仄声とは? わかりやすく解説

そく‐しょう〔‐シヤウ〕【×仄声】

読み方:そくしょう

そくせい(仄声)


そく‐せい【×仄声】

読み方:そくせい

漢字四声(しせい)のうち、上声(じょうしょう)・去声入声(にっしょう)の総称そくしょう。⇔平声(ひょうしょう)。


平仄

(仄声 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/10 16:00 UTC 版)

平仄(ひょうそく、拼音: píngzè)とは、中国語における漢字音を、中古音の調類(声調による類別)にしたがって大きく二種類に分けたもの。漢詩で重視される発音上のルール。平は平声、仄は上声去声入声である。

英語では、平声はlevel tone、仄声はoblique toneと訳される。

概要

とは「傾いた」という意味であり、上・去・入声を一括して仄声とし平声と対立させた。なぜ上・去・入声を一括したかについては諸説あるが、民国周法高は論文「説平仄」(1948年)において7世紀までの梵字と漢字の対音資料をもとに平声は音節の長さが比較的長く、仄声は比較的短かったためと結論づけている。漢詩においては平声字と仄声字を交互に置くことによってリズムや音の調和を作り出した。

平仄は南北朝時代から駢文において重視され、後世のでも重要な要素であった。

日本語では一般に「平仄を整える」と言う使われ方をし、この場合はほぼ「てにをはを整える」の意味である。このほか「平仄する」という使われ方もするが、この場合の意味は「矛盾点を訂正する」程度の意味である。「平仄」にはつじつまとか条理という使われ方もあり、「平仄が合わない」というように否定的な意味で使っている。

近体詩の平仄

平仄とは「平」と「仄」の組み合わせであり、近体詩では最も重要な規範の一つである。漢詩では平声の脇に○、仄声の脇に●を記入し、平仄を明示することがある。例として杜甫の詩「春望」の一節を分析すると:

国破山河在
●●○○●
城春草木深
○○●●○

となっている。尚、「国」は現代中国語では第2声であるが、古代では入声であり、仄である。

具体的な規則については、近体詩の規則を参照すること。

ベトナム語の平仄

ベトナム語にも平仄が存在する。声調の 1.thanh ngang タィンガン [平調] (a) と 2.thanh huyền タィンフイェン [垂調] (à) が「 bằng(バン)」、3.thanh sắc タィンサッ(ク) [鋭調] (á)、4.thanh hỏi タィンホーイ [問調] (ả)、5.thanh ngã タィンガー [転調] (ã) および 6.thanh nặng タィンナン [重調] (ạ) が「 trắc(チャッ(ク))」である。更に細かく分類すると、1.thanh ngang [平調] と 2.thanh huyền [垂調] (a, à) が平声bình(ビン)」、4.thanh hỏi [問調] と 5.thanh ngã [転調] (ả, ã) が上声thượng(トゥオン)」、3.thanh sắc [鋭調] と 6.thanh nặng [重調] (á, ạ) が去声khứ(フー)」・入声nhập(ニャッ(プ)」となる[注釈 1]

脚注

注釈

  1. ^ 音韻学的に高低(陰陽)に分類すると、1.thanh ngang [平調], 4.thanh hỏi [問調], 3.thanh sắc [鋭調] (a, ả, á) が「高 (陰)」、2.thanh huyền [垂調], 5.thanh ngã [転調], 6.thanh nặng [重調] (à, ã, ạ) が「低 (陽)」となる為、1.thanh ngang [平調] (a) が「陰平声」、2.thanh huyền [垂調] (à) が「陽平声」、4.thanh hỏi [問調] (ả) が「陰上声」、5.thanh ngã [転調] (ã) が「陽上声」、3.thanh sắc [鋭調] (á) が「陰去声陰入声」、6.thanh nặng [重調] (ạ) が「陽去声陽入声」となる。但し、漢越音の声調に関しては、陽平声と陽去声(極一部)において、必ずしも全て理論的に当てはまる訳ではない(中古音にあった旧濁声母のうち、上声で次濁だったもの (子音 l, m, n, ng, nh, d[z/j], v で始まるもの)は、2.thanh huyền [垂調] (陽平声)ではなく、1.thanh ngang [平調] (陰平声)に、上声で全濁だったものの極一部は、濁上変去(6.thanh nặng [重調] (陽去声)に変化)せずに、5.thanh ngã [転調] (陽上声)になっている)。

参考文献


仄声

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 09:25 UTC 版)

名詞

 そくせい

  1. 四声の内、上声去声入声総称

発音(?)

そ↗くせー

「仄声」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「仄声」の関連用語

1
仄字 デジタル大辞泉
100% |||||

2
平仄 デジタル大辞泉
100% |||||


4
デジタル大辞泉
78% |||||

5
孤平 デジタル大辞泉
78% |||||

6
平仄が合わない デジタル大辞泉
78% |||||

7
四声 デジタル大辞泉
70% |||||

8
平声 デジタル大辞泉
58% |||||



仄声のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



仄声のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの平仄 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの仄声 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS