ベトナム語とは? わかりやすく解説

ベトナム‐ご【ベトナム語】

読み方:べとなむご

ベトナム中心にカンボジア・ラオスでも話されている言語南アジア語族属すとされるが、中国語同じよう孤立語性格をもち、声調区別をもつ。安南語


ベトナム語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 23:43 UTC 版)

ベトナム語(ベトナムご、: tiếng Việt/㗂越: Vietnamese)または越南語(ベトナムご、えつなんご)、越語(えつご)は、ベトナム社会主義共和国の総人口のおよそ 87% を占めるキン族母語であり、ベトナムの公用語である。キン語(京語、: tiếng Kinh/㗂京)ともいい、ベトナムの少数民族の間でも共通語として話されるほか、周辺国のカンボジアラオスタイに加え、中華民国台湾)、アメリカ合衆国オーストラリアカナダフランス日本(約42万人)、韓国ドイツロシアなどに居住しているベトナム系移民によっても話される。中華人民共和国ジン族として少数民族指定されているキン族の話すベトナム語はジン語中国語: 京语; 拼音: Jīngyǔ)と呼ばれる事もある。


注釈

  1. ^ チュ・クオック・グーでは、短音記号「ă」(ブレーヴェ)、狭母音記号「â, ê, ô」(サーカムフレックス)、非円唇母音記号「ơ, ư」(ホーン)、子音区別記号「đ, Đ」(ストローク)が用いられ、ベトナム語では、それぞれ dấu trăng「月の記号」、dấu mũ「帽子の記号」、dấu móc(râu)「鉤[かぎ](髭[ひげ])の記号」、dấu gạch ngang「横棒の記号」という名称で呼ばれる。
  2. ^ 唇音の一部(b ([ɓ]/[ʔb]), ph ([f]) など)が、主母音 â, ê, i(y), iê などと結合する時、中国中古音重紐中国音韻学牙音・唇音・喉音における介音 [i][ï] ([ɪ]) の違い)が反映される影響で舌音(t ([t]))〈極一部のみ、歯音(s ([s]/[ʂ]))〉に変化している。
  3. ^ 音節頭子音 h-, k-, l-, m-, t- 及び、qu-(頭子音 q- + 介母音 u)に後続する開音節の場合、-i, -y のどちらの表記でも構わないことになっている(ベトナム政府は、-i の使用を強く推進している)が、固有語は -i 、漢越語(漢越音)は -y で表記される傾向にある。また、母音のみの音節(i, ui)の漢越語の場合は、必ず y, uy と表記される(例:mì「麺(中華そば)、麦」, ủi「アイロンをかける (南)」, quì「金箔」⇔ mỹ (mĩ)「美」, ủy「委、慰」, quỷ (quỉ)「鬼、詭」、 y「衣、醫、依」, hy (hi)「希、稀、犠」, kỹ (kĩ)「技、妓」, lý (lí)「理、里、李」, ty (ti)「司、絲、卑」など)。
  4. ^ 二重母音 ươ, iê(yê) の時も末母音はやや長めに発音される。
  5. ^ 本来 e [ɛ] で表記される発音の時(実際の発音は、a の文字表記に影響されて [ɛ] よりも、中舌寄りの [a] や [æ] に近くなっている)。
  6. ^ 特に北部で見られる。
  7. ^ 短音記号(ブレーヴェ)を省略した ă である為(ay)。
  8. ^ 短音記号(ブレーヴェ)を省略した ă である為(au)。
  9. ^ quốc「國」(漢越音) のみに現れる(原音は、quấc)。
  10. ^ ia が介母音 u に後続する場合は ya、iê で音節が始まる場合と介母音 u に後続する場合は yê と表記される。
  11. ^ 音節末子音 -c, -ng で終わる閉音節でも、短母音ではなく、常に長母音(oo [ɔː (ɔɔ)], ôô [oː (oo)])としてやや長めに発音される為、主母音の円唇化によるわたり音と音節末子音の二重調音が起こらない。(例:soóc [ʂɔːk̚ ˧˥]「半ズボン」⇔ sóc [ʂɔwk͡p̚ ˧˥]「リス」、soong [ʂɔːŋ ˧]「シチュー鍋」⇔ song [ʂɔwŋ͡m ˧]「ハタ」)。
  12. ^ よく嗄[しわが]れたハ行(ガ行)のような音に聞こえることが多い
  13. ^ このほかに外来語や擬音・擬態語などに現れる oo がある(例:coóc-xê「女性用下着(ブラジャー)」、ác-coóc-đê-ông「アコーディオン」、loong coong「ごーん、どーん、じゃーん(銅鑼などの金属音)」など)
  14. ^ 特に西部で見られる。
  15. ^ このほかに外来語や擬音・擬態語などに現れる oo がある(例:goòng「トロッコ」など)
  16. ^ このほかに外来語や擬音・擬態語などに現れる e, oo, ôô(極稀)がある(例:soóc「半ズボン」、boóc「トーチカ」、oóc-dơ「オフサイド」、moóc-phin「モルヒネ」、séc「小切手」、téc-mốt「魔法瓶」、véc-tơ「ベクトル」など)
  17. ^ このほかに外来語や擬音・擬態語などに現れる e, oo, ôô(極稀)がある(例:xoong (soong)「シチュー鍋、ソースパン」、boong「(船の)デッキ、甲板」、choòng「金梃子、バール」、goòng「トロッコ」、phèng la「シンバル、銅鑼」、xẻng (sẻng)「シャベル、スコップ」など)
  18. ^ 中部方言では、3.thanh sắc(鋭調), 4. thanh hỏi(問調), 5. thanh ngã(転調)が、6.thanh nặng(重調)に合流している為、更に数が減って3声調になっている。
  19. ^ 中国語の「第1声」「第2声」のような呼称ではなく、声調名で表される。声調の表記の順番(声調配列順)は明確には決まっておらず、辞書・参考書・学習書等によってそれぞれ異なる(最初は 1.thanh ngang [平調] から始まって、最後は 6.thanh nặng [重調] で終わる場合が多く、少なくとも8通りは存在する)。
    以下の表・図に示されている声調配列順(「a à á ả ã ạ」)は、日本のベトナム語関連書籍で最もよく用いられているものであり、このほかに「a à ả ã á ạ」、「a á à ả ã ạ」、「a à ã ả á ạ」等があるが、著者・出版社によって用いられる配列順に多少の差がある。
  20. ^ 中国音韻学では、高音調を「陰調」、低音調を「陽調」と表現する。平仄に照らし合わせると、声調の 1.thanh ngang [平調], 2.thanh huyền [垂調](a, à)が「bằng)」、3.thanh sắc [鋭調], 4.thanh hỏi [問調], 5.thanh ngã [転調], 6.thanh nặng [重調](á, ả, ã, ạ)が「trắc)」となり、細かく分類すると、1.thanh ngang [平調], 2.thanh huyền [垂調](a, à)が平声bình)、4.thanh hỏi [問調], 5.thanh ngã [転調](ả, ã)が上声thượng)、3.thanh sắc [鋭調], 6.thanh nặng [重調](á, ạ)が去声khứ)・入声nhập)となるので、更に高低(陰陽)で分類すると、1.thanh ngang [平調] (a) が「陰平声」、2.thanh huyền [垂調] (à) が「陽平声」、4.thanh hỏi [問調] (ả) が「陰上声」、5.thanh ngã [転調] (ã) が「陽上声」、3.thanh sắc [鋭調] (á) が「陰去声陰入声」、6.thanh nặng [重調] (ạ) が「陽去声陽入声」となる。但し、漢越音の声調に関しては、陽平声と陽去声(極一部)において、必ずしも全て理論的に当てはまる訳ではない(中古音にあった旧濁声母のうち、平声で次濁だったもの (子音 l-, m-, n-, ng-, nh-, d- [z/j], v- で始まるもの)は、2.thanh huyền [垂調] (陽平声)ではなく、1.thanh ngang [平調] (陰平声)に、上声で全濁だったものの極一部は、濁上変去(6.thanh nặng [重調] (陽去声)に変化)せずに、5.thanh ngã [転調] (陽上声)になっている)。
    また、聴覚的・音韻学史的視点によって、高低(陰陽)の分類が異なり、これは辞書・参考書・学習書等の声調配列順にも大いに関係している(聴覚的には、1.thanh ngang [平調], 3.thanh sắc [鋭調], 5.thanh ngã [転調] (a, á, ã) が「高 (陰)」、2.thanh huyền [垂調], 4.thanh hỏi [問調], 6.thanh nặng [重調] (à, ả, ạ) が「低 (陽)」となり、音韻学史的には、1.thanh ngang [平調], 4.thanh hỏi [問調], 3.thanh sắc [鋭調] (a, ả, á) が「高 (陰)」、2.thanh huyền [垂調], 5.thanh ngã [転調], 6.thanh nặng [重調] (à, ã, ạ) が「低 (陽)」となる)。
  21. ^ 中国音韻学における去声khứ)と入声nhập)の分類
  22. ^ 元々の意味は「下僕、しもべ」
  23. ^ ベトナムでは、日本中国などとは違い、数字の区切りを「.」(ピリオド)、小数点を「,」(コンマ)で表記する(フランス方式)。詳細は、小数点#二つの方式を参照。
  24. ^ 漢越語(漢越音)の「兆」に由来する(詳細は、命数法#大数の命数法を参照)。
  25. ^ 漢越語(漢越音)の「」に由来する(詳細は、命数法#大数の命数法を参照)。
  26. ^ 北部地方:タインホア省より北(ニンビン省以北)、中部地方:タインホア省~ビントゥアン省、南部地方:ビントゥアン省より南(バリア=ブンタウ省以南)
  27. ^ 北部方言の一部(紅河デルタ地方)では、音節頭子音 n と l の混同が見られる。
  28. ^ 中国語普通話)の半上声(211)のように発音される。
  29. ^ ハノイ方言と同じように、ấy の代わりに đó「あの、その」を用いた親しみを込めた表現(ông đó, bà đó, cô đó, anh đó, chị đó など)もある。
  30. ^ ハノイ方言とサイゴン方言においても、語彙の差異はあるが、一部を除けば、ほとんどが物の名詞の違いである(例:chữa (北), sửa (南)「修理する」、béo (北), mập (南)「太っている」、gầy (北), ốm (南)「痩せている」、to (北), lớn (南)「大きい」、bé (北), nhỏ (南)「小さい」、rỗi (北), rảnh (南)「暇な」、đắt (北), mắt (南)「(値段が)高い」、nhạt (北), lạt (南)「味が薄い」、xe ô tô (北), xe hơi (南)「車」、xà phòng (北), xà bông (南)「石鹸」、ngô (北), bắp (南)「とうもろこし」、mồm (北), miệng (南)「口」、ô (北), dù (南)「傘」、nem rán (北), chả giò (南)「揚げ春巻き」、cốc (北), ly (南)「コップ、グラス」、thìa (北), muỗng (南)「スプーン」、dĩa (北), nĩa (南)「フォーク」、bát (北), tô (南)「丼、茶碗」、lợn (北), heo (南)「豚」、rau mùi (北), ngò rí (南)「コリアンダー(パクチー)」、nghìn (北), ngàn (南)「千(1000)」、phố (北), đường (南)「道路、通り」、ngõ (北), kiệt (中), hẻm(hẽm) (南)「路地」など)。

出典

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  2. ^ 吉本康子、今田ひとみ. キクタン ベトナム語【入門編】. アルク. p. 13. ISBN 978-4-757-42417-3 
  3. ^ 竹内与之助、日隈真澄. ベトナム語基礎1500語. 大学書林. p. 111. ISBN 978-4-475-01079-5 
  4. ^ 竹内与之助、日隈真澄. ベトナム語基礎1500語. 大学書林. p. 110. ISBN 978-4-475-01079-5 
  5. ^ グエン・フオン・チャン. 1か月で復習するベトナム語基本の500単語. 語研. p. 35. ISBN 978-4-876-15376-3 
  6. ^ 田原洋樹. くわしく知りたいベトナム語文法(改訂版). 白水社. p. 172. ISBN 978-4-560-08959-0 
  7. ^ 吉本康子、今田ひとみ. キクタン ベトナム語【入門編】. アルク. p. 10. ISBN 978-4-757-42417-3 
  8. ^ 三上直光. ニューエクスプレス+(プラス) ベトナム語. 白水社. p. 15. ISBN 978-4-560-08781-7 
  9. ^ 田原洋樹. くわしく知りたいベトナム語文法(改訂版). 白水社. p. 174. ISBN 978-4-560-08959-0 
  10. ^ 佐川年秀. まずはここから!やさしいベトナム語 カタコト会話帳. すばる舎. p. 8. ISBN 978-4-883-99725-1 
  11. ^ 田原洋樹、グエン・ヴァン・フエ、チャン・ティ・ミン・ヨイ. パスポート初級ベトナム語辞典. 白水社. p. 378. ISBN 978-4-560-08731-2 
  12. ^ 冨田健次. ヴェトナム語の世界 ヴェトナム語基本文典. 大学書林. p. 19. ISBN 978-4-475-01842-5 
  13. ^ 冨田健次. ヴェトナム語の世界 ヴェトナム語基本文典. 大学書林. p. 18. ISBN 978-4-475-01842-5 
  14. ^ 吉本康子、今田ひとみ. キクタン ベトナム語【初級編】. アルク. p. 19. ISBN 978-4-757-43087-7 
  15. ^ 吉本康子、今田ひとみ. キクタン ベトナム語【初級編】. アルク. p. 18. ISBN 978-4-757-43087-7 
  16. ^ Haudricourt, André-Georges (1954), “De l'origine des tons du vietnamien”, Journal Asiatique 242: 69-82 
  17. ^ Sagart, Laurent (1998), “The origin of Chinese tones”, International Symposium on "Tone languages in the world" December 10-12, 1998, http://halshs.archives-ouvertes.fr/docs/00/09/69/04/PDF/TOKYO_tone_published.pdf 
  18. ^ 新谷忠彦, A.G. Haudricourt と声調の起源・分岐について, http://www.aa.tufs.ac.jp/~p_phonol/TEXTS/97-2/sintani.txt 2008年5月1日閲覧。 
  19. ^ Pham, Andrea Hoa (2003), "Vietnamese Tone: A New Analysis", https://doi.org/10.4324/9780203500088 
  20. ^ 田原洋樹. ベトナム語表現とことんトレーニング. 白水社. p. 135. ISBN 978-4-560-08628-5 
  21. ^ 田原洋樹、グエン・ヴァン・フエ、チャン・ティ・ミン・ヨイ. パスポート初級ベトナム語辞典. 白水社. p. 381. ISBN 978-4-560-08731-2 
  22. ^ 田原洋樹. くわしく知りたいベトナム語文法(改訂版). 白水社. p. 169. ISBN 978-4-560-08959-0 
  23. ^ 佐川年秀. まずはここから!やさしいベトナム語 カタコト会話帳. すばる舎. p. 7. ISBN 978-4-883-99725-1 
  24. ^ 川本邦衛. 詳解ベトナム語辞典. 大修館書店. p. 1915. ISBN 978-4-469-01283-5 
  25. ^ 田原洋樹. つながるベトナム語会話. 白水社. p. 65. ISBN 978-4-560-08946-0 
  26. ^ 田原洋樹. つながるベトナム語会話. 白水社. p. 176. ISBN 978-4-560-08946-0 
  27. ^ 五味政信. 五味版学習者用ベトナム語辞典. 武蔵野大学出版会. p. 209. ISBN 978-4-903-28126-1 
  28. ^ 田原洋樹. くわしく知りたいベトナム語文法(改訂版). 白水社. p. 172. ISBN 978-4-560-08959-0 
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  30. ^ 三上直光. ニューエクスプレス+(プラス) ベトナム語. 白水社. p. 19. ISBN 978-4-560-08781-7 



ベトナム語

出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 11:23 UTC 版)

言語コード
ISO639-1 vi
ISO639-2 vie
ISO639-3 vie
SIL -

名詞

ベトナムベトナムご)

  1. ベトナムで主に話されている言語ヴェトナム語ヴィエトナム語越南語とも。表記にはクオック・グー用いる。

発音(?)

ベ↗トナムコ゜
IPA: /betonamugo/, [betonamɯŋo]
X-SAMPA: [betonamMNo]

翻訳


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