空母部隊とは? わかりやすく解説

空母部隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 17:30 UTC 版)

爆戦」の記事における「空母部隊」の解説

1944年昭和19年6月戦われマリアナ沖海戦においても戦爆隊の名前で使用されている。 空母飛行隊である第三航空戦隊でも零戦代用艦爆として使用した九九艦爆操縦員と機体著しく損失していた。このため艦爆操縦員だけでなく艦攻操縦員も、爆装した戦爆零戦搭乗者とされた。太平洋戦争初期使用されたが残っていた零式艦上戦闘機二一型を、戦爆零戦として使用することは、使用すべき機数の増加にもつながった零戦戦爆にあたり、60kg爆弾ではなく250kg爆弾使用することが三航戦司令部から求められた。1944年昭和19年4月零戦二一型は250kg爆弾増槽装備して運用が可能であると結論づけられた。 零戦二一型用いた戦爆は、両主翼内に燃料パイプ追加し増槽から燃料吸い上げられるよう改修した上で統一二型増槽容量200リットル)を懸垂した。胴体下面には九七式爆弾懸垂装備し、250kg爆弾九九式五番通常爆弾)を搭載した九九式五番通常爆弾一型改一は全重248.9kg、炸薬60.7kgの対艦用徹甲爆弾で、急降下爆撃行った場合、50mmの装甲貫通した。 三航戦の戦爆隊の訓練は以下のようなものであった戦爆艦爆艦攻専修した操縦者であったため、戦闘機専修操縦員と比較し空戦能力低かった訓練3月2日から瀬戸内海松山開始された。空戦訓練実施されず、曳的射撃の訓練数度行うにとどまった降下爆撃訓練大半瀬戸内海点在する小島に対して降下繰り返すものであった。実艦に対して標的艦摂津」に1、2演習爆弾投下した。また4月17日には戦艦大和」を目標として擬似襲撃訓練行われた戦爆隊は4機編隊行動した戦爆零戦には爆撃照準器装備されず、搭乗員爆弾目測投下した。したがって命中可能な高度まで艦に肉薄することが要求された。爆撃高度は150mから300mであり、投下後は機体海面すれすれに飛行させ高速離脱した離脱に際して編隊解き、2機ずつに分かれ軌道交差させて飛行した。これは敵戦闘機食いつかれなくするための回避機動であった。しかし敵艦へ高度300mまで肉薄するため、敵艦対空砲火によって撃墜され危険性は非常に高まった攻撃訓練以外には、空母「千代田」瑞鳳」「千歳」を使用して発着訓練行ったそのほか薄暮夜間訓練編隊による夜間着陸黎明総合訓練行った誘導機として新鋭機の天山艦上攻撃機投入された。ただし往路天山誘導したものの、復路については天山は敵戦闘機迎撃時に編隊離脱予定集合地点向かい、そこで15分から20分ほど戦爆隊を待つというものであった戦爆隊員回想によれば戦爆零戦単機帰投訓練行われず復路行程単機でこなすのは相当の無理があった。帰投のためクルシー誘導装置戦爆零戦全機標準装備された。ただしクルシーは有効距離220海里にすぎなかった。戦爆隊がアウトレンジ戦法進出した距離は330から400海里であることから、誘導する天山合流できなかった戦爆零戦一定距離を誘導なしで帰還しなければならなかった。クルシー誘導装置衝撃に弱い欠点があり不具合多く発生した。また爆戦零戦操縦員がクルシー誘導装置に完全に習熟するには訓練が不足であった航続能力について両翼燃料パイプ追加し翼下面におそらくベニヤ製の増槽装着したが、これは戦爆零戦速度運動性大きく阻害した通常時零戦巡航速度が約160ノット(約300km/h)であるのに対し戦爆では130ノット(240km/h)程度低下したこのような状況下において、米空母攻撃する零戦戦爆隊は1944年昭和19年6月19日マリアナ沖海戦投入されたが甚大な被害出して撃退された。三航戦の出撃機、42機のうち30機未帰還二航戦出撃機9機のうち未帰還は5機であったこのような結果出した理由には、戦闘機専修以外の操縦員が搭乗したにもかかわらず戦爆零戦は敵戦闘機に対してある程度抵抗力を持つはずだと期待されたこと、十分な護衛戦闘機零戦随伴がなされなかったこと、往復路の誘導爆撃法などに無理のあったこと、空戦訓練の不足などが挙げられる加えて戦爆にしたことによる零戦運動能力低下大きかったこと、また運用法習熟した不具合洗い出すべき余裕与えられ戦場投入されことによる。しかし戦艦サウスダコタ」に唯一の直撃弾を浴びせたのは戦爆隊の1機であった

※この「空母部隊」の解説は、「爆戦」の解説の一部です。
「空母部隊」を含む「爆戦」の記事については、「爆戦」の概要を参照ください。

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