コンパクト星
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コンパクト星(コンパクトせい)とは、宇宙物理学において白色矮星、中性子星、エキゾチック密度星とブラックホールに対して使われる呼び名である[1]。通常の恒星などの質量あたりの大きさと比べてのこれらの物体はすべて小さい。
白色矮星や中性子星は、それぞれ電子の縮退圧や中性子の縮退圧で支えられているので縮退星 (degenerate star) ともいう[2]。これにはクォーク星も提案されている[2]。
コンパクト星 (compact star) は、高密度星 (high density star) ともいう[2]。
星の進化の最後としてのコンパクト星
コンパクト星は恒星進化の最終地点である。
星は輝きながらそれ自身のエネルギーを失っていく。放射面から失われるエネルギーは星内部での核融合で生み出すエネルギーによりつりあいを保っているが、星がそのエネルギー自身を使い果たしたときに星の死が始まる。内部の熱いガスは星の重さを支えられずに、内部へ圧縮され密度の高い状態となる。これがコンパクト星である。詳細は個々の関連項目を参照。
白色矮星や中性子星と元の恒星との違いは、固体とガスの違いとして類推して説明することが出来る。
白色矮星が冷えて黒色矮星となる時間は、現在の宇宙の年齢よりもずっと長い。
出典
- ^ 谷口義明『暗黒宇宙の謎』講談社〈ブルーバックス〉、2005年、71頁。ISBN 4-06-257496-9。
- ^ a b c 『シリーズ現代の天文学別巻 天文学辞典』(第I版第I刷)日本評論社、2012年7月、131、177頁頁。 ISBN 978-4-535-60738-5。
関連項目
縮退星
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核融合反応が起こらなくなった恒星は、縮退圧と重力が釣り合うところまで収縮する。このように縮退圧で支えられている星を、縮退星という。 電子の縮退圧で支えられている星が白色矮星であり、中性子の縮退圧で支えられている星が中性子星である。また、クォークの縮退圧で支えられている星、クォーク星の存在が予言されている。 縮退圧には上限があり、電子の縮退圧で支えられる質量の上限はチャンドラセカール限界、中性子の縮退圧で支えられる質量の上限はトルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界と呼ばれている。質量がそれらの限界を超えると重力崩壊が起こる。 白色矮星が質量降着や合体によって重くなり、チャンドラセカール限界を超えると重力崩壊が始まり、一気に重力エネルギーが解放されて熱が発生する。すると高温になり炭素の核融合反応が開始する。白色矮星は縮退しているので、この核融合は暴走して星全体が吹き飛び、炭素爆燃型超新星となる。 中性子星が質量降着や合体によって重くなり、トルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界を超えると、重力崩壊によってブラックホールになると考えられている。この際に莫大な重力エネルギーが解放されるので、この現象はガンマ線バーストの原因の候補として挙げられている。
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