より特殊な例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:13 UTC 版)
複合フェルミオンは巨大磁場中の二次元系において生じる。最も有名なのは分数量子ホール効果を示す系である。これらの準粒子は2つの点で、通常の粒子とは異なっている。一点目は、その電荷は素電荷eよりも小さくなりうることである。実際、e/3, e/4, e/5またはe/7の電荷を持つ準粒子が観測されている。二点目は、フェルミオンでもボソンでもない粒子であるエニオンになりうることである。 強磁性金属におけるストーナー励起。 超伝導におけるボゴリューボフ準粒子。超伝導は、通常は電子の対として記述されるクーパー対によって運ばれる。クーパー対は抵抗なしで結晶格子内を移動する。そして、破れたクーパー対はボゴリューボフ準粒子と呼ばれる。金属中のボゴリューボフ準粒子は負に帯電した電子と正に帯電した正孔 (電子孔隙) の性質を組み合わて作られるので、その性質は通常の準粒子と異なっている。通常の金属内で不純物原子から散乱する準粒子は、従来の超伝導内のクーパー対に少ししか影響を及ぼさない。従来の超伝導内では、その複雑な電子構造のためにボゴリューボフ準粒子間の相互作用はSTMを見るのを難しくするが、銅酸化物高温超伝導は別問題である。Davisと同僚たちは、銅酸化物高温超伝導体であるBi-2212における準粒子の独特な干渉パターンを解像することに成功した。 マヨラナ粒子は自身の反粒子に等しい粒子で、特定の超伝導現象において準粒子として現れる。 磁気単極子はスピンアイスのような凝縮系内に生じ、実効的な磁荷を運ぶ。このとき、有効質量など他の典型的な準粒子と同様の性質を得る。この準粒子はフラストレートされたパイロクロア強磁性内のスピンフリップによって形成され、クーロンポテンシャルを通して相互作用しうる。
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