空母艦載機移転を巡る背景
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「在日米軍再編」の記事における「空母艦載機移転を巡る背景」の解説
山口県岩国市の岩国基地は市街地に近接する基地であることから、これまでも騒音に対する苦情が多く寄せられていた。日本政府はこの状況を解決する策として、現在の岩国基地を約1km沖合に展開し滑走路を移設することを決め、1997年度(平成9年度)より事業に着手し、2010年5月に滑走路を移設した。 厚木基地周辺では1982年より空母艦載機の夜間離着陸訓練 (NLP)が実施され、 それに伴う騒音が問題視されており、騒音訴訟で防衛庁側は敗訴を重ねていた。一方岩国基地は、厚木に比較して防音工事の対象となる区域が遥かに小さく、地元自治体が基地沖の埋め立てを地元から要望し、政治的には強力な保守基盤で騒音訴訟もなく米軍に協力的であった。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}1998年頃より守屋武昌は数十回以上岩国商工会議所の会頭(当時)らと会合を持ち、岩国基地の拡張工事に加え、沖合にメガフロートの滑走路を建設し艦載機部隊とNLPの誘致を行う構想を練っていた[要出典]。守屋らは積極的にこの構想を米側に持ちかけており、この動きは空母艦載機の岩国移転の伏線となった。 そのような状況の中で、2002年より日米間で正式に検討されることになった在日米軍の再編計画の中で、厚木基地(神奈川県綾瀬市、大和市)に配属されている空母艦載機57機などを岩国基地に移駐させる計画が浮上し、2005年10月29日の在日米軍再編計画の中間報告に於いてこのことが公表された。厚木基地周辺では従前より空母艦載機の夜間離着陸訓練 (NLP) に伴う騒音が問題視されており、政府としては沖合展開される岩国基地に移駐させることにより騒音問題の解決を狙った計画であった。この提案は日本側から行われたとし、事実米側は横須賀より離れた岩国への移転は不便をともなうものとし、「この計画を米側は「イワクニは日本側からの提案」との認識を示している。 岩国市にとっては空母艦載機の移転はそのままNLPが岩国で行われることになり、厚木基地周辺の騒音問題がそのまま岩国に持ち込まれるのではないかと危惧されることになった。事実、元防衛官僚の太田述正は仙台防衛支局長時代の2000年11月に米国総領事に岩国の沖合移設が終われば最もNLPに適した場所になるとするメモを提出したと証言し、そのメモを自身のブログに公開した[要出典]。実際に沖合移設について1992年6月18日付きの防衛施設庁、広島防衛施設局、山口県、岩国市(署名者は岩国市基地対策担当部長)の合意議事録で山口県、岩国市は「将来とも受け入れざるを得ない」と回答している。この議事録の存在は2001年に明らかになったが、あくまで予算をつける為の方便であったとして国と県、市は協議し議事録に効力は無いことを確認した。2003年の日米審議官級協議では米側が岩国へのNLP実施を求めたが、結局2006年5月の最終協議では2009年7月までに実施場所を決定するということとなった。
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