ホール効果とは? わかりやすく解説

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ホール‐こうか〔‐カウクワ〕【ホール効果】


ホール効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/21 02:51 UTC 版)

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ホール効果(ホールこうか、: Hall effect)とは、電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象。主に半導体素子で応用される。1879年、米国の物理学者エドウィン・ホール: Edwin Herbert Hall, 1855-1938)によって発見されたことから、このように呼ばれる。

概要

ホール効果 青い丸は電子の流れ (電流の流れている向きとは逆).
番号:
1. 電子 (電流の流れている向きとは逆!)
2. ホール素子
3. 磁石
4. 磁場
5. 電源
解説:
図AでN型ホール素子の場合、下部はイオン化したドナーにより正に帯電する(P型の場合は、イオン化したアクセプタにより負に帯電する)。 図B、図Cはそれぞれ電流の向き、または磁場の向きが図Aとは逆になっており、帯電の極性が逆転する。 図Dでは電流の向きと磁場の向きの両方が図Aとは逆であり、図Aと同じ向きに帯電する。

p型またはn型の半導体試料において、x方向に電流を流し、z方向に磁場をかける。この時試料を流れている荷電粒子(キャリア)は磁場によるローレンツ力を受けてy方向に加速される。これによって、試料の表面にキャリアがたまり、電流と磁場の両方に直交する方向に電場(ホール電場)が生じ、起電力が発生する。ホール効果はホール素子による磁場の検出のほか、半導体の電気的特性の測定に応用される。ホール電圧の符号と大きさから半導体のキャリアの種類と密度がわかる。また、金属は半導体に比べキャリア密度が大きく、ホール電圧が微小な値となるため、この現象を利用した物性測定は半導体が主である。

しかしながら、強磁性金属など磁化を帯びた物質中では、この磁化に起因するホール電圧が生じることもある。このような強磁性体の磁化に起因するホール効果を特に異常ホール効果と呼ぶ。また物質中のスピン軌道相互作用に起因してそれぞれ逆向きのスピンを有するキャリアが逆方向へと散乱されるスピンホール効果も近年注目を集めている。

関係式

試料に図のようにx方向に電流を流しながら、 これと垂直な z方向に磁場を加えると、 磁場中を動くキャリアローレンツ力を受ける。

キャリアの電荷を q 、速度を v とすると ローレンツ力

相現象 電子相 電子現象 磁気相 準粒子 ソフトマター 科学者


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