誤認逮捕事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 23:52 UTC 版)
2002年6月14日朝、傷害罪と恐喝罪の容疑で東京都の自宅で大阪府警に逮捕され、同日午後には21歳フリーターも共犯者として出頭後に逮捕された。逮捕直後に大阪府警は逮捕容疑について、以下の発表をした。 2000年9月28日、東京都渋谷区内の路上で因縁を付けて弟の知人(以下、A)を殴って全治10日間の怪我を負わせて30万円を要求。同年10月17日、Aが支払わなかったことを理由に大阪府守口市の駐車場に呼び出して顔を殴って全治3週間の怪我を負わせて現金60万円を要求し、同年12月から2001年3月にかけて計45万円を銀行口座に振り込ませた疑い この容疑は2001年4月にAが刑事告発したものだった。逮捕容疑の時期は杉浦が当時19歳の出来事だったため、少年法の規定によって実名報道はされず、逮捕時は『コスモス』放送期間中だったことから「ウルトラマンコスモス主演俳優」と報道された。 逮捕直後に所属事務所は、 「大阪での暴行事件があったとされる10月は杉浦が映画撮影のために東京にいたアリバイが存在する」 「Aによる示談金目当ての詐欺告訴である」 「傷害を裏付ける被害者の診断書は自損事故による怪我である」 と主張。6月27日、逮捕後に被害者が以下の旨の陳述書を大阪地方検察庁に提出。 2000年10月の怪我は10人程度の不良に殴られたもので、仕返しを恐れて杉浦の傷害によるものと狂言をした。銀行口座に振り込んだ45万円は杉浦家から盗んだものを返しただけで、処罰は望んでいない これに対し、大阪府警は陳述書について「被害者が杉浦の弟にホテルに呼ばれた際に、杉浦側の弁護士がワープロ打ちの下書きをもとに被害者に書かせたもの」と発表。6月28日に警察が杉浦に対し、逮捕前の事情聴取を行っていなかったことが判明した。 所属事務所によると、7月1日に大阪府警幹部から杉浦の父親の知人を通じて「今日中に被害者に対して示談金60万円を払えば不起訴処分になるが、払わなければ起訴される」という申し入れがあったという。所属事務所側は「相手側に金を払えば非を認めたことになる」として、示談金支払いを拒否。翌7月2日に処分保留で杉浦が釈放され、7月3日に大阪地検は杉浦に対して傷害容疑については嫌疑なしで不起訴、恐喝容疑については起訴猶予として決着した。 処分後の初会見で杉浦は、 「任意の事情聴取は一度もなく、朝起きたら6人の警察官に逮捕されて、状況が把握できないまま大阪に向かう新幹線に乗せられた」 「(恐喝容疑の起訴猶予について)友達同士のケンカであり、脅したつもりはないので納得していない」 と捜査機関を批判する一方、 「Aが自分の家に遊びに来た時に金を盗む現場を目撃し、問い詰めたら盗んでいた事実を認めて謝罪して金を返す意志を見せていたのに、金を返さずにゲームセンターで遊んでいると聞き、2000年12月に大阪で会った際にあの誠意は何だったのかと思ってグーで頬を殴った。傷害と言ってもひっぱたいた程度。(「鼻血程度」という報道があったが)鼻血も出ていない」 と暴行の一部は認めながらも被害者とされたAの問題点を上げつつも、 「(Aは)友達なのでこれ以上争うことはしない。彼も謝ってくれた」と話した。所属事務所は上述の経緯をついて国家賠償請求含め検討することを表明するなどして大阪府警守口署を批判した。 この誤認逮捕事件の影響で『コスモス』の放送が一時休止となり、結果として5話分がテレビ未放送で終わった。未放映作品はDVDビデオ『ウルトラマンコスモス スペシャルセレクション』に代替放送された「特別総集編前後編」や「特別企画 ムサシの青春」と共に収録された。(『ウルトラマンコスモス』主演俳優誤認逮捕とその影響)。
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