中間報告
中間報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 07:10 UTC 版)
コリン・パウエルは、国際連合の場でアメリカ炭疽菌事件への報復としてイラク攻撃を主張した。 2003年1月9日には、武器査察を行った国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)とIAEAから安全保障理事会への中間評価の報告があった。。また、UNMOVICのハンス・ブリックス委員長はイギリス・アメリカなどからの情報の提供を歓迎するとも述べた。両国はこの時期、イラクが国連決議に反しているとの指摘を公の場で行っている。アメリカのコリン・パウエル国務長官はアメリカが査察団に対して情報提供を行うことを表明した。 主な内容は以下のとおりである。 UNMOVIC報告 イラクの協力は積極的なものではなく、本当の意味で国連決議を受け入れたわけでは無い。 イラクは施設立ち入りについては協力したものの、U2偵察機による上空査察が安全性に問題があるとして拒否し、国連ヘリコプターによる飛行禁止区域の査察を拒否した。また、イラク人科学者は当局の指示無しに査察官には話すことは無い。 イラクが12月7日に提出した申告書は以前の申告書の蒸し返しであり、疑問は一切解消されていない。 神経ガスであるVXガスの開発に成功したとの情報を査察団は得ている。また炭疽菌を製造した可能性がある。 科学者の自宅から、ウラン濃縮に関する3000ページにわたる文書が見つかった。 イラクが配備していたアルサムード2ミサイルの射程が実際には150kmを超えるものであり、安保理決議違反に当たる。 査察はまだ進行中である。 IAEA報告 1991年から1998年までの査察で、イラクの核兵器開発をほぼ無効にすることができたとの結論を得た。査察では、禁止されている新たな核兵器開発の証拠は見つかっていない。 査察には前進が見られた。 申告書の多くはIAEAの調査と一致しているが、湾岸戦争前の核物質の遠心分離抽出については明確にされる必要がある。 アルミニウム管を購入しようとしたイラクの試みは安保理決議違反に当たる。 イラク側の積極的な協力があれば、IAEAは数カ月後に、イラクには核兵器開発計画が無いと断言できる。 1月16日には化学兵器を搭載するためのミサイル12基が発見された。これは申告書に掲載されていなかったものと考えられた。同様の発見が別件であったことが2月12日にも発表された。 2月5日には、イラクが大量破壊兵器を隠し持っていることを示す証拠をアメリカ側が国連安保理にて提示した。しかし、この(パウエル報告)において重要な情報源として高く評価され、引用されてもいたイギリス政府による報告書が、実は最新の情報ではない、イラクの研究を行うアメリカの大学院生の1991年の論文からのかなり長い剽窃を含んでおり、パウエルは後に「私の生涯の汚点であり、報告内容はひどいものだった」と認めることになる。2月14日、査察団の報告が再び行われた。報告では武装解除の進展を積極的に評価しつつも、査察が完了しておらず、まだ時間が必要であることが示唆された。2月21日、ブリクス委員長は3月1日までにアルサムード2の廃棄に当たるようにイラクに指示した。2月27日、イラクはアルサムード2の廃棄を表明し、廃棄にとりかかった。 アメリカ上院の公聴会において、カール・レビン上院議員はCIAから入手した機密書類を引用しCIAが重要な情報を故意に査察団に伝えず、国連の査察が失敗に終わるように工作した、とワシントン・ポスト紙に語った。
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