語源とその世界観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 05:11 UTC 版)
英語で法則のことを「law」と言うが、これはlay(置く、整える)の過去分詞だ、という。神によって置かれたもの、整えられたこと、ということである。ドイツ語の場合は、さらに分かりやすく「Gesetz」と言い、setzen(英語で言うところのset、セット)されたもの、と表現する。つまり、神によってセットされたものが法則、と見なされているのである。 このような表現が生まれる背景となっている世界観についてさらに説明すると、スコラ哲学の時代においては一般に、「神は二つの書物をお書きになった」、「神は、聖書という書物と、自然という書物をお書きになった」と考えられていた。 聖書を読めば神の意図を知ることができるとされ、また同時に、ちょうど時計というものをじっくり観察すれば、その時計を作った時計職人の意図を推し量ることも可能であるように、「神がお書きになったもうひとつの書物である自然」を読むことも神の意図や目論見を知る上で大切だ、と考えられた。 自然界も人間界も、同じく「法」に則って支配されると見なされたことがわかる。これが後世、分離した。
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