こんどう‐こうか〔‐カウクワ〕【近藤効果】
近藤効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/14 05:52 UTC 版)
近藤効果(こんどうこうか、Kondo effect)とは、磁性を持った極微量な不純物(普通磁性のある鉄原子など)がある金属では、温度を下げていくとある温度以下で電気抵抗が上昇に転じる現象である。これは通常の金属の、温度を下げていくとその電気抵抗も減少していくという一般的な性質とは異なっている。現象そのものは電気抵抗極小現象とよばれ、1930年頃から知られていたが、その物理的機構は1964年(昭和39年)に日本の近藤淳が初めて理論的に解明した[1]。近藤はこの業績によって1973年(昭和48年)に日本学士院恩賜賞を受章した。
- ^ Jun Kondo (3 1964). “Resistance Minimum in Dilute Magnetic Alloys”. Progress of Theoretical Physics (Kyoto, JAPAN: 京都大学基礎物理学研究所) 32 (1): 37-49. doi:10.1143/PTP.32.37. ISSN 1347-4081 (オンライン), 0033-068X (紙媒体) 2008年10月9日閲覧。.
- ^ W. J. de Haas, J. de Boer and G. J. van den Berg, Physica,1 (1933/34) 1115
- ^ 芳田(1990)p34
- ^ K.Yoshida and A.Okiji, Prog. Theor. Phys., 34 (1965) 505
- ^ 山田耕作「金属中の磁気モーメント」 『日本物理学会誌』、vol.60(2)、2005年
- ^ P. W. Anderson and G. Yuval, "Exact Results in the Kondo Problem. II. Scaling Theory, Qualitatively Correct Solution, and Some New Results on One-Dimensional Classical Statistical Models", Phys. Rev. B 1:4464-4473 (1970)
- ^ K.G. Wilson, "The renormalization group: critical phenomena and the Kondo problem", Rev. Mod. Phys. 47, 4, 773.
- ^ D. Goldhaber-Gordon et al., “Kondo effect in a single-electron transistor”, Nature 391, 156–159 (1998).
- ^ 2011年1月24日の東京新聞朝刊21面
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