黒体
別名:完全放射体
【英】Black Body
黒体とは、光や電磁波などを全て吸収する性質を持った理想的な物質のことである。
物質はそれぞれの反射率によって光や電磁波を反射する性質を持っている。その光や電磁波をすべて吸収するものと設定された物質が黒体に当たる。黒体の性質を完全に実現している物質は、特に完全黒体と呼ばれる。厳密な完全黒体は現実には存在しないが、近似した性質を持つ物質は存在する。
一般に、物質を熱するとその物質は熱量に従った色を放射する。理論上で完全黒体を熱した場合に、熱量に従って放射される色が、熱量と色とを関連付ける「色温度」の基準値として定められている。色温度はディスプレイやDTPの分野において輝度の表示基準などとして用いられている。
黒体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/20 08:46 UTC 版)
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黒体(こくたい、英: black body)あるいは完全放射体(かんぜんほうしゃたい、英: full radiator)とは、外部から入射する電磁波を、あらゆる波長にわたって完全に吸収し、また熱放射できる想像上の物体のこと。実在しない理想的な物体であるが、自然科学を理解する上で重要なモデルである。
概要
黒体とは、全ての波長にわたって電磁波(光)を全く反射しない物体である。そのような物体は実在しないため、理想気体や剛体と同じように、黒体は実在しない。現在、発見された最も黒体に近い物質は、99.995 % の光(電磁波)を吸収する[1]。
物体からの放射(反射を含まない)には、物体の相(固体・液体・気体)にかかわらず温度によって色が変わることが経験的に知られている。色は、さまざまな波長の光が混ざり合って構成されている。色の変化は、波長ごとの強度分布の変化であることがスペクトルの分析によりわかっており、またその分布は、温度によって一定であることも知られている。これを物体からの熱放射という。特に、黒体からの熱放射を黒体放射(黒体輻射)と言う。
ある温度の黒体から放射される電磁波のスペクトルは一定である。温度 T において、波長 λ の電磁波の黒体放射強度 B (λ) は、
- プランクの法則
- ウィーンの変位則
- シュテファン=ボルツマン定数
- レイリー・ジーンズの法則
- キルヒホッフの法則
- 佐久間=服部方程式
- 量子力学
- グローブ温度
- 色温度
- 黒体軌跡
- カーボンナノチューブ黒体
- 赤方偏移
外部リンク
- 黒体(こくたい)とは - コトバンク
- 黒体とは - Weblio辞書