裁縫とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 服飾 > 裁縫 > 裁縫 > 裁縫の意味・解説 

さい‐ほう【裁縫】

読み方:さいほう

[名](スル)布地裁って衣服などに縫いあげること。針仕事お針。「—箱」

裁縫の画像
(1)から巻棒、絎台絎台金具仕付糸、針刺掛針絎台金具待針縫針
裁縫の画像
(1)から仕上げ布団、鏝台、丸鏝、笹鏝、鏝釜
裁縫の画像 裁縫の画像

さいほう 【裁縫】

裁縫は技をともなう仕事であるから日本では正月縫初針供養など、宗教的な行事生んだ裁ちといって米や鰹節供えてから裁ち始め風習もあった。産着出産前に縫うものではないとか、死者着物その日買った布でハサミ使わず大勢縫い糸尻は結ばないなど、ふだんと違う仕方があった。→ 針供養

裁縫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 15:26 UTC 版)

着物を縫う座る女性、歌川国芳 貞操千代の鑑 智、19世紀初頭。異なる文化により、生地の裁断方法からステッチの種類に至るまで、多様な縫製技術が発展してきました。

裁縫(さいほう)は、などを裁ち(裁断)、縫う(縫合)こと。手芸のうちなどを使ってを縫い衣服などを制作する行為(広義の家事)。縫いもの針仕事ともいう。マジックペンの使用や布を縛ることも裁縫の一部として知られている[1]

作業者は、針子お針子、江戸時代には針妙(しんみょう)と呼ばれた。

概要

「裁縫」は糸や布を用いた手仕事のことをいう[1]飯塚信雄は「裁縫」と「手芸」の違いについて、裁縫(針仕事)は純粋に機能性を求めるのに対し、手芸は機能性とともに装飾性を求める点で異なるとしているが、一方で手芸の場合は必ずしも針仕事に限られないという違いもある[1]。なお、日本語の「手芸」と「裁縫」の関係については、1895年(明治28年)高等女学校規程で裁縫が実生活の観点から必須科目、手芸が「勤勉ヲ好ムノ習慣ヲ養フ」観点から随意科目に編入され、目的の異なる科目として成立した経緯がある[1]

裁縫は、簡単なものでは取れてしまったボタンを取り付け直したり、またはほつれてしまった部分を直すことであるが、手芸として高度化すると布から衣服を作り上げたり、ぬいぐるみなどの玩具に至るまで布製の物品を作ることも対象となる。

衣服を制作する行為を仕立てともいい、日本においては、和裁和服を作ること)と洋裁洋服を作ること)とがある。

歴史

多くの文化で、石器時代には縫物をしていた形跡が見られた。骨やシカの角、木材から針が作られ、動物の健・消化器カットグット・植物のツタなどが紐として縫物が行われていた[2]

機械化以前は衣服は貴重品であり、針仕事は衣服を長持ちさせる重要な仕事であった。長い間、女性の仕事であり、日本でもヨーロッパでも針箱・裁縫道具が嫁入り道具であった[3][4]

技術

裁縫の技術は一朝一夕に身に付くものではなく、技能の学習と訓練が必要である。このため義務教育などでは家庭科の範疇でこういった作業に関する教育が行われるほか、専門学校などではこれを専門に教えるところや、被服科などの特別なカリキュラムも存在する。大学などでは、被服学あるいは被服構成学の一部として教授される場合がある。また布はく縫製技能士のような技能試験による資格も存在する。

手縫い

裁縫(針仕事)には、糸、布、針などを用いる。こういった裁縫道具などを収めるのことを裁縫箱という。簡単な「ソーイングキット」(最低限の道具をセットにした裁縫セット)も販売されている。

基本的な縫製手法を基礎縫いという。

  • 縫い方
    • 本縫い(ぐし縫い) - 布を縫い合わせるときなどに用いる一般的な方法[5]
    • 本返し縫い
    • 半返し縫い - 一針進んだ半分の長さを返りながら縫い進む方法[5]
    • かがり縫い
    • まつり縫い
  • 糸の処理
    • 玉結び - 親指と人差し指で糸端を持って、人差し指で輪を作りながら指先から外して糸玉を作る方法[5]
    • 玉どめ - 縫い終わりの縫い目に縫い針を直角に当てて糸を巻き付けて引き抜き糸玉を作ってとめる方法[5]
技術

機械化

ミシンなど裁縫を支援する機械も発達しており、こと先進国で利用されているミシンの中には20世紀末頃よりコンピュータを内蔵した多機能化・高性能化した機器も登場している。これらミシンは家庭から縫製工場まで、様々な製品が様々な用途に用いられ、様々な縫製品を作り出している。

現在は自動化が進行しており、自動検反システム、自動裁断システム、自動袖付けミシン、自動ボタン付けミシン、自動縫製システムなどが使われるようになって、裁縫は労働集約的では無くなってきている[6]

大規模な縫製工場ではロボット化により裁縫に人間が関わらないこともある[7]

裁縫と技能資格

趣味

趣味や身嗜みとして積極的に裁縫を好む者もいる。世界各地で余暇的・趣味的仕事とみられていたものが、アート、フェアトレード商品、エスニック雑貨などとして美術市場や商品市場の領域にも進出するなど、従来の手芸の概念では捉えきれない展開がみられる[8]

施設

オランダでは、女性囚人用の刑務所をスピンハウスオランダ語版と呼び、更生のため強制労働を行う裁縫場が設けられた。アムステルダム女性懲治場オランダ語版(Spinhuis)が有名。

脚注

  1. ^ a b c d 笹本(山崎)明子「明治国家における女性役割と「手芸」」『千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書』第8号、千葉大学大学院社会文化科学研究科、1998年、1-15頁、ISSN 2434-8473NAID 1200059082602021=04-01閲覧 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。 
  2. ^ Hand Embroidery Stitches and Stitch Families” (英語). Sarah's Hand Embroidery Tutorials. 2022年7月10日閲覧。
  3. ^ 針箱[ハリバコ]”. www.city.iwakura.aichi.jp. 2022年7月10日閲覧。
  4. ^ Whiting, Gertrude (1971年). “Old-time tools and toys of needlework”. New York, Dover Publications. 2022年7月10日閲覧。
  5. ^ a b c d 基礎縫い 愛知和服裁縫業協同組合、2020年12月26日閲覧。
  6. ^ ミシン縫製工 H558 06~09 ハローワークインターネットサービス
  7. ^ ロボット化進む縫製工場 勝者は米国、敗者は? - WSJ
  8. ^ 上羽陽子「手芸とはなにか―余暇的・趣味的仕事の分析から」 民博通信 2016年 No.152 2020年12月26日閲覧。

関連項目

  • 和裁 - 日本の伝統的な裁縫。
  • 洋裁 - 和裁の対義語。
  • 編み物 - 趣味としての裁縫(縫いもの)としばしば並列される。
  • 刺繍 - 布と糸で意匠を凝らす装飾技法。
  • 手袋 - 各種縫製手法が記述されている。
  • 自衛官 - 階級章や部隊ごとのワッペンを制服に縫い付ける作業が多いため、入隊時に裁縫道具を携行することが求められる。
  • ドレスメイカー英語版
  • オナガサイホウチョウ - クモの糸で葉を袋状に縫い合わて土台を作りその中に巣を架けることからこの名が付いた。
  • もったいない - 再使用
    かつて布製品が貴重だった時代には、着古した衣服から更に衣類を作り、それでも古くなったらおしめや雑巾・手拭などに作り替え、徹底的に再利用して資源を無駄なく利用していた。日本でも21世紀に入り、循環型社会などでこういった家庭内で可能な資源循環も見直されている。

裁縫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/28 08:13 UTC 版)

エバープラネット」の記事における「裁縫」の解説

薬草煮詰めた染料使いアーチャーマジシャンローグ防具作ることができる。

※この「裁縫」の解説は、「エバープラネット」の解説の一部です。
「裁縫」を含む「エバープラネット」の記事については、「エバープラネット」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「裁縫」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

裁縫

出典:『Wiktionary』 (2021/08/13 10:17 UTC 版)

名詞

さいほう

  1. 布地裁って衣服などに縫い上げること。

動詞

活用

サ行変格活用
裁縫-する

「裁縫」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



裁縫と同じ種類の言葉


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「裁縫」の関連用語

裁縫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



裁縫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの裁縫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのエバープラネット (改訂履歴)、ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの裁縫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS