誤認したという説。不規則に明滅する人工衛星も誤認されやすい。これらが偶然に平行して移動していればより「本物」らしく見える。車のヘッドライトなら目撃者との間に木などの障害物があれば、不規則に明滅したり、瞬間的に消えたり現れたりしているように見える。複数台の車が通れば急速に左右に動いているようにも見える。また起伏のある道を走行している車のヘッドライトを遠くから見た場合も、不自然に明滅、移動しているように見えることがあるため、これらを誤認したという説もある。 観測用気球もよくUFOと誤認される。逆に気球を観測中にUFOが目撃された例もある。 自然現象 珍しい自然現象を見た際に、そのショックと恐怖によりUFOと誤認したという説。誤認されやすい自然現象の例として球電現象、火球、流星、プラズマなどがある。金星や火星、木星も誤認されやすい物体としてあげられる。また空飛ぶ円盤が写ったと言われる写真が、実は鳥、コウモリ、ハエなどの昆虫、麦の穂、道路標識だったと判明したこともある。もし目撃した物が火球や流星であれば、気象台で確認することができる。必ずしもすべての火球や流れ星を気象台が把握しているわけではないが、寄せられた同様の目撃談の特徴から正体が判明することもある。また、月や木星、金星のようにほぼ静止している光源でも、動き回りながら見る人間にとってはUFOに見えることがある。これらの光点をピンボケ撮影するとUFOめいた写真が撮れる。ただし、こうした自然現象説では「金属型」のUFOの至近距離での目撃例などは説明が困難である。 気温逆転説 1952年に天文学者ドナルド・メンゼルはルック誌とタイム誌上でUFO現象は蜃気楼であり、低温の大気層が温かい大気層に挟まれたことにより起こるという「気温逆転説」を発表し話題を呼んだ。UFO目撃時の環境やUFOが砂漠で多く目撃されていること、そして最後には必ず消えてしまうことなどから、UFOの正体は逆転層であると唱えた。 構造の歪み理論(TST) 心理学者のマイケル・パーシンジャーによれば、地震や竜巻が起こる前後数か月から数年間にかけて、主に震央から数百km以内で異常な発光現象(ALP)が起こりやすいという。地質構造の歪みを誘起する電場が原因で深い岩石層から発光現象が起こる。それを目撃した距離が遠いとただの発光現象に見えるが、目撃者の距離が近いとその電磁的性質が人間の脳の側頭葉に影響を及ぼし、幻覚的なビジョンを見せるのではないか、と主張している。 この説の疑問点は何故震央直近でUFOが目撃されないのか、といった点である。また、地下深くで電場が生じてもその効果は地表に及ばず大気中に紛れてしまう。電場自体は長い期間にわたって存在しており人間はそれに適応しているため嵐の時に我々の脳に幻覚は起こったりしない。自動車は電場を遮断するが、UFO目撃者の多くは自動車に乗っていることが多い。電場は地表への着陸痕やレーダーへの捕捉といった現象を残さない、といった指摘もされている。 地球光説 上記のパーシンジャーの説と違い、空中の発光球のみを対象とした説である。イギリスなど幾つかの地域では古来より光体が目撃されており、それは主に鉱床や旧鉱で見られ、多くは白色で50cm程のサイズである。この光体はすぐに消えるか、短時間だけ滞在する傾向がある。稀にかなりの高度まで上昇するものがあり、地表に触れると消失する。多くは水上や送電線付近、洞窟の入り口で目撃されている。地球光には電磁的な性質があるため、UFO遭遇者が電磁的な性質を帯びる傾向もこれで説明できる。
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