超流動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/18 07:23 UTC 版)
超流動(ちょうりゅうどう、英: superfluidity)とは、極低温において液体ヘリウムの流動性が高まり、容器の壁面をつたって外へ溢れ出たり[1]、原子一個が通れる程度の隙間に浸透したりする現象。量子効果が巨視的に現れたものである。1937年、ヘリウム4(4He)が超流動性を示すことをピョートル・カピッツァが発見した。また、ボース=アインシュタイン凝縮の時にも起こる。
- ^ 液体ヘリウムの超流動 東京大学 低温科学研究センター
- ^ 超流動ヘリウム4 大阪市立大学 大学院理学研究科
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- ^ Allen, J. F.; Misener, A. D. (1938). “Flow of Liquid Helium II”. Nature 141 (3558): 75–75. doi:10.1038/141075a0. ISSN 0028-0836.
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- ^ Penrose, Oliver; Onsager, Lars (1956). “Bose-Einstein Condensation and Liquid Helium”. Physical Review 104 (3): 576–584. doi:10.1103/PhysRev.104.576. ISSN 0031-899X.
超流動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:12 UTC 版)
詳細は「超流動」を参照 0Kに近くなると、ある種の液体は粘度が0になり完全な流動性を示すようになる。この現象は1937年に2.17Kのヘリウムで発見された。この状態では、液体が容器の壁を昇ろうとする現象が観測される。また、完全な熱伝導性も持つため、超流動体の中には温度勾配がない。 これらの性質は、超流動状態のヘリウム4がボース=アインシュタイン凝縮状態になるという理論によって説明される。また近年では、ヘリウム3やリチウム6は低温でフェルミ凝縮状態の超流動になることが分かっている。
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超流動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:31 UTC 版)
フェルミ凝縮は、物質の第六の状態であると言われている。これは、ボース=アインシュタイン凝縮よりも低温度において実現する。フェルミ凝縮は超流動の一種である。その名前が示唆するように、超流動は、明確な形を持たず加えられた力によって流動するような、通常の液体および気体に類似する流体特性を持つ。しかしながら、超流動は通常の物質に現れないようないくつかの特性を持つ。例えば、それらはエネルギーを消散することなく低速で流動することができる。言わば、ゼロ粘度状態となる。より高速では、超流動が崩壊する媒質中の"穴"として作用する量子渦の形成によってエネルギーは消散する。 超流動は元々、1938年にピョートル・カピッツァ、John AllenおよびDon Misenerによって、液体ヘリウム4の中に発見された。ヘリウム4の中の超流動は、2.17 ケルビン (K) より低い温度で起こり、これはボース=アインシュタイン凝縮と同じ機構でボース凝縮によって生じると長く理解されている。超流動ヘリウムとボース=アインシュタイン凝縮の主要な違いは、前者は液体から凝縮するが後者は気体から凝縮する点である。
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超流動
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「シュレディンガー音頭」の記事における「超流動」の解説
超流動。ボース粒子がボース=アインシュタイン凝縮を起こしたときに示す物性。粘性が0となるため、容器に入れても壁をはいあがって外にあふれてしまう。
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超流動
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「ボース=アインシュタイン凝縮」の記事における「超流動」の解説
ボース粒子であるヘリウム4(4He)による超流動現象において、超流体部分はボース=アインシュタイン凝縮していると考えられている。実際、液体4Heの粒子数密度 N/V=2.1×1028 m-3 と4He原子の質量 m4=6.6×10−27 kg を用い、理想ボース気体での公式からBECの転移温度を求めると TBEC=3.1Kとなり、これはラムダ転移の転移温度 Tλ=2.17K に近い。一方で、液体4Heでは粒子間相互作用が強く、理想ボース気体とは見なせない。そのため、BEC状態にある粒子数 N0 は全粒子数 N の1割程度に留まることが実験的にも確認されている。
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