縮退のある場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 06:53 UTC 版)
固有値が縮退している場合は、i ≠ n、m ≠ nの場合でもεi = εn、εm = εnとなる場合が存在し、この場合上式二次摂動エネルギーや、一次の摂動波動関数の係数の分母部分が零となり発散してしまう。従って、縮退のある場合には、このような発散を回避する手段を施す必要がある(ほとんど自由な電子参照)。 摂動は普通、一次の項まで考慮すれば十分であるが、より高次な項を考える必要がある場合も多い(例:近藤効果は摂動の二次の項まで考慮しないと説明できない)。
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縮退のある場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/05 04:05 UTC 版)
「ほとんど自由な電子」の記事における「縮退のある場合」の解説
上式の右辺第三項の分母部分がゼロになる場合、つまりE(0)(k)=E(0)(k+Kn)となる場合(縮退)は、そのままでは第三項は非常に大きな寄与となり摂動項としての意味がなくなる。 縮退が起こるのは、k2-|k+Kn|2=0の時(ブラッグの反射条件に相当)で、これは|k|≒|k+Kn|→Kn=0, Kn = -Knから、以下の方程式(行列式となる)を得る。 ( E ( k ) − E 1 ( k ) c ( 0 ) − u ( K n ) c ( − K n ) = 0 − u ( − K n ) c ( 0 ) + ( E ( k ) − E 2 ( k ) c ( − K n ) = 0 {\displaystyle {\begin{aligned}(E({\boldsymbol {k}})-E_{1}({\boldsymbol {k}})c(0)-u({\boldsymbol {K}}_{n})c(-{\boldsymbol {K}}_{n})=0\\-u(-{\boldsymbol {K}}_{n})c(0)+(E({\boldsymbol {k}})-E_{2}({\boldsymbol {k}})c(-{\boldsymbol {K}}_{n})=0\end{aligned}}} E 1 = E 1 ( k ) = ℏ 2 k 2 2 m E 2 = E 2 ( k ) = ℏ 2 2 m | k − K n | 2 {\displaystyle E_{1}=E_{1}({\boldsymbol {k}})={{\hbar ^{2}k^{2}} \over {2m}}\qquad E_{2}=E_{2}({\boldsymbol {k}})={\hbar ^{2} \over {2m}}|{\boldsymbol {k}}-{\boldsymbol {K}}_{n}|^{2}} E ( k ) = 1 2 ( E 1 + E 2 ) ± 1 2 [ 4 | u ( K n ) | 2 − ( E 1 − E 2 ) 2 ] 1 / 2 {\displaystyle E({\boldsymbol {k}})={\frac {1}{2}}(E_{1}+E_{2})\pm {\frac {1}{2}}\left[4|u({\boldsymbol {K}}_{n})|^{2}-(E_{1}-E_{2})^{2}\right]^{1/2}} となる。更に、E1≒E2とすると、 解1: E ( k ) = E 1 + u ( K n ) {\displaystyle E({\boldsymbol {k}})=E_{1}+u({\boldsymbol {K}}_{n})} 解2: E ( k ) = E 1 − u ( K n ) {\displaystyle E({\boldsymbol {k}})=E_{1}-u({\boldsymbol {K}}_{n})} を得る。これは、 | k | = | k + K n | {\displaystyle |{\boldsymbol {k}}|=|{\boldsymbol {k}}+{\boldsymbol {K}}_{n}|} (ブリュアンゾーンを構成する多面体の表面に相当)においての縮退が解けて、2u(Kn)のギャップが開くことを意味している。
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