有効質量とは? わかりやすく解説

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有効質量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 16:49 UTC 版)

有効質量(ゆうこうしつりょう、: effective mass)とは、何らかの物理現象を、「古典力学における質量を含む物理法則(比較的簡単な現象の場合が多い)」と類比することで現象論的に理解しようとしたときに出てくる、質量相当の物理量の総称である。結晶中の電子物性を用いる上で用いられる「有効質量」を指すことがほとんどだが、結晶中の電子の物性とは異なる物理現象にもこの概念を持ち込むことがある。


  1. ^ http://spin100.imr.tohoku.ac.jp/oomichiNOTE.pdf
  2. ^ http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/~yoshino/basictxt.htm#section1
  3. ^ B. L. アンダーソン (著), R. L. アンダーソン (著), 樺沢 宇紀 (翻訳)「半導体デバイスの基礎 (上)」丸善出版 (2012/01)
  4. ^ アシュクロフト (著), マーミン (著), 松原 武生(訳), 町田 一成(訳) 「固体物理の基礎 上・1 固体電子論概論 (1) (物理学叢書 46)」吉岡書店 (1981/01)


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有効質量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/31 13:54 UTC 版)

k·p摂動論」の記事における「有効質量」の解説

詳細は「有効質量」を参照 上記エネルギー分散関係の式を用いて半導体伝導帯の有効質量に対す簡易化した式を出すことができる。伝導帯のときの分散関係近似するには、エネルギーEn0を最小伝導帯エネルギーEc0として、分母エネルギー差が最小となる価電子帯最大値に近いエネルギーを持つ項のみを合計含める(これらの項は合計対す最大寄与である)。この分母はバンドギャップEgとして近似され、次のエネルギー式になる。 E c ( k )E c 0 + ( ℏ k ) 2 2 m +2 E g m 2 ∑ n | ⟨ u c , 0 | k ⋅ p | u n , 0 ⟩ | 2 {\displaystyle E_{c}({\boldsymbol {k}})\approx E_{c0}+{\frac {(\hbar k)^{2}}{2m}}+{\frac {\hbar ^{2}}{{E_{g}}m^{2}}}\sum _{n}{|\langle u_{c,0}|\mathbf {k} \cdot \mathbf {p} |u_{n,0}\rangle |^{2}}} 方向ℓの有効質量は 1 m ℓ = 1 ℏ 2 ∑ m ⋅ ∂ 2 E c ( k ) ∂ k ℓ ∂ k m ≈ 1 m + 2 E g m 2 ∑ m ,   n ⟨ u c , 0 | p ℓ | u n , 0 ⟩ ⟨ u n , 0 | p m | u c , 0 ⟩ {\displaystyle {\frac {1}{{m}_{\ell }}}={{1} \over {\hbar ^{2}}}\sum _{m}\cdot {{\partial ^{2}E_{c}({\boldsymbol {k}})} \over {\partial k_{\ell }\partial k_{m}}}\approx {\frac {1}{m}}+{\frac {2}{E_{g}m^{2}}}\sum _{m,\ n}{\langle u_{c,0}|p_{\ell }|u_{n,0}\rangle }{\langle u_{n,0}|p_{m}|u_{c,0}\rangle }} となる。行列要素詳細無視すると、重要な結果は有効質量が最小バンドギャップ変化しギャップが0になると有効質量が0になることである。直接ギャップ半導体行列要素有用な近似次の通り2 E g m 2 ∑ m ,   n | ⟨ u c , 0 | p ℓ | u n , 0 ⟩ | | ⟨ u c , 0 | p m | u n , 0 ⟩ | ≈ 20 e V 1 m E g   , {\displaystyle {\frac {2}{E_{g}m^{2}}}\sum _{m,\ n}{|\langle u_{c,0}|p_{\ell }|u_{n,0}\rangle |}{|\langle u_{c,0}|p_{m}|u_{n,0}\rangle |}\approx 20\mathrm {eV} {\frac {1}{mE_{g}}}\ ,} これはほとんどのIV族、III-V族、II-VI族半導体に約15%以内適合する。 この単純な近似とは対照的に価電子帯エネルギー場合スピン軌道相互作用導入する必要があり(以下参照)、さらに多くバンドそれぞれ考慮する必要がある計算Yu and Cardonaで提供される価電子帯では動くキャリアは正孔である。重いものと軽いものの2つのタイプ正孔があり、異方性質量を持つ。

※この「有効質量」の解説は、「k·p摂動論」の解説の一部です。
「有効質量」を含む「k·p摂動論」の記事については、「k·p摂動論」の概要を参照ください。

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