いっさく‐ねん【一昨年】
おと‐とし〔をと‐〕【一=昨=年】
おっとし
去年
去年(こぞ)とは、新年を迎え、旧年を振り返り、もう去年(きょねん)になったのだなあと感慨を表わす言葉。俳句では、新年の季語となっている。古年(ふるとし)、初昔(はつむかし)、宵の年(よいのとし)ともいう。
俳句では「去年今年」という用法もあり、たちまちのうちに年が去り、年が来るという、時の過ぎゆきの速さの感慨を表わす。
去年今年貫く棒の如きもの
高浜虚子の句「去年今年貫く棒の如きもの」は、1950年(昭和25年)12月に新年のラジオ放送のためにつくられた[1]。この句が鎌倉駅(神奈川県鎌倉市)の構内に掲げられていたのを目にした川端康成が、感嘆して紹介してから有名になった[2]。川端は、1969年にハワイ大学で行った講演と講義「美の存在と発見」[3]の中で、次のように述べている[4]。
鎌倉の驛では、暮れから正月にかけて、町に住む文人たちの自筆の歌や俳句を驛の構内にかかげることがありますが、ある年の暮れ、わたくしは驛で虚子の「去年今年」の句を見て、あつと思ひました。「貫く棒の如きもの」におどろいて、心打たれました。大した言ひ方です。禪の一喝に遭つたやうでした。 — 川端康成「美の存在と發見」[4]
脚注
- ^ 『日本名句辞典』大修館書店、1988年、346頁。ISBN 4469032042。
- ^ 山本健吉『基本季語五〇〇選』 講談社学術文庫、1989年、910頁。
- ^ 公益財団法人神奈川文学振興会 編『没後50年 川端康成展 虹をつむぐ人』県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会、2022年、62頁。
- ^ a b 川端康成『川端康成全集 第28巻』新潮社、1982年、389頁。ISBN 9784106438288。
一昨年
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