偏西風とは? わかりやすく解説

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へんせい‐ふう【偏西風】

読み方:へんせいふう

緯度地方の上空を取り巻いて一年じゅう西から東に吹く風。南北半球にあり、上空ほど速度増し圏界面付近では、その中に幅が狭く風速の特に大きジェット気流形成される。→大気大循環


偏西風

分野
大気流れなどに関する用語
意味:
中心にして西から東に向かって吹く地球規模帯状風。
備考
平均的には、赤道付近極地方の下層部を除く対流圏は偏西風域である。

【偏西風】(へんせいふう)

北半球中緯度地域上空西向きの風。大気大循環による風の一種
太陽によって赤道側は熱せられ側は冷え込むため、低緯度から高緯度への風が生じる。この風が地球自転により見かけ上西向きの風となったもの(転向力コリオリの力)。
年中一定方向吹いている恒常風であり、特に冬場強くなる

天気観点から見ると、極地域付近寒気赤道付近暖気分ける壁となっている。そのため、偏西風がコース変える暖冬寒波原因となる。

特に中心付近北緯3035度)の対流圏上層(高度10~16km)に吹く強い風は「ジェット気流」と呼ばれ夏場は100km/h、冬には300~400km/hにも達すことがある。そのため、航空機運行多大な影響を及ぼす

更に高緯度流れるのが極偏東風であり、赤道付近では貿易風偏東風流れる。

関連ふ号作戦 貿易風 極偏東風


偏西風

作者曾野綾子

収載図書七色の海
出版社出版芸術社
刊行年月1994.6
シリーズ名ふしぎ文学館


偏西風

作者大浦ふみ子

収載図書匣の中
出版社日本民主主義文学会
刊行年月2004.5
シリーズ名民主文学


偏西風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/13 02:45 UTC 版)

地球の大気循環と偏西風のモデル

偏西風(へんせいふう、英語: Westerlies)とは、広義には極を中心に西から東に吹く地球規模の帯状風をいい、成層圏熱帯の上空にみられる西風も含む[1]

一般的には南北両半球の中緯度帯の対流圏を年間を通して吹く西風をいう[1]。平均的に30度から65度の緯度帯にかけてみられる西から東に向かって流れる気流である[2][3]。中緯度上空にみられるので中緯度偏西風(帯)ともよばれる[2]。この気流は航空機が上空で受ける追い風や向かい風などから存在を容易に認めることができる[2]

概要

偏西風は熱帯地域加熱を中心とするハドレー循環と極地域の冷却を中心とする極循環の二つの子午面循環の間の層厚(温度差)の違いと、地球回転の影響(コリオリの力)により発生する[2]

南北両半球の回帰線付近の上層では、赤道側から極に向かう流れと赤道に向かう流れが収束し、下降気流となり高圧帯 (亜熱帯高圧帯)となっている[4]。この亜熱帯高圧帯から高緯度側に偏西風、低緯度側に貿易風が吹き出している[4]。偏西風は地球の自転の影響で北半球では南西偏西風、南半球では北西偏西風となる[4]

偏西風は高度とともに強くなり対流圏界面付近で風速が最大となり(温度風を参照)特に、風速の強い狭い区域、すなわちジェット気流とよばれる帯を形成する[2]

北半球では偏西風は冬に発達して平均風速が毎秒80 mにもなる[2]

偏西風波動

赤道と極の温度差が大きくなると偏西風は南北に蛇行するようになる(傾圧不安定)。この蛇行を偏西風波動という。この偏西風波動には、波長が10,000 km前後の超長波と3,000 - 8,000 km程度の長波、3,000 km程度以下の短波がある[2]

気候への影響

移動性の低気圧や高気圧は中緯度帯では一般に偏西風に流され西から東に移動する[1]。偏西風は先述のように南北に蛇行する性質があり、北半球の場合、一般には最も北上したところが気圧の尾根、最も南下したところが気圧の谷に対応する[1]

偏西風の蛇行

偏西風の蛇行は短期予報や週間予報では高気圧や低気圧に関わる偏西風の蛇行(傾圧不安定波)のことを指すが、季節予報では1週間程度では消えない波長の長い現象のことをいう[1]。さらに東西方向のスケールが長い場合、偏西風の南偏あるいは北偏と呼ぶことがある[1]

波長の長い持続的な偏西風の蛇行の例としては、2010年夏の後半に偏西風が中国大陸東部では南に、日本付近では北に蛇行し、その影響で日本では太平洋高気圧に覆われ続け記録的な高温となった例がある[1]

参考文献

用語集

百科事典

脚注

  1. ^ a b c d e f g 2 季節予報に関わる大気・海洋現象 - 気象庁
  2. ^ a b c d e f g 倉嶋 厚・青木 孝 日本大百科全書(ニッポニカ)、饒村曜・宮澤清治 知恵蔵、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ほか. “偏西風”. コトバンク. 2021年9月17日閲覧。
  3. ^ 地理用語集.
  4. ^ a b c 早瀬 吉雄「「水文」から見た自然資源の問題点と自然資本の将来戦略(I)」『水利科学』第38巻第5号、日本治山治水協会、1994-1995、1-23頁。 

関連項目


偏西風

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 02:19 UTC 版)

名詞

 西 へんせいふう

  1. 亜熱帯高圧帯から高緯度低圧帯向かって定常的に吹く西寄りの風。

関連語


「偏西風」の例文・使い方・用例・文例

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