平仄とは? わかりやすく解説

平仄

読み方:ひょうそく

漢詩発声で、平声仄声意味する言葉。現在では、つじつま条理意味するつじつま合わせるという意味で「平仄を合わせる」という表現がある。

ひょう‐そく〔ヒヤウ‐〕【×仄】

読み方:ひょうそく

漢字平声(ひょうしょう)と仄声(そくせい)。→四声

漢詩近体詩における、平声字と仄声字の規則的な配列平仄法


平仄

読み方:ヒョウソク(hyousoku)

平と仄


平仄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 07:12 UTC 版)

平仄(ひょうそく、拼音: píngzè)とは、中国語における漢字音を、中古音の調類(声調による類別)にしたがって大きく二種類に分けたもの。漢詩で重視される発音上のルール。平は平声、仄は上声去声入声である。

概要

とは「傾いた」という意味であり、上・去・入声を一括して仄声とし平声と対立させた。なぜ上・去・入声を一括したかについては諸説あるが、民国周法高は論文「説平仄」(1948年)において7世紀までの梵字と漢字の対音資料をもとに平声は音節の長さが比較的長く、仄声は比較的短かったためと結論づけている。漢詩においては平声字と仄声字を交互に置くことによってリズムや音の調和を作り出した。

平仄は南北朝時代から駢文において重視され、後世のでも重要な要素であった。

日本語では一般に「平仄を整える」と言う使われ方をし、この場合はほぼ「てにをはを整える」の意味である。このほか「平仄する」という使われ方もするが、この場合の意味は「矛盾点を訂正する」程度の意味である。「平仄」にはつじつまとか条理という使われ方もあり、「平仄が合わない」というように否定的な意味で使っている。

近体詩の平仄

平仄とは「平」と「仄」の組み合わせであり、近体詩では最も重要な規範の一つである。漢詩では平声の脇に○、仄声の脇に●を記入し、平仄を明示することがある。例として杜甫の詩「春望」の一節を分析すると:

国破山河在
●●○○●
城春草木深
○○●●○

となっている。尚、「国」は現代中国語では第2声であるが、古代では入声であり、仄である。

具体的な規則については、近体詩の規則を参照すること。

ベトナム語の平仄

ベトナム語にも平仄が存在する。声調の 1.thanh ngang タィンガン [平調] (a) と 2.thanh huyền タィンフイェン [垂調] (à) が「 bằng(バン)」、3.thanh sắc タィンサッ(ク) [鋭調] (á)、4.thanh hỏi タィンホーイ [問調] (ả)、5.thanh ngã タィンガー [転調] (ã) および 6.thanh nặng タィンナン [重調] (ạ) が「 trắc(チャッ(ク))」である。更に細かく分類すると、1.thanh ngang [平調] と 2.thanh huyền [垂調] (a, à) が平声bình(ビン)」、4.thanh hỏi [問調] と 5.thanh ngã [転調] (ả, ã) が上声thượng(トゥオン)」、3.thanh sắc [鋭調] と 6.thanh nặng [重調] (á, ạ) が去声khứ(フー)」・入声nhập(ニャッ(プ)」となる[注釈 1]

脚注

注釈

  1. ^ 中国音韻学的に高低(陰陽)に分類すると、1.thanh ngang [平調], 4.thanh hỏi [問調], 3.thanh sắc [鋭調] (a, ả, á) が「高 (陰)」、2.thanh huyền [垂調], 5.thanh ngã [転調], 6.thanh nặng [重調] (à, ã, ạ) が「低 (陽)」となる為、1.thanh ngang [平調] (a) が「陰平声」、2.thanh huyền [垂調] (à) が「陽平声」、4.thanh hỏi [問調] (ả) が「陰上声」、5.thanh ngã [転調] (ã) が「陽上声」、3.thanh sắc [鋭調] (á) が「陰去声陰入声」、6.thanh nặng [重調] (ạ) が「陽去声陽入声」となる。但し、漢越音の声調に関しては、陽平声と陽去声(極一部)において、必ずしも全て理論的に当てはまる訳ではない(中古音にあった旧濁声母のうち、上声で次濁だったもの (子音 l, m, n, ng, nh, d[z/j], v で始まるもの)は、2.thanh huyền [垂調] (陽平声)ではなく、1.thanh ngang [平調] (陰平声)に、上声で全濁だったものの極一部は、濁上変去(6.thanh nặng [重調] (陽去声)に変化)せずに、5.thanh ngã [転調] (陽上声)になっている)。

参考文献


平仄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 14:00 UTC 版)

近体詩」の記事における「平仄」の解説

すべての漢字国字を除く)は、平声(平と略し、○で示す)又は仄声(仄と略し、●で示す)の何れか場合によっては両方)に属する(詳細は平仄を参照すること)。 六朝時代から隋唐期にかけて、美しく響く平仄の組み合わせとして、次のような規則確立した

※この「平仄」の解説は、「近体詩」の解説の一部です。
「平仄」を含む「近体詩」の記事については、「近体詩」の概要を参照ください。

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平仄

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 12:33 UTC 版)

名詞

(ひょうそく)

  1. 中国語における漢字音を、中古音の調類(声調による類別)により二種類大別したもの。漢詩重視される発音上のルール。平は平声、仄は上声去声入声

「平仄」の例文・使い方・用例・文例

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