さどう‐かいてん〔‐クワイテン〕【差動回転】
差動回転 differential rotation
差動回転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 14:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動差動回転(さどうかいてん、differential rotation)とは、主に天文学で、天体の各部分が異なる角速度で回転する様子を指す言葉である。微分回転とも言う。これに対して各部分が同じ角速度で一体となって回転することを剛体回転と呼ぶ。
流体や質点系と見なせる天体には差動回転しているものが多い。例として、ブラックホールや中性子星などのコンパクト天体を取り巻く降着円盤や、円盤銀河、原始星の周りの原始惑星系円盤などが挙げられる。これらの天体は中心に近いほど大きな角速度で回転している。降着円盤では差動回転のために円盤を構成するガス同士の粘性で摩擦熱が発生して高温に加熱され、X線やガンマ線を放射している。
また、太陽や木星・土星などのガス惑星も差動回転していることが知られている。これらの天体では緯度によって自転周期が異なっている。
関連項目
差動回転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:01 UTC 版)
太陽内部の物質は極端な高温のために全てプラズマの状態にあるとされる。このように剛体でないため、太陽は赤道付近の方が高緯度の領域よりも速く自転し、周期は赤道部分で約25日(地球上の観測では地球公転運動の影響から27日となる)、極近くでは約30日である。この太陽の赤道加速型「差動回転」(または「微分回転」)のために、太陽の磁力線は時間とともにねじれていくことになる。ねじれて変形した磁力線はやがて磁場のループを作って太陽表面から外へ飛び出して、太陽黒点や紅炎(プロミネンス)を作ったり、太陽フレアと呼ばれる爆発現象を引き起こしたりする。この天体現象については地球からの観察に限って言うと、日食の間であれば比較的観察しやすい条件下にある。
※この「差動回転」の解説は、「太陽」の解説の一部です。
「差動回転」を含む「太陽」の記事については、「太陽」の概要を参照ください。
- 差動回転のページへのリンク