北半球
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北半球(きたはんきゅう)とは、天体を赤道で二分したとき、北側に相当する部分を指す。以下、特に断らない限り地球の北半球について述べる。
大陸のうちユーラシア大陸・北アメリカ大陸のほか、アフリカ大陸の1/2以上、南アメリカ大陸の約1/7が北半球に含まれる。六大州としてはヨーロッパ・北アメリカの全域およびアジアのほとんどが北半球に位置する。海洋の分布では、太平洋・大西洋・インド洋の一部、および北極海・地中海・メキシコ湾・東シナ海・日本海などの付属海を含む。
特徴
南半球に比べ、陸地の面積比、特に温帯に位置する陸地の比率が高いことが、人口・気候の両面に影響を与えている。北半球全体の陸地の面積比は39.4%であり、南半球の陸地の面積比18.4%よりも高い[1]。温帯の例として北緯30度-40度(北半球)における陸地面積比が43%であるのに対し、南緯30度-40度では11%と少ない[1]。このため、四大文明の発祥を始めとして人口は歴史的に北半球に偏ってきた。世界人口の約87%が北半球に居住する(世界人口年鑑 2019により算出)[2]。特に中華人民共和国の14億人、2位インドの13億人など、アジアに偏っている。
北半球の温帯に属する地域では10-3月が寒く、4-9月は暖かい。陸地面積の比率が高いこと、さらに高緯度地域に大陸が位置することにより、北半球の気候は南半球といくぶん異なる。高緯度に大陸が位置するため、シベリア寒気団など南半球に比べ、大規模な気団が発生する。陸地の占める面積比が高いため、熱赤道の平均位置は主に北半球を走る。南極大陸を除く最低気温が、ロシアのオイミャコンで観測(-71.2度)されたこと、最高気温がアメリカ合衆国のカリフォルニア州デスヴァレーで観測(56.7度[3])されたことは、陸地比率の偏りからも説明できる。
大気循環の概要は南半球と似ている。亜熱帯地方から赤道に向けて北東貿易風が、中緯度地域には偏西風が吹く。西太平洋を中心に移動する台風や北アメリカ大陸の東西の海洋を通過するハリケーン、広く大陸東岸から赤道側にかけて見られるモンスーンなどの気象現象が顕著である。
世界最高峰のエベレストはヒマラヤ山脈に属し、2位のK2はカラコルム山脈に位置する。全長が最大のナイル川は北半球の地中海に注ぎ、3位の長江は東シナ海に注ぐ。
歴史
大陸移動についてのみ触れる。約2億年前、パンゲア大陸が分離して北半球に位置していた部分はローラシア大陸となり、更にユーラシア大陸と北アメリカ大陸に分離した。その後、インド亜大陸がゴンドワナ大陸より分離北上し、ユーラシア大陸とぶつかり、ヒマラヤ山脈を形成した。この衝突のために気流が変わり、中央アジアは乾燥し、東アジアが湿潤になったとされる。
地勢
ユーラシア大陸
アジア
ヨーロッパ
アメリカ大陸
海流
太平洋
脚注
関連項目
北半球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:27 UTC 版)
小氷期の間、世界の多くの場所で厳冬がもたらされたが最も詳細な記録が残っているのはヨーロッパと北アメリカである。17世紀半ば、スイス・アルプスの氷河は徐々にその版図を低地へと広げ谷筋に広がる農場を飲み込み村全体を押し潰していった。氷河が河川を塞き止め、決壊による洪水に襲われた村も多い。テムズ川やオランダの運河・河川では一冬の間完全に凍結する光景が頻繁に見られ、人々はスケートや氷上縁日(フロスト・フェアー)に興じている。1780年の冬にはニューヨーク湾が凍結し、マンハッタンからスタッテンアイランドへ歩いて渡ることが可能であった。アイスランドでは海氷が何マイルにもわたって島を取り囲んで長期間に渡って港湾を封鎖し、漁業や交易に打撃を与えた。 この厳冬の到来は、大なり小なり人々の生活に影響を与えている。飢饉が頻繁に発生するようになり(1315年には150万人もの餓死者を記録)、疾病による死者も増加した。アイスランドの人口は半分に減少し、グリーンランドのヴァイキング植民地は全滅の憂き目を見た。また、小氷期の影響をこの時代の芸術にも見ることができる。例えば、フランドルの画家ピーター・ブリューゲルの絵の多くは雪に覆われた風景を呈している。 日本においても東日本を中心にたびたび飢饉が発生し、これを原因とする農村での一揆の頻発は幕藩体制を揺るがした。
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「北半球」の例文・使い方・用例・文例
- 北半球
- 日本は北半球に位置する。
- 合衆国は北半球にある。
- その動物類は北半球で見ることができる。
- 短く直立した尾のある北半球のいくつかの小さな活発な茶色の鳥のいずれか
- 北半球の針葉樹林にすむ小型ミソサザイ
- かたい尾羽と足を支えにして木の幹に登る、北半球の様々な小さい食虫鳥類
- 土や砂岸にトンネルを掘って巣にする北半球産のツバメ
- 鳥冠のある頭と赤い蝋のような翼端を持つ北半球産のベルベットのような羽毛をした茶色の鳴鳥類
- 小型の齧歯動物を主に主食とし、農民に有益な北半球にすむ大型のタカ
- 金茶色の頭と首を持つ北半球の山脈にすむ大型ワシ
- 北半球の北部の昼行性で灰色と白のタカのようなフクロウ
- 各後肢に鋤のような角質の突起物がある、北半球産の穴居性ヒキガエル
- 広く平らなくちばしを持つ北半球の淡水ガモ
- 雌の非常に柔らかい綿毛が大変価値のある北半球のカモ
- 北半球北部にすむ大型で黒い潜水ガモ
- 北半球産の大型カモメ
- 遠くに前に水かきのある足を置く北半球の大きいいくらか原始の魚を食べる潜水鳥類
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