アルミニウム【aluminium】
【アルミニウム】(あるみにうむ)
元素記号Al、原子番号13、比重2.7の非鉄金属。
日本語では単に「アルミ」と呼ばれる事の方が多い。
鉄に比べて軽く、空気中で劣化しにくく、加工しやすい。
反面、純粋なアルミニウムは非常に柔らかく軽いため重工業用途には向かない。
しかし合金としたり熱処理を行う事で鋼に劣らない引っ張り強度を持たせる事が可能である。
軽さのわりに強度に優れている為、軽装甲車両や航空機に用いられた時期もある。
しかし対弾性は明らかに鋼に劣り、融点が低いため熱で容易に劣化する。
これはエンジン駆動機器や火災の想定される構造物では致命的な弱点であると言える。
このため、高い安全性と耐久性を求められる分野でのシェアは炭素繊維強化樹脂に奪われつつある。
一方で、酸化性自体は非常に強い事から、粉末にして表面積を増大させれば爆発物や燃焼剤としての利用法が得られる。
軍事用途としては、酸化鉄と反応させて強い光と熱を発する「テルミット」反応を用いた各種手榴弾や、スラリー爆薬等の強力な爆薬の材料として需要がある。
技術的にも経済的にも非常にリサイクル性が高いため、民生用の素材としては今でも広く利用されている。
アルミニウム(Al)
軽量で、耐食性(←酸化被膜による)があり、快削性に優れる為、アルミニウムのままだけでなく、合金などの形でも広く利用されている。比較的良い熱伝導性、電気伝導性を持つ金属。
ステンレス鋼に添加されると、強力なフェライト化元素で、Ni等と金属間化合物をつくり、析出硬化し強度を増す。
アルミニウム(Al)
アルミニウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/05 02:12 UTC 版)
アルミニウム(英: aluminium, 米: aluminum[注 1], 羅: alūminium[3])は、記号Al、原子番号13の化学元素である。アルミニウムは他の一般的な金属よりも密度が低く、鋼鉄の約3分の1である。酸素との親和性が高く、空気に触れると表面に酸化物の保護膜が形成される。外観は銀に似ており、色も光を反射する性質も強い。軟らかく、非磁性で延性がある。アルミニウムの同位体組成はほぼ100%が安定同位体27Alであり、この同位体は宇宙で12番目に多い核種である。26Alの放射能は放射年代測定に利用される。
注釈
出典
- ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds (PDF) (2004年3月24日時点のアーカイブ), in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
- ^ a b “Usage Notes: 'Aluminum' or 'Aluminium'? A tale of two spellings”. Merriam-Webster. Merriam-Webster. 2021年6月1日閲覧。
- ^ 杉山広樹「元素記号の由来(あんてな)」『化学と教育』第43巻第12号、日本化学会、1995年、782-785頁、doi:10.20665/kakyoshi.43.12_782。
- ^ 中尾善信、アルミニウムこぼればなし 軽金属 28巻 (1978) 4号 p.159-160, doi:10.2464/jilm.28.159
- ^ a b 鈴木治雄「アルミニウム語源雑考」『軽金属』第1953巻第8号、軽金属学会、1953年、11-12頁、doi:10.2464/jilm.1953.8_11。
- ^ 『理化学辞典』第5版、岩波書店
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ a b c Geoff Rayner-Canham, Tina Overton 『レイナーキャナム 無機化学(原著第4版)』 西原寛・高木繁・森山広思訳、p.193-195、2009年、東京化学同人、ISBN 978-4-8079-0684-0
- ^ a b c 西川精一 『新版金属工学入門』 アグネ技術センター、2001年
- ^ JIKO. 8.応力ひずみ線図 材料力学 .
- ^ a b 亀山直人 『電気化学の理論と応用』 丸善、1955年
- ^ 「非鉄金属業界大研究」南正明 p88 産学社 2008年8月31日初版第1刷
- ^ 日軽金、アルミ製錬撤退 国内唯一の拠点を3月末で閉鎖 日経新聞 2014年3月14日
- ^ 『アルミニウム外史 下巻』p393
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/aluminum/mcs-2015-alumi.pdf 2014年のデータ 2015年5月27日閲覧
- ^ 「モザンビークにおけるアルミニウム製錬事業 アルミ事業と地域の発展」 三菱商事 2015年6月19日閲覧
- ^ 「世界のアルミ産業」 日本アルミ協会 2015年6月19日閲覧
- ^ アルミナの炭素熱還元によるアルミニウムの製造方法及び反応装置(ekouhou.net)
- ^ アルミ工業の原料転換助成が初仕事(昭和16年12月5日 東京日日新聞)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p226 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ 高純度アルミニウム製造法(日本軽金属)
- ^ リサイクルについて アルミ缶リサイクル協会 2015年8月28日閲覧
- ^ 「商社のとりくみ 金属(アルミ)のリサイクル」 日本貿易会 2015年6月19日閲覧
- ^ 「図解入門よくわかる最新「鉄」の基本と仕組み 性質、技術、歴史、文化の基礎知識 性質と魅力」田中和明、株式会社秀和システム、2009年、ISBN 978-4-7980-2421-9、p.147-148
- ^ 「用途別需要」 日本アルミ協会 2015年6月19日閲覧
- ^ ついに量産車へ、炭素繊維「鉄並み価格」視野で経済圏拡大 日本経済新聞 2014年11月19日
- ^ 低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン 日本経済新聞 2014年11月7日
- ^ 「アルミニウムと健康」連絡協議会 ‐ Q7.透析脳症とアルツハイマー病の関係性は?-アルミニウムと健康Q&A
- ^ 「アルミニウムと健康」連絡協議会 ‐ よくわかる「アルミニウムと健康」基礎知識
- ^ Alzheimer's Society(2019) ‐ Metals, aluminium and dementia
- ^ 加藤秀正、平井英明、星野幸一 ほか、根系の発達に及ぼす土壌溶液のアルミニウム種の影響 日本土壌肥料学雑誌 76巻 (2005) 1号 p.1-8, doi:10.20710/dojo.76.1_1
- ^ 大澤裕樹、木本植物に顕著な高アルミニウム耐性の生理学的解析 日本森林学会大会発表データベース 第118回日本森林学会大会 セッションID: D25, doi:10.11519/jfsc.118.0.121.0
- ^ Drozdov 2007, p. 12.
- ^ Drozdov 2007, pp. 12–14.
- ^ Drozdov 2007, p. 16.
- ^ Clapham, John Harold; Power, Eileen Edna (1941). The Cambridge Economic History of Europe: From the Decline of the Roman Empire. CUP Archive. p. 207. ISBN 978-0-521-08710-0
- ^ a b Drozdov 2007, p. 25.
- ^ Weeks, Mary Elvira (1968). Discovery of the elements. 1 (7 ed.). Journal of chemical education. p. 187
- ^ a b Richards 1896, p. 2.
- ^ Royal Danish Academy of Sciences and Letters (1827) (デンマーク語). Det Kongelige Danske Videnskabernes Selskabs philosophiske og historiske afhandlinger [The philosophical and historical dissertations of the Royal Danish Science Society]. Popp. pp. XXV–XXVI
- ^ a b Wöhler, Friedrich (1827). “Ueber das Aluminium [About the aluminum]” (ドイツ語). Annalen der Physik und Chemie. 2 11: 146–161 .
- ^ Bjerrum, Niels (1926). “Die Entdeckung des Aluminiums”. Zeitschrift für Angewandte Chemie 39 (9): 316–317. doi:10.1002/ange.19260390907. ISSN 0044-8249.
- ^ Drozdov 2007, p. 38.
- ^ Light Metals: Aluminum, Magnesium and Titanium. 23. (1960). pp. 69–70
- ^ a b Drozdov 2007, p. 39.
- ^ Sainte-Claire Deville, H. E. (1859) (フランス語). De l'aluminium, ses propriétés, sa fabrication [Aluminum, its properties, its manufacture]. Paris: Mallet-Bachelier. オリジナルの30 April 2016時点におけるアーカイブ。
- ^ Karmarsch, C. (1864). “Fernerer Beitrag zur Geschichte des Aluminiums [Further report on the history of aluminum]” (ドイツ語). Polytechnisches Journal 171 (1): 49 .
- ^ Polmear, Ian (2005). Light Alloys: From Traditional Alloys to Nanocrystals. Butterworth-Heinemann. p. 15. ISBN 978-0-08-049610-8
- ^ Drozdov 2007, p. 46.
- ^ 日本貿易図鑑「アルミニウムの輸入(輸入額、輸入先、輸入量)」。
- ^ 財務省「地金の売払いスケジュール(地金の売払い見通し)」。
アルミニウム(アルミ缶)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:20 UTC 版)
「リサイクル」の記事における「アルミニウム(アルミ缶)」の解説
アルミニウムは、地金を新造する際に「電気の缶詰」といわれるほど電力を消費するが、ボーキサイトからアルミニウム地金を生産する電力消費量と、アルミ缶をリサイクルしてアルミニウム地金を生産する場合を比較すると、わずか3%で済む(つまり97%もの電力の節約となる。但し、純粋なアルミニウムを再精錬した時の理論値である。別途、不純物除去のエネルギーが僅かに必要である。)。その量を電力に換算すると2019年度の場合は、70億kWhとなる。これは、全国にある住宅(約5,907万世帯)の約14日分の使用電力量に相当する。 こうした利点があるため、アルミニウムは日本国内において最もリサイクル化が進んでいる金属であり、アルミ缶のリサイクル率が94.0%(2020年度)にも達する。その為、アルミニウムはしばしば「リサイクルの優等生」と呼ばれる。更に、再びアルミ缶としてリサイクルされる割合は、約71.0%となっている。 また、融解時には空気中の窒素と反応して窒化アルミニウムAlNとして一部が失われる。 2Al + N2 → 2AlN この窒化物は融解時にるつぼの表面に浮かぶので捨てられるが、空気中の水分と徐々に反応してアンモニアを生じる。 AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3 また、プルトップ部分は剛性を持たせるため、マグネシウムを加えた合金を使用している。そのためリサイクル時にはそれを酸化して除かねばならず無駄が生じる。
※この「アルミニウム(アルミ缶)」の解説は、「リサイクル」の解説の一部です。
「アルミニウム(アルミ缶)」を含む「リサイクル」の記事については、「リサイクル」の概要を参照ください。
アルミニウム
出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 14:19 UTC 版)
名詞
アルミニウム
語源
発音(?)
- あ↗るみに↘うむ
翻訳
- アフリカーンス語: aluminium (af)
- アルバニア語: alumin (sq)
- アラビア語: ألومنيوم (ar) (ʾalumínyum) 男性
- アルメニア語: ալյումին (hy)
- アストゥリアス語: aluminiu (ast)
- アゼルバイジャン語: alüminium (az)
- バスク語: aluminioa (eu)
- ベラルーシ語: алюмі́ній (be) 男性
- ベンガル語: অ্যালুমিনিয়াম (bn) (æyāluminiẏām)
- ブルトン語: aluminiom (br) 男性
- ブルガリア語: алуми́ний (bg) 男性
- カタルーニャ語: alumini (ca)
- 中央メラナウ語: maniyem (mel)
- 中国語:
- チュヴァシュ語: алюмини (chv)
- コーンウォール語: alumynyum (cor)
- コルシカ語: alluminiu (cos)
- チェコ語: hliník (cs) 男性
- デンマーク語: aluminium (da) 中性
- オランダ語: aluminium (nl) 中性
- エルジャ語: люм (myv)
- 英語: aluminium (en), aluminum (en)
- エスペラント: aluminio (eo)
- エストニア語: alumiinium (et)
- フェロー語: aluminium (fo) 中性
- フィンランド語: alumiini (fi)
- フランス語: aluminium (fr) 男性
- フリウリ語: alumini (fur)
- ガリシア語: aluminio (gl)
- グルジア語: ალუმინი (ka)
- ドイツ語: Aluminium (de) 中性
- ギリシア語: αργίλιο (el), αλουμίνιο (el) 中性
- ハイチ語: aliminyòm (ht)
- ハワイ語: ‘Aluminuma (haw)
- ヘブライ語: אלומיניום (he) (alumínyum), חמרן (he) (ḥamran, ḥomran) 男性
- ヒンディー語: स्फटयातु (hi) (sfaṭayātu)
- ハンガリー語: alumínium (hu)
- アイスランド語: ál (is)
- イド語: aluminio (io)
- インドネシア語: aluminium (id)
- インターリングア: aluminium (ia)
- アイルランド語: alúmanam (ga)
- イタリア語: alluminio (it) 男性
- ジャワ語: alumunium (jv)
- カンナダ語: ಅಲ್ಯೂಮಿನಿಯಮ್ (kn)
- パンパンガ語: aluminiu (pam)
- カシューブ語: aluminijô (csb)
- カザフ語: алюминий (kk)
- クメール語: អាលុយមីញ៉ូម (km) (aaluymiiɲoom)
- 朝鮮語: 알루미늄 (ko), 반소 (ko) (礬素, banso)
- クルド語: bafûn (ku)
- ケルシュ方言: Allu (ksh)
- ラテン語: aluminium (la) 中性
- ラトヴィア語: alumīnijs (lv)
- リトアニア語: aliuminis (lt)
- ロジバン: jinmrmalume (jbo)
- 低地ドイツ語: aluminium (nds)
- ルクセンブルク語: Aluminium (lb)
- マケドニア語: алуминиум (mk)
- マレー語: aluminium (ms)
- マラヤーラム語: അലൂമിനിയം (ml)
- マルタ語: aluminju (mt)
- マン島語: ollymin (gv) 男性
- マラーティー語: ऍल्युमिनियम (mr) (ĕlyuminiyam)
- モンゴル語: хөнгөн (mn), хөнгөн цагааны (mn)
- ナヴァホ語: béésh ászólí (nv)
- ノルウェー語:
- ノヴィアル: aluminie (nov)
- オック語: alumini (oc)
- ペルシア語: آلومینیم (fa) (âluminiyom)
- ポーランド語: glin (pl) 男性, aluminium (pl) 男性
- ポルトガル語: alumínio (pt) 男性
- ケチュア語: ch'aqu q'illay (qu)
- ルーマニア語: aluminiu (ro) 中性
- ロシア語: алюми́ний (ru) 男性
- サンスクリット: स्फटयातु (sa) (sfaṭayātu)
- ロジバン: aluminium (stq)
- スコットランド・ゲール語: alùmanam (gd), almain (gd)
- クロアチア語:
- シチリア語: alluminiu (scn)
- スロヴァキア語: hliník (sk) 男性
- スロヴェニア語: aluminij (sl)
- スペイン語: aluminio (es) 男性
- スワヒリ語: alumini (sw)
- スウェーデン語: aluminium (sv) 中性
- タジク語: алюминий (tg)
- タミル語: அலூமீனியம் (ta)
- テルグ語: అల్యూమినియం (te)
- タイ語: อะลูมิเนียม (th) (àloomíniam), อะลูมินัม (th) (àloomínam)
- トルコ語: alüminyum (tr)
- ウクライナ語: алюмі́ній (uk) 男性
- ウズベク語: alyuminiy (uz)
- ヴェプス語: alüminii (vep)
- ベトナム語: nhốm (vi), nhôm (vi)
- ヴォラピュク: lalumin (vo)
- ウェールズ語: alwminiwm (cy)
- 西フリジア語: aluminium
- ヨルバ語: aluminiọmu (yo)
「アルミニウム」の例文・使い方・用例・文例
- 鍋はステンレスとアルミニウムの七重構造でできています。
- アルミニウム、マグネシウム、シリコンなどの粉末が爆発する。
- アルミニウムで覆う
- ミョウバンまたはアルミニウムを含んでいる
- アルミニウム缶をつぶす
- アルミニウムの基礎の硬貨
- アルミニウムまたはミョウバンに関する、あるいはそれらを含むさま
- 鋼鉄あるいはアルミニウム製の核反応の度合いを制御するために上げ下げする
- グループと見なされたアルミニウムのメーカー
- 米国の化学者で、アルミニウムをボーキサイトから作り出す経済的な方法を開発した(1863年−1914年)
- アルミニウムやプラチナのような物質は磁場で磁化されるが、磁場を取り去ると磁力が消失すること
- 2倍のアルミニウムの硫酸塩の白色結晶性:カリウム、アルミニウムの2倍の硫酸塩
- アルミニウムの白い水晶の二重硫酸塩:アルミニウムのアンモニウムの二重硫酸塩
- リン酸アルミニウムリチウムから成る、白色または灰色の鉱物
- ケイ酸塩チェーンと主にナトリウムとカルシウムとマグネシウムと鉄とアルミニウムの組合せを含んでいる類似した結晶構造による一群の鉱物
- 輝石に属する深緑色から黒色のガラス質の鉱物で、大量のアルミニウム、鉄、マグネシウムを含む
- マグネシウム、鉄、アルミニウム、シリコン、酸素から成る青色の鉱物
- アルミニウムとナトリウムのフッ化物から成る白色の鉱物
- 鉄の珪酸アルミニウムから成る深紅のガーネット
- 水酸化アルミニウムから成る白い結晶性鉱物
アルミニウムと同じ種類の言葉
「アルミニウム」に関係したコラム
-
銅は、熱や電気を伝導したり、腐食に耐えられるなどの特性から工業用の金属として用いられています。銅の主な用途は送電線や電気製品などが挙げられます。銅は、工業用金属としては鉄、アルミニウムに続く消費量です...
-
ETFの銘柄数は2012年9月の時点で約140あります。そして、いずれの銘柄にも価格の連動となる対象の商品があります。ここでは、ETFの銘柄をジャンルごとに紹介します。表の「コード」は株式コード、「市...
-
ETFの取引単位は銘柄により異なります。ETFの場合、取引単位は10株単位や100株単位であることが多いようです。また、価格が1万円前後の銘柄は1株単位、100円前後の銘柄は1,000株単位が多いよう...
- アルミニウムのページへのリンク