かい‐せつ〔クワイ‐〕【回折】
回折
回折
光が絞り羽根のふちをまわり込んで解像力が低下する現象。絞り込んで、絞り穴の直径が小さくなればなるほど、この回折現象が起きやすい。このため、特別の理由がなければあまり絞りすぎないことで回折を防ぎ、解像力を高めるのがふつうの撮影法である。とくにデジタルカメラでは、撮像素子(イメージセンサー)が35mm判よりもかなり小さいため、回折現象が目立つ。このため撮像素子の小さなコンパクトデジタルカメラでは絞りすぎないようにF8などの絞り値にとどめてある。APSサイズの撮像素子でも、最小絞りなど絞り込みすぎると回折の影響で解像度が低下する。ただ、回折現象は利用の仕方によってはレンズ性能を向上できることもある。
→ 回折素子レンズ 参照
回折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/21 00:15 UTC 版)
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回折(かいせつ、英: diffraction)とは、媒質や空間を伝わる波が、障害物の背後など、一見すると幾何学的には到達できない領域に回り込んで伝わっていく現象のことを言う。
1665年にイタリアの数学者・物理学者であったフランチェスコ・マリア・グリマルディにより初めて報告された。
障害物に対して波長が大きいほど回折角(障害物の背後に回り込む角度)は大きい。
回折は音波、水の波、電磁波(可視光やX線など)を含むあらゆる波について起こる。単色光を十分に狭いスリットに通しスクリーンに当てると回折によって光のあたる範囲が広がる。また、スリットが複数の場合や単一でも波長より広い場合、干渉によって縞模様ができる。この現象は、量子性が顕著となる粒子のビーム(例:電子線、中性子線など)でも起こる(参照:物質波)。
結晶回折
電子線や中性子線などを結晶などに当てて得られる回折図形から結晶構造の解析を行うことができる。これは電磁波であるX線でも同様な結晶構造の解析を行うことができる。それぞれ電子回折法、中性子回折法、X線回折法として結晶構造の解析手法が確立されている。
写真撮影
写真撮影においても、絞りを小さく絞ると光の回折現象により画像の鮮明さが低下する。この現象については「小絞りボケ」の項を参照されたい。
レーザーの伝播
レーザーは伝播する際に、回折によりその変化の仕方が決まる。レーザーの出力ミラーが開口部になっており、その開口部によって光線の形は決定される。それ故に、出力の光線が小さいほど光線は早く分岐することになる。ダイオードのレーザーがHe-Neレーザーよりも大きく分かれるのはこれが原因である。 しかし逆に、このレーザーの放散は抑えることができる。まずレーザー光を、凸レンズを用いて拡張させる。次に二つ目の凸レンズでレーザー光を平行になおす。このとき焦点は一つ目のレンズに合うようにする。この結果、レーザーの開口部が大きくなるので、光線の放散は抑えられる。
回折格子
回折格子は、標準的な回折の可視的要素である。格子により回折が起こった光の形は、格子の成分の構造と数によって決まるが、すべての縞には限界強度が存在し、角度 要購読契約)
関連項目
- 回折格子
- ホイヘンス=フレネルの原理
- フレネル回折
- フラウンホーファー回折
- 干渉
- 光
- 回折レンズ
- 二重スリット実験
- 小絞りボケ
- 回折スパイク、エアリーディスク
回折
「回折」の例文・使い方・用例・文例
- プリズムは光を回折する。
- その企業では回折限界を克服するレンズを開発している。
- 回折する
- レーザー光線は電子を回折する
- 8丁を形成するために紙を3回折ることで作られるページのある本のサイズ
- 1枚の紙を2回折って4枚の紙片を作ることによりできるページをもつ本のサイズ
- 英国の物理学者(ジョセフ・ジョン・トムソンの息子)で、結晶による電子の回折の共同発見者(1892年−1975年)
- 光の干渉と回折によって生じられる明るいか暗いバンドのうちの1つ
- 回折格子の隣合うスリットの中心から中心までの長さ
- ビショップ環という,高層の火山灰で太陽光が回折されて現れる光冠現象
- 波動が回折する現象
- 回折格子という,光のスペクトルを得る装置
- 高速の電子線による回折現象
回折と同じ種類の言葉
品詞の分類
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