赤道
「赤道(あかみち)」とは
「赤道(あかみち)」とは、建築・不動産の用語で、かつて道路として利用されていた土地が道路としての機能を失い、番地のない無籍地となっている土地のことである。里道ともいう。赤道の多くは明治・大正時代まで細路地、農道、けもの道などとして用いられてきた道である。大正時代に「道路法」が施行された際に公道として管理下に置かれなかった道や、昭和時代に「建築基準法」が施行された際に道路としての要件を満たさず取り残された道などが、赤道として残っていることが多い。
赤道は、旧来の公図において赤色に塗られて示されていた。そのため「赤道」と呼ばれている。赤道と同様、かつて河川や水路として利用されていた土地は「青道」と呼ばれている。青色で塗られて示されていたためである。
定義上、私道は赤道にならないため、赤道はすべて公有地ということになる。 将来また道路として使う等の予定がない赤道は、所定の手続きを取れば払い下げてもらえる場合も多い。
「赤道(せきどう)」とは
「赤道(せきどう)」とは、測地学の天文学の用語で、緯度0度で示され、地球を南半球と北半球に分ける仮想的な線のことである。赤道を縁とする平面は地球の自転軸に対して直交し、その平面の中心点は地球の中心と一致する。赤道上の地表面は、地球上で太陽に最も近い地表面であるといえる。赤道に近ければ近いほど、太陽からの単位面積当たりの入射量が多くなる。そのため、地球上で赤道に近い地域は気温が高くなり、暑い。赤道から離れた地域は寒い。
赤道付近の地域は年間を通して暖かく、季節の変化は少ない。赤道から離れた地域は太陽の照射時間の差が大きくなるため、季節の変化も大きくなりやすい。
赤道と黄道
地上から見て太陽が天空を周回する軌道を「黄道」という。赤道と黄道は同一ではない。赤道は地球の自転軸を二分する位置に固定された線である。黄道は、わずかではあるが位置や傾斜角が毎年変化する。赤道が通る国
・サントメ・プリンシペ・ガボン
・コンゴ民主共和国
・ウガンダ
・ケニア
・ソマリア
・インドネシア
・エクアドル
・コロンビア
・ブラジル
・モルディブ
・キリバス
「赤道儀」とは
「赤道儀」とは、天体望遠鏡の筒を支持する架台の一種で、天体の日周運動に合わせて天体望遠鏡を動かせる、天体の追跡に適した架台のことである。「地球儀」とは全くの別物である。せき‐どう〔‐ダウ〕【赤道】
〒904-2245 沖縄県うるま市赤道
赤道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/30 05:56 UTC 版)
赤道(せきどう、英語: Equator、スペイン語: Ecuador、ポルトガル語: Equador)とは、自転する天体の重心を通り、天体の自転軸に垂直な平面が天体表面を切断する理論上の線である。緯度の基準の1つであり、緯度0度を示す。緯線の中で唯一の大円である。天体の赤道より北を北半球、南を南半球と言う。また、天文学では赤道が作る面(赤道面)と天球が交わってできる円のことを赤道(天の赤道)と呼ぶ。天の赤道は恒星や惑星の天球上の位置(赤緯、赤経)を決める基準にされる。
以下、特に断らない限り地球の赤道について述べる。
概要

「赤道」という言葉は、古代中国の天文学において、太陽が真上を通るとされる地点を天球図で表現する際に、赤い線を用いたことが由来である。
英語他の欧州言語においては、天体の回転対称な中心線はその表面上に想定される大円であることから、中世ラテン語での circulus aequator diei et noctis(昼と夜を均等にする円)から aequator に由来する。ラテン語 aequare(均等にする)からの言葉である。
地球の赤道の全周長は約40,075 km。春分と秋分の年2回、太陽が真上に来る。
赤道上は世界で唯一、太陽が天頂から天底までまっすぐに沈む場所である。そしてそのような場所は理論上、昼の長さと夜の長さが、共に1年を通じて12時間である。しかし実際は大気が太陽光を屈折させるので、2、3分のずれが出る。
かなり厳密に言うと、赤道は理論通りの位置にきっちり固定されているわけではない。実際の赤道面は常に必ず地球の自転軸に垂直をなしているものである。自転軸は、“比較的”安定であるが、極運動という現象によって、自転軸は1年かけて半径約9メートルの円を描く。このため、赤道面も赤道も、僅かながら動く。しかし、この移動は繊細な科学調査にのみ関係する程度の、わずかな移動である。
地球で最も気温の高い地域を熱赤道と言う。熱赤道は公転軸に対して地軸が傾いているため移動し、この結果、季節が生ずる。北半球が冬の時期は赤道付近にあるものの、夏になると北緯20度付近にまで移動する。
航海中に赤道を通過する際には「赤道祭」(せきどうさい)と呼ばれる祭りが船上で行われる[1]。
赤道と気候
赤道上は年間を通じた日射量(面積あたりの日射量)が最も大きい。そのため温暖で、強い上昇気流を生じている。この上昇気流のため低気圧地帯(熱帯収束帯)を生じ、雨量の豊富な熱帯の気候を形成している。
また、赤道付近の上昇気流は激しい渦巻き気流を伴った熱帯低気圧となり、台風やサイクロン、ハリケーンなどとして、赤道から南北へと波及することがある。
ロケットの打ち上げとの関係
赤道の近くは宇宙機を東向きに打上げるロケットの射場に向いている。赤道は地球の自転によって地球上で一番速く東向きに動いており、東へと打ち上げる場合には、その速度を利用することによって(地球から宇宙へ投げる形になる)、静止軌道に投下する静止衛星の打ち上げ燃料が節約できる。赤道に近い位置に射場を建設した例として、フランス領ギアナのギアナ宇宙センター(北緯5度3分)や鹿児島県の種子島宇宙センター(北緯30度24分、計画当時日本の最南端に近かった。21世紀の現在では沖縄県が最適)等が挙げられる。
比較的高い軌道で、かつ大型の商業衛星の需要が多いため、高性能な商業ロケットの最適化対象である静止軌道の周辺、あるいは特に種別を問わず、衛星軌道に上げたいといった場合には、赤道付近からの打ち上げに優位性がある。逆に、軌道傾斜角の大きな軌道に向けた打上げには優位性が薄い。偵察衛星や地球観測衛星に用いられる軌道傾斜角が90度より大きい太陽同期軌道や、赤道傾斜角の約23.4度ほど傾いた惑星の公転面に合わせる惑星間軌道への投入には、両極付近や中緯度の射場が適している。
通過する地域一覧
赤道は、本初子午線から東に向かって以下の場所を通っている。
通過する国

以下の14か国は領土(領海)に赤道が通る。赤道直下の国とも表現する。首都が赤道から緯度1度未満の国は5か国あり、その中でエクアドルのキトが赤道に最も近く南緯0度19分(距離にして40 km未満)である。
- サントメ・プリンシペ
- ガボン
- コンゴ共和国
- コンゴ民主共和国
- ウガンダ
- ケニア
- ソマリア
- インドネシア
- エクアドル(スペイン語で「赤道」という意味)
- コロンビア
- ブラジル
- モルディブ
- キリバス
- アメリカ合衆国(合衆国領有小離島のジャーヴィス島が赤道のすぐ南にある)
赤道ギニアはその名前にもかかわらず赤道が通らないが、赤道を挟んでアンノボン島も領土である。
下記の国は、赤道が海上の国境となっている。
赤道に近い首都
赤道に近い首都を以下に一覧する(北緯・南緯とも2度以内)。緯度1度は60分で約111 kmである。
首都 | 国 | 緯度 | 標高 | 人口 (統計年) |
---|---|---|---|---|
サントメ | サントメ・プリンシペ | 北緯0度20分10秒 | 137 m | 6万7000 (2012年) |
リーブルヴィル | ガボン | 北緯0度23分24秒 | 12 m | 70万3904 (2013年) |
カンパラ | ウガンダ | 北緯0度18分49秒 | 1190 m | 165万9600 (2011年) |
ナイロビ | ケニア | 北緯1度17分 | 1661 m | 313万8369 (2009年) |
シンガポール | シンガポール | 北緯1度17分 | 15 m以下 | 561万2300 (2017年) |
ヤレン | ナウル | 南緯0度32分51秒 | 25 m | 747 (2011年) |
タラワ | キリバス | 北緯1度20分 | 3 m | 5万6284 (2010年) |
キト | エクアドル | 南緯0度13分 | 2850 m | 267万1191 (2014年) |
脚注
出典
- ^ “コトバンク/赤道祭 (日本大百科全書)”. 2018年2月22日閲覧。
関連項目
赤道
出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 14:14 UTC 版)
名詞: 日本語
語源
発音(?)
- せ↗きどー
関連語: 日本語
翻訳
- アイスランド語: miðbaugur (is)
- アラビア語: خط الاستواء (ar) (HaTT al-istiwaa') 男性
- アルメニア語: հասարակած (hy) (hasarakaç)
- イタリア語: equatore (it) 男性
- ウクライナ語: екватор (uk) 男性
- 英語: equator (en)
- エストニア語: ekvaator (et)
- エスペラント: ekvatoro (eo)
- オランダ語: evenaar (nl) 男性, equator (nl) 男性
- カタルーニャ語: equador (ca) 男性
- ギリシア語: ισημερινός (el) (isimerinós) 男性
- スウェーデン語: ekvator (sv) 通性
- スペイン語: ecuador (es) 男性
- セルビア・クロアチア語:
- チェコ語: rovník (cs) 男性
- テルグ語: భూమధ్య రేఖ (bhoomadya rEkha)
- ドイツ語: Äquator (de) 男性
- トルコ語: Ekvator (tr)
- ハンガリー語: Egyenlítő (hu)
- ヒンディー語: भूमध्य रेखा (hi) (bhūmadhya rēkhā)
- フィンランド語: päiväntasaaja (fi)
- フランス語: équateur (fr) 男性
- ブルガリア語: екватор (bg) (ekvátor) 男性
- ベラルーシ語: экватар (be) (ekvátar) 男性
- ペルシア語: خطّ استُوا (fa) (khatte ostovā)
- ポルトガル語: equador (pt) 男性
- マケドニア語: екватор (mk) (ekvátor) 男性
- マレー語: khatulistiwa (ms)
- ロシア語: экватор (ru) (ekvátor) 男性
参考文献
「赤道」の例文・使い方・用例・文例
- 赤道では
- その市はほぼ正確に赤道上にある
- ほぼ赤道直下にあるシンガポールでは、雨季・乾季があまり明瞭ではない。
- 赤道における経度1度当たりの長さ。
- 太陽熱は、他のどのエネルギー源より大きな希望を抱かせるが、それには特に、水が最も不足する地帯が赤道におおむね近く、空気も比較的きれいだという理由もある。
- 船は今夜赤道を越すだろう。
- 赤道近くの狭い地域にある熱帯雨林は、急速にその姿を消しつつあり、2000年までにはその80%が消滅してしまうかもしれない。
- 赤道は地球を二つの半球に分ける。
- その船は昨日赤道を越えた。
- その国の首都は赤道下にある。
- オーストラリアへの旅で初めて赤道を超えた。
- エクアドルのキトは赤道のすぐ南にある。
- (赤道付近の)無風帯.
- 赤道を横切る.
- (赤道に近い)低緯度地方.
- 赤道を通過する.
- ロケットは赤道に対して 31 度の傾斜で発射された.
- 赤道は地球上一番暑い所と思われがちだが, それは間違いだ.
- 地球の赤道面の直径は両極間の直径より 40 キロ余り長い.
- 船が赤道を横切る
赤道と同じ種類の言葉
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