メラネシアとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > メラネシアの意味・解説 

メラネシア【Melanesia】

読み方:めらねしあ

太平洋南西部赤道の南、東経180度の西の区域島々。ソロモン・ニューカレドニア・フィジーなどの諸島があり、住民パプア族とメラネシア族が多い。独立国はナウル・フィジー・パプアニューギニア・ソロモン諸島・ツバル・キリバス・バヌアツなど。


メラネシア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/25 23:13 UTC 版)

メラネシア。伝統的なコア・メラネシアと呼ばれる部分は濃い緑色で、広域のメラネシアは黄緑で示されている。なお、小さな島が見やすいように薄い緑色の影をつけてある。

メラネシア(Melanesia)は、オセアニアの海洋部の分類の一つ。 概ね赤道以南、東経180度以西にある島々の総称。オーストラリア大陸より北-北東に位置する。ギリシャ語μέλας メラス「黒い」+ νῆσος ネソス「島」から「黒い(皮膚の黒い人々が住む)島々」の意味である。

概要

メラネシアという用語は1832年フランスの海軍提督ジュール・デュモン・デュルヴィル(Jules Dumont d'Urville)が、ポリネシアミクロネシアとは違うこの地域の民族的・地理的分類のために使い始めた。今日では文化的・言語的・遺伝的多様性を正しく反映していないことからデュルヴィルの民族区分は不正確とされている。しかし、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ、フランス領ニューカレドニアなどの国民は「メラネシア」という言葉を、植民地の歴史を共有し、共通した地域問題を抱える彼ら自身を表現するものとして使っている。

2017年の人口は推計で約1400万人である。 また、メラネシアに含まれる国と地域、人口は以下の通りである。

主権国家
フランス
インドネシア

歴史

メラネシアの民族集団は大きくオーストロネシア語族パプア諸語の話者に分かれている。メラネシアの先住民はおそらく今日のパプア系の祖先に当たる人たちであったと考えられる。彼らは数万年前にニューギニア島を占め、放射性炭素年代測定によれば少なくとも3万5千年前にはメラネシアの島々、おそらく一番東はソロモン諸島やその東の小さな島々にまで到達した。そのことは、同時代の遺跡からニューギニア原産の有袋類(クスクス)や黒曜石などが多数発見されていることから推定できる。

約4000年前、ニューギニア北部やニューギニア東方の島々において、オーストロネシア語族の人々が先住のパプア系の人々と接触したと思われる。こうした接触は長期間にわたったため、言語や文化、遺伝形質などが複雑に交じり合う変化が生じた。また、メラネシアで生じたこれらの混血の集団の中から、少人数の集団がさらに東に海を渡り、ポリネシアを形成したと思われる。また、メラネシアの中には、ポリネシア文化を保持する地域が飛び地のように点々としており、域外ポリネシア(Polynesian Outlier)と呼ばれている。

地理

赤道付近から南回帰線の海域ぐらいまで、島々が集中している。

自然
島々は、火山島(今も噴火し続けている島もある)とサンゴ島などから構成されている。大きな島は火山活動によってできた島である。この地域には、ゴンドワナ大陸時代の古大陸性地殻によってできた「陸島」とよばれる大きい島が多く、歴史も古く比較的資源に富んでいる。また、地形も多様である。山地では標高2000メートル以上の山が多い。例としては、ニューギニア島の最高峰プンチャック・ジャヤは標高約4900メートルである。
陸島の沿岸部ではサンゴ礁マングローブが繁殖し、低地では熱帯雨林ヤシ林で茂っている。ニューギニア島の少し高いところでは、ナラシイブナなどの寒冷に強い種が繁茂している。しかし、原生林の多くはヨーロッパ人による植民政策進行以来伐採されてしまい、現在の森林は二次林である。
動物相は豊かだが、哺乳類の種類は少なく、鳥類有袋類の種類は多い。この傾向は、メラネシア・ポリネシア全域同様である。主な理由としては、長い期間海によって大陸から隔てられてきたことが考えられる。
気候
熱帯圏に属している。年平均気温は高く、1年を通じて暖かい。
降水量は島の種類(火山島・サンゴ礁)や位置によって変化が激しく、年間通じても同様である[7]

メラネシア人

メラネシアという名前の由来の通り、肌の色はアフリカの「黒人」と同様かなり濃い色をしている。そのためかつてはアフリカとは遠く離れているものの、ネグロイド(黒人)に分類されることが多かった。

しかしながら髪の毛は「黒人」同様巻き毛ながら強く逆立ち、特徴的でまた異なった人種的特徴を持っている。現在ではオーストラロイドに分類される。遺伝学的にも黒人とは異なる集団である。

文化

メラネシアでは根菜農耕でヤム芋やタロイモなどの芋類を栽培し、主食としている。

言語

英語フランス語ピジンなどが公用語となっているほか、以下のような多様な言語が使用されている。

カヴァの儀式

部族間の和解で不戦の誓いとしてカヴァの儀式が行われてきた歴史があり、歓迎の儀式となりメラネシアなどの太平洋島嶼地域に残されている[8]

脚注

  1. ^ City Population[リンク切れ]閲覧日:2017年1月29日
  2. ^ City Population閲覧日:2017年1月29日
  3. ^ City Population閲覧日:2017年1月29日
  4. ^ City Population閲覧日:2017年1月29日
  5. ^ City Population閲覧日:2017年1月29日
  6. ^ City Population閲覧日:2017年1月29日
  7. ^ この節全体、小野林太郎「気候と自然」/吉岡政徳・石森大和編著『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』明石書房 2010年 23-24ページ
  8. ^ 日本と太平洋の島国 (外務省) 2021年10月31日閲覧

関連項目


メラネシア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 02:21 UTC 版)

国・地域別のLGBTの権利」の記事における「メラネシア」の解説

国:同性間の性交渉同性間関係性承認同性結婚同性カップルによる養子縁組引受同性愛者公表して軍隊勤務反差別(性的指向)性自認およびその表現関連法 東ティモール (オセアニア分類される場合もある。参考) 1975年より合法 + 国連同性愛犯罪化宣言署名 不明 フィジー 2010年より合法+ 国連同性愛犯罪化宣言署名 不明 全ての同性愛差別禁止した1997年憲法撤回され不明 ニューカレドニア (フランス海外県) 合法 2009年より民事連帯契約 フランス軍 不明 パプアニューギニア 違法 ソロモン諸島 違法 軍隊がない バヌアツ 2007年より合法 不明

※この「メラネシア」の解説は、「国・地域別のLGBTの権利」の解説の一部です。
「メラネシア」を含む「国・地域別のLGBTの権利」の記事については、「国・地域別のLGBTの権利」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「メラネシア」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

メラネシア

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 09:28 UTC 版)

固有名詞

  1. オセアニア海洋部分の名称で、日付変更線以西から赤道以南諸島総称

「メラネシア」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「メラネシア」の関連用語

メラネシアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



メラネシアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのメラネシア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの国・地域別のLGBTの権利 (改訂履歴)、東日本大震災に対する日本国外の対応 (改訂履歴)、オセアニアにおけるLGBTの権利 (改訂履歴)、カヌー (改訂履歴)、日本国民の査証要件 (改訂履歴)、オセアニアの武術一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのメラネシア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS