屈折


屈折(くっせつ、英: refraction[1])とは、界面において、波(波動)が進行方向を変えることである。異なる媒質を通るときに、波の周波数が変わらずに進む速度が変わるため進行方向が変わる(エネルギー保存の法則や運動量保存の法則による)[疑問点 ]。
光の屈折がもっとも身近な例であるが、例えば音波や水の波動も屈折する。波が進行方向を変える度合いとしてはホイヘンスの原理を使ったスネルの法則が成り立つ[2]。部分的に反射する振る舞いはフレネルの式で表される。なぜ光が屈折するかについては、量子力学的にファインマンの経路積分によって説明される[3][4]。
概要

例えば、光線がガラスを通ると、屈折して曲がっているように見えるが、これはガラスが空気と異なる屈折率を持っているためである。ガラスの表面に対して垂直に光が入射した場合、光の進行方向は変わらず、速度だけが変化するが、厳密にはこの場合も屈折という。
左の図のように、水中に差し込んだ棒が上方に曲がって見える現象は光の屈折で説明できる。空気の屈折率は約1.0003、水の屈折率は約1.3330と異なるため、水から反射した光は屈折して目に届く。つまり図の棒上のxに由来する光が水面で屈折を起こすため、Xの見かけ上の位置はYになる。これが水中の棒が実際より上方にあるように見せる。
屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入るときに、入射光が境界面を屈折せず、すべて反射することを全反射という。この原理は光ファイバー等に使われる[2]。等方的な媒質から異方的な媒質へ波が進む場合は、複屈折を起こす[7]。
スネルの法則

スネルの法則は二つの媒質中を進行する波の伝播速度と、入射角・屈折角の関係を表した法則。媒質Aにおける波の速度を 虹、蜃気楼、幻日、逃げ水のほか、日没や日の出の時刻が天文学上の計算からずれるという形で現れる。音波の例としては、特定の天候に限って遠方の鉄道などの音がはっきり聞こえるというものがある。これは上空に逆転層が生じ、低温の空気では音速が下がるため、いったん上空に向かって進んだ音波が屈折し、再び地上に戻ってくると説明される[2]。
応用機器
脚注
関連項目
外部リンク
光の屈折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:42 UTC 版)
水面の物理的特性として、光の屈折が挙げられる。光が空気から水へ進入する、もしくはその逆に進行する場合、波長の違いに応じて一定の角度で水面で光の筋が折れ曲がる。また、水中から水面に対して極めて浅い角度で光が進入したとき、全反射と呼ばれる現象が起こる。 したがって波が起きる要素の少ない条件下では、水面は優れた鏡となる。水面に物の像が映って見えることを指して水鏡(みずかがみ、すいきょう)と言う。あるいはまた、そのような映し鏡を見ることをも指して言う。 自然界でも、特に風のない時の湖沼の水面は鏡となって景色を映し出す。たとえば富士山の姿が富士五湖に写った逆さ富士は浮世絵や写真の素材としてよく知られる。
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