スペクトルとは? わかりやすく解説

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スペクトル【(フランス)spectre】

読み方:すぺくとる

可視光および紫外線赤外線などを分光器分解して波長の順に並べたもの。

複雑な組成をもつものを成分分解し、量や強度の順に規則的に並べたもの。「音響—」「質量—」


スペクトル

スペクトルとは、光や電波X線、音など、一定の周期振幅繰り返す情報信号を、その波長の順に並べた強度分布のことである。

スペクトルは、横軸波長をとり、縦軸強度をとって図示されることが多い。

光や音、物質などは、それぞれの組成により、特有の波長を持つことから、スペクトルを使って、色や音色成分などを特定することができる。半導体化学分野においては物質レーザー光照射し跳ね返ってきた反射光のスペクトルをもとに物質成分特定する成分分析手法広く利用されている。

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(L2,L3),(M4,M5)…スペクトル

【英】:(L2,L3),(M4,M5)…spectra

EELSスペクトルの50eV以上の領域現れる元素固有の吸収端内殻電子自由電子帯への励起によって生じ励起する内殻によって、K、L、M...殻励起スペクトルと呼ばれる内殻電子準位は、スピン軌道相互作用により、さらに細かく別れており、K (1s1/2), L1 (2s1/2), L2 (2p1/2), L3 (2p3/2), M1(3s1/2), M2(3p1/2), M3(3p3/2), M4(3d3/2), M5(3d5/2), …と表される3d遷移金属元素の(L2, L3)および(M4, M5)スペクトルはエネルギー的に近いので、似た形状のスペクトル(自由電子帯の形状)が、エネルギー的にずれて足し合わせた形でEELSスペクトル現れるSiAlでは(L2, L3)スペクトルが観測されるが、L2とL3準位分離が1eV以下と小さいために一つ吸収端スペクトルとみなされL2,3とかかれることが多い。EELS自由電子帯の形状測定する方法であるから、これらのペア近似的には同じ情報与えるのみであることに注意

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スペクトル

電磁波波長別の強度分布変換したものをスペクトルという。

スペクトル

英訳・(英)同義/類義語:spectrum

一般的には、ある事象強さ大きさが、それに関係する量や事象変化に応じて変わる様子表した図。電磁波スペクトルなどが例。

スペクトル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 00:42 UTC 版)

の輝線スペクトル
水素の輝線スペクトル(バルマー系列

スペクトルフランス語: spectre英語: spectrum[1])とは、複雑な情報信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののことである。2次元以上で図示されることが多く、その自体のことをスペクトルと呼ぶこともある。

様々な領域で用いられる用語で、様々な意味を持つ。現代的な意味のスペクトルは、周波数スペクトルにおける分光スペクトル)か、それから派生した意味のものが多い。

語源

日本語の「スペクトル」は、フランス語spectre から来ており、英語の spectrum[スペクトラム]同様、ラテン語spectrum[スペクトルム]を語源としている。この語は「見る」を意味する動詞 specere派生語で「」を意味する(原義は 「見えるもの」「現れるもの」)[2]。「幻姿」を意味する英語の specterスペクター] とは同語源

分光スペクトル

分光学では、電磁波)をプリズム回折格子といった分光器を通すことにより得られる、電磁波の波長ごとの強度の分布を分光スペクトルという。分光スペクトルには、対象物と光との関係によるスペクトルの種類とスペクトルの波形の特長による種類とがある。

対象物と光との関係によるスペクトルの種類

光源スペクトル
対象物が発する光のスペクトルをいう。
反射スペクトル
標準の光源に対し、対象物で反射する光のスペクトルをいう。
透過スペクトル
標準の光源に対し、対象物を透過する光のスペクトルをいう。
吸収スペクトル
標準の光源に対し、対象物が吸収する光のスペクトルを吸収スペクトルという。一般的に吸収しやすい光のエネルギー(波長)は、物質によって異なる。直接は計測できず、減算で計算する。

スペクトルの波形の特長による種類

連続スペクトル
熱放射による光はあらゆる波長の光を含んでいる。このような光はプリズムで分光すると連続的な色の模様になる。そこでこのような光のスペクトルを連続スペクトルという。
輝線スペクトル
電離あるいは励起された原子から放射される光は原子内の電子のエネルギー準位が量子化されているため、ある特定の波長だけに限られている。このような光はプリズムで分光すると離散的ないくつかの光の線となる。この光の線を輝線といい、輝線からなるスペクトルを輝線スペクトルという。
吸収線スペクトル
連続スペクトルを放つ光源と観測者との間に原子が存在すると、その原子がある特定の波長の光を吸収して励起されるため、その波長での強度が減少したスペクトルとなる。このような光はプリズムで分光すると連続的な虹色の模様の中にいくつかの暗い線が見られる模様となる。この暗い線を吸収線または暗線という。吸収線を持つスペクトルが吸収線スペクトルである。

恒星のスペクトル

恒星は中心部の核融合反応で輝くガス球であり、その分光学的性質はほぼ黒体に近い。そのため、恒星のスペクトルは大雑把にはその表面温度の黒体放射に対応する連続スペクトルとなっており、その中に恒星大気中の原子や分子による吸収線スペクトルが見られる。その吸収線スペクトルのパターンによって恒星の分類がされている。これをスペクトル分類という。太陽も恒星の一つであるから、そのスペクトルには吸収線が見られる。この吸収線は発見者の名前をとってフラウンホーファー線と呼ばれている。

一般化したスペクトル

分光スペクトルの概念は、一般の波に拡張された。

時系列解析

物理学工学時系列解析では、解析対象である、時間領域における時間の関数(波形)に対し、それから周波数領域への変換(たとえばフーリエ変換)で得られる、周波数の関数をスペクトルという。

周波数領域におけるパワー密度(振幅の2乗)である、パワースペクトル密度 (PSD) が代表的である。分光学での分光スペクトルは、電磁波のパワースペクトル密度である。

なお正確には、スペクトルを求める変換の対象は時間領域とは限らず、たとえば長さのこともよくある。周波数領域に対しさらに変換をすることもあり、その結果は、ケプストラム(cepstrum。spectrumのアナグラム)という。

化学

化学では、一般には、試料に対してなんらかの刺激を与えた際、その刺激や応答を特徴づける量に対して応答強度を記録したものをスペクトルという。

吸収スペクトルをスペクトルと言うことが多いが、この文脈では吸収スペクトルとは、「刺激として電磁波を用い、波長に対し吸収強度を記録したもの」と言える。

他には、質量分析法では、刺激として電子衝突を用いて、分解によって生じた破片の質量に対しその量を記録したものをスペクトルと呼んでいる。

脚注

  1. ^ 文部省日本物理学会編『学術用語集 物理学編』培風館、1990年。ISBN 4-563-02195-4 
  2. ^ 竹本喜一、金岡喜久子『化学語源ものがたり』化学同人、1986年。 ISBN 4-7598-0131-6 

関連項目


スペクトル

出典:『Wiktionary』 (2021/07/04 03:34 UTC 版)

語源

フランス語 spectre

名詞

スペクトル

  1. (物理学) 電磁波分光器通し分解し、波長ごとに並べたもの。
  2. 複雑情報などを単純成分分解し強度などの大小によって並べたもの。

発音(?)

↗ぺ↘とる

翻訳


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