融点
融解
融 点
融点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/02 05:02 UTC 版)
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融点(ゆうてん、独: Schmelzpunkt、仏: point de fusion、英: melting point)とは、固体が融解し液体になる時の温度のことをいう。ヒステリシスが無い場合には凝固点(液体が固体になる時の温度)と一致する。また、三重点すなわち平衡蒸気圧下の融点は物質固有の値を取り、不純物が含まれている場合は凝固点降下により融点が低下することから物質を同定したり、純度を確認したりする手段として用いられる。
熱的に不安定な物質は溶融と共に分解反応が生じる場合もある。その場合の温度は分解点と呼ばれる場合があり、融点に(分解)と併記されることがある。
氷点
水の融点を氷点という。気圧や水に含まれる不純物によって変化するが、厳密にはセルシウス度0°Cではなく、0.002 519°C であり、絶対温度で表すと273.152 519 ケルビン (K)である(水#水の性質を参照)。
広義には、水が凝固する温度点の意味でも用いられる。この境界を跨いで温度が変化することで、水分の多い地球上の自然現象や生態系に様々な影響を及ぼすことから、温度の指標として重要なもののひとつである。氷点以下の温度を氷点下という。
融点測定法
融点を測定する際、測定系の温度に偏りがないことが重要であるので、種々の工夫が施される。まず、融点を測定する試料は微粉末に粉砕され且つ微量氷を用いることで試料内の温度の偏差を少なくすることが求められる。試料の容器としては一方の端を閉じた毛細管が用いられることがあるが、測定装置によっては2枚の顕微鏡用カバーグラスに挟み込んで容器とするものもある。
また急激に温度を上昇させると試料と温度計との間に温度勾配が発生して測定誤差を生じるため融点を計測する時点での加温は毎分1℃以下の上昇率で測定することが望ましい。
前述のように微粉末として調整するので、表面での乱反射により融解前の試料は不透明である。試料の外見が透明化し始めた温度を融点の下限点とし、融解しきった温度を上限点とすることが通常である。
測定装置は種々の形態のものが存在するが、最も古典的な装置は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する装置が使用される。二重管式温度計に毛細管を貼り付ける目的で温浴の液体として粘性の高い液体が用いられ、濃硫酸ないしはシリコンオイルが用いられることが多く、温度計先端の溜めの近傍に試料が来るように取り付ける。
あるいは融点測定装置では金属のヒートブロックを使って加温し、光の透過率を測定しながら加温を調製しつつ自動的に融点を決定するものも存在する。
関連項目
融点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:16 UTC 版)
系の自由度を規定するギブスの相律では、物質の状態は以下の式で示される。 F = C − P + 2 {\displaystyle F\,=C-P+2} ただし、 F {\displaystyle F} は、自由度(平衡状態中に取り得る外的因子の数)。 C {\displaystyle C} は、成分の数。 P {\displaystyle P} は、その体系中において存在する相の数。 金属の相律を考える際、わずかな圧力変化が及ぼす影響は無視してかまわないため、変数2が表す示強性のうち圧力を減らした次式を用いる。 F = C − P + 1 {\displaystyle F\,=C-P+1} 純金属の成分 C {\displaystyle C} は1となるため、上式を変形すると F = 2 − P {\displaystyle F\,=2-P} となり、 P {\displaystyle P} = 2 すなわち固相と液相が共存する状態での自由度 F {\displaystyle F} は0になる。これは、純金属が一定の融点を持つことを示す。一方、合金では C {\displaystyle C} は2、 F {\displaystyle F} は1となり、融け始める温度(固相線温度)と完全に融ける温度(液相線温度)が異なるため、固相線温度を融点と置いている。これら相の変化は、溶融状態の金属を徐々に冷却しながら凝固させ得られる冷却曲線から分析する。 この、一定である純金属の融点(凝固点)は、温度の定点として利用されている。国際温度目盛1990年改訂 (ITS-90) ではスズ、アルミニウム、金、銀などの凝固点が採用されている。融点から沸点の間で液体状になった金属、または狭義では室温付近で液体状になる金属を液体金属という。
※この「融点」の解説は、「金属」の解説の一部です。
「融点」を含む「金属」の記事については、「金属」の概要を参照ください。
融点
出典:『Wiktionary』 (2021/06/12 23:47 UTC 版)
名詞
発音(?)
- ゆ↘ーてん
類義語
関連語
翻訳
- アストゥリアス語: puntu de fusión (ast)
- アフリカーンス語: smeltpunt (af)
- イタリア語: punto di fusione (it)
- 英語: melting point (en)
- エスペラント: fandopunkto (eo), fluidiĝotemperaturo (eo)
- オランダ語: smeltpunt (nl) 中性
- カタルーニャ語: punt de fusió (ca)
- ガリシア語: punto de fusión (gl)
- スウェーデン語: smältpunkt (sv) 通性
- スペイン語: punto de fusión (es) 男性
- チェコ語: bod tání (cs) 男性
- 中国語: 熔點 (cmn), 熔点 (cmn) (róngdiǎn)
- 朝鮮語: 녹는점 (ko) (nongneunjeom)
- 低地ドイツ語: Smöltpunkt (nds)
- テルグ語: ద్రవీభవనస్థానము (te)
- デンマーク語: smeltepunkt (da)
- ドイツ語: Schmelzpunkt (de) 男性
- トルコ語: erime noktası (tr)
- 西フリジア語: raanpunt (fy) 中性
- ノルウェー語: smeltepunkt (no) 中性
- フィンランド語: sulamispiste (fi)
- フランス語: point de fusion (fr) 男性, température de fusion (fr)
- ペルシア語: نقطهی ذوب (fa) (noqte-ye zob)
- ポルトガル語: ponto de fusão (pt)
- ラテン語: punctum liquefactionis (la)
- ロシア語: температура плавления (ru) (temperatúra plavlénija) 女性
- ロンバルド語: punt de füsiun (lmo)
「融点」の例文・使い方・用例・文例
- 水の融点は一気圧でセ氏0度である。
- 高い融点を持つ硬ろうを使用して、しっかり結合する
- 高温に、だが融解あるいは融点以下で扱われた
- (炉について)高い融点を持つ生地で囲まれている
- 氷点および融点を測定する測定器
- 融点の高い物質からなる裏打ち
- 鉛を加えると融点が減少し流動性が増すので、合金を容易に鋳造することができる
- 最低融点を有する物質の混合物
- 融点が低い合金で、はんだとして、また安全プラグやスプリンクラーのヒューズに用いられる
- セ氏1403度から融点(1532度)の間の温度で安定する鉄の同素体
- 易融合金という融点の低い合金
- 液体を融点以下に冷やしてもなお液状を保っている現象
- 融点の低い体脂肪を持つ食肉用の豚
- (物質を)融点以下の高温で焼く
- 物をその融点より低い温度で融解する時に使われる薬剤
- 鉛・錫・カドミウム・ビスマスなどの金属を適当な割合で混じた融点の低い合金
融点と同じ種類の言葉
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