語源(命名)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:22 UTC 版)
語源については諸説ある。1967年刊の日本国語大辞典では、漢字の「背広」は外国語の音を表すための当て字であるという説と、意味に由来する命名とする説があるが、外国語由来とする説が有力である、と説明された。幕末から明治初期にかけて「セビロ」というカタカナ表記が見られるようになり、一般には明治20年(1887年)頃から用いられたとされる。 語源については 英国ロンドンの高級紳士服店街「サヴィル・ロウ」(セビルロー)から変化したとする説。 市民服を意味する「civil clothes」から変化したとする説。 市民服を意味する「civil wear」から変化したとする説。 「背部(背の布パーツ)が広い服」の意。(紳士服の裁断された布パーツ群の中の背中部分の面積の大きさによる呼び分けだ、とする説については下の節で続きを説明。) 『背筋に縫い目がない(※注)ところから「背広」と呼ばれた』と主張する説。(※注)現代のスーツの背筋に縫い目はある。だが戦前期に多くの洋装に関する書籍を記した木村慶市(木村慶市はテーラーつまり紳士服職人。言語学者ではない)の1932年の書物では、「古い時代の仕立てでは背中の中央の縫い目がない」と指摘され(主張され)、「我が背広服の語源はモーニングの背の細く狭きに反し背広服の背は巾広き 以つて此名を附したること明かなり」と、述べられた(主張された)。 「sack coat」の訳語で「ゆったりした上衣」の意。 紳士服に用いられる良質の羊毛・服地を意味する「シェビオット(Cheviot)」から変化したとする説。 など複数あるが、外語由来とする説が有力である。杉本つとむは『増訂華英通語』に「ベスト(上着)」の意で「背心」、「new waistcoat」として「新背心」など、紳士服の訳語に「背」の字が使用される(ただし、sack coatの訳にはみえない)ことに注目し、中国語に由来するとの仮説を提示している。 裁断方式に関する、明治・大正期の、日本独特の、細かい呼び分けや分類法が関係して命名されている、とする説明 また、昭和初期ごろまでは裁断上の基本構造の区別により、折襟・詰襟の区別なく背広の語を用いていた。当時の日本におけるジャケットの裁断では前身頃を脇下まで一枚布でとることが一般的であり、一部の詰襟服(海軍服など)に限ってのみモーニングやフロックコートのように背中に食い込む形でサイバラを取ることがあったが、前者の裁断を行うもの(背中の生地を広くとるもの)を総じて背広と呼び、後者(背中の生地を狭くとり、サイバラを設けるもの)については達磨(ダルマ)やジャケツと呼称した。たとえば帝国大学の制服は詰襟であったが、前者の裁断方式をとったため制服制定に関する上申書においても「背広形但建襟」と表記されている。また、山田東明『洋服裁縫新書』における説明では「是は脊廣不断着に致しまして、服装には片前、両前、竪衿、折衿、返り衿等いろ/\あります」とあり、テーラードカラーのものは背広の単なる一形態として認識されていたことがうかがえる。
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語源
「語源」の例文・使い方・用例・文例
- 語源の不明な語
- ヴァートという競技の語源は「垂直」である。
- 下線の単語と同じ語源の単語を使ってこれらの文章を完成させる
- これらの語は同じ語源から出ている。
- 英語の “October" (10 月)は 8 を意味するラテン語 “octo" が語源である.
- 語源辞典.
- ある語の語源[民族の歴史]を明らかにする.
- 「ズボン」の語源はフランス語です.
- この言葉の語源は明らかでない.
- 日本語の語源は仏教が多い
- 語源を探る
- 語源学者
- 語源を研究する
- 語源か派生を与えるか、あるいは語源(単語用の)を示唆する
- 言語学者は、おそらく語の語源を誤って調べただろう
- 彼がこれの経験はないが、彼の趣味は語源の研究である
- 語源に基づいている、または、に属するさま
- 私は、単に語源的な区別を描いただけであった
- 音声学と儀式禁止命令と言語学と文法と語源と辞書編纂と作詩法と天文学と占星術による紀元前5、4世紀の取引からのベーダ語テキスト
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