こうちゃく‐えんばん〔カウチヤクヱンバン〕【降着円盤】
降着円盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 05:08 UTC 版)
降着円盤(こうちゃくえんばん、英: accretion disk)とは、中心にある重い天体の周囲を公転しながら落下する物質によって形成される円盤状の構造のことである[1]。中心の天体は典型的には恒星であり、この場合は星周円盤とも呼ばれる。円盤の中を公転している物質は摩擦によって中心の天体に向かってらせん状に落下していく。重力と摩擦力によって物質は圧縮され温度が上昇し、円盤からの電磁放射が引き起こされる。この電磁放射の周波数の範囲は中心天体の質量に依存する。若い恒星や原始星まわりの降着円盤は赤外線を放射し、中性子星やブラックホールまわりの場合は電磁スペクトルのうちX線の放射を行う。降着円盤の振動モードの研究は、「円盤振動学」[2][3](英: diskoseismology) と呼ばれる[4][5]。
- 1 降着円盤とは
- 2 降着円盤の概要
降着円盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 06:37 UTC 版)
「あすか (人工衛星)」の記事における「降着円盤」の解説
あすかは大質量ブラックホールが存在すると考えられるケンタウルス座の活動銀河中心核MCG6-30-5の高分解能スペクトル観測を行い、ブラックホールを取り巻く降着円盤から放射されていると考えられる鉄の特性X線を観測した。回転する降着円盤から放出される輝線は、視線に沿って遠ざかる物質と近づく物質からの光がそれぞれドップラー効果を受けるために2本のピークを持ったスペクトルとして観測されるが、回転速度が非常に大きい場合には相対論的効果で2本のピークの高さが非対称になることが予測されている。あすかはこの活動銀河核のスペクトルが理論とよく一致する非対称なスペクトルであることを明らかにした。このことは、降着円盤の内側のブラックホールに非常に近い部分を初めてX線で観測できたことを示唆している。
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降着円盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:54 UTC 版)
「降着円盤」および「活動銀河」も参照 連星系を形成するブラックホールは降着円盤を形成する場合がある。円盤は膨大な熱とX線を放射する。多くのものは宇宙ジェットを伴うが、ジェットの生成メカニズムははっきりとは分かっていない。ブラックホールの観測において非常に重要である。
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降着円盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/21 08:25 UTC 版)
「四つ葉のクローバークエーサー」の記事における「降着円盤」の解説
このクエーサーの降着円盤からは一酸化炭素のスペクトルが検出されている。このクエーサーは、見かけの距離から111億年前に存在する天体であり、発見されている中で最も古い時代の一酸化炭素である。これは、初期の宇宙における大規模な星形成の1つの証拠となっている他、銀河の進化などを考える上でも重要である。このクエーサーの一酸化炭素は、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45mミリ波電波望遠鏡の性能チェックに使われ、従来は検出に数時間から数日かかるのを、わずか10分で検出する事が出来た。 また、やはり発見されている中で最も古い時代のシアン化水素とHCO+も検出されているが、これらのスペクトルから、このクエーサーの赤方偏移が測定されている。
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