分数量子ホール効果とは? わかりやすく解説

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分数量子ホール効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:23 UTC 版)

チャーン・サイモンズ理論」の記事における「分数量子ホール効果」の解説

分数量子ホールに対して2+1次元チャーン・サイモンズ理論初め用いられたのは1989年の事である。物性物理文脈では、チャーン・サイモンズ・ゲージ場の導入は、多体系作用対す特異ゲージ変換によって正当化されるチャーン・サイモンズ理論分数量子ホール系の良い記述として考えられている理由一つに、一様密度平均場解としてラフリン波動関数を含む事が挙げられるラフリン波動関数は、奇数分母ランダウ指数分数量子ホール系の非常に良い近似基底一つ(ロバート・B・ラフリンはこの波動関数発見によって1998年ノーベル物理学賞得た)である。しかしながら偶数分母分数量子ホール系の良い記述になっているかどうかは、2013年現在でも解決していない。また、チャーン・サイモンズ理論励起状態として、チャーン・サイモンゲージ場の揺らぎ渦状になり、渦度量子化する状態がある。チャーン・サイモンズ理論から予言される興味深い態として、エニオン存在挙げられるエニオン非可換統計に従う粒子だが、チャーン・サイモンズ理論エニオン存在予言する。もちろん、物性物理においてはチャーン・サイモンズ理論は有効理論であるため、チャーン・サイモンズ理論エニオン記述したとしても、それは、"エニオン様に見える"だけであるが、この様な状態を利用して量子計算行おうという試みがある。例えば、5/2の分数量子ホール系が実現可能なエニオン候補として考えられている。

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分数量子ホール効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 09:56 UTC 版)

量子ホール効果」の記事における「分数量子ホール効果」の解説

近年試料品質の向上に伴い種々のヘテロ接合などに於いて2次元電子系実現されている。1979年富士通三村高志らによって高電子移動度トランジスタ(HEMT)が開発された。当時作動原理は完全には解明されていなかったが、1982年ダニエル・ツイホルスト・ルートヴィヒ・シュテルマーアーサー・ゴサードらはこの電子に対して強い磁場(>10 T)を加え1 K程度以下にまで冷却して電気抵抗率 ρxx, ρxy測定したところ、従来整数量子ホール効果見られた、ホール抵抗率 ρxy平坦な領域(以下これをプラトーとよぶ)のほかに、新たなプラトー発見した。そこにおける抵抗率からホール伝導率 σxy計算したところ、 σ x y = − p qe 2 h {\displaystyle \sigma _{xy}=-{\frac {p}{q}}\cdot {\frac {e^{2}}{h}}} を得た。ここで p, q は整数であり、q が3以上の奇数場合(1/3, 2/3, 1/5, 2/5, 3/5, 2/7など)を分数量子ホール効果と名づけた。 整数量子ホール効果原因は、不純物ポテンシャルによる電子局在化であるが、分数量子ホール効果は電子間のクーロンポテンシャル不純物ポテンシャル打ち勝つ場合に起こる。このため、分数量子ホール効果が観測されるのは、試料不純物極力減らしヘテロ接合界面良質試料限られる1998年ホルスト・ルートヴィヒ・シュテルマーダニエル・ツイ理論物理学者であるロバート・B・ラフリンノーベル物理学賞授与された。

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