凪
凪(なぎ)とは、海や湖などの水面が風の影響を受けず、静かで波立たない状態を指す言葉である。風が全く吹かない状態を表すため、比喩的に物事が一時的に静まり返る様子を示す際にも用いられる。また、凪は気象学の用語としても使われ、天候が安定して風が吹かない状態を示す。
凪
「凪」とは、風がおさまり海面に波の無い状態のことを意味する表現である。
「凪」の基本的な意味
「凪」は、一時的に風が止み海面が穏やかな状態の時に使われる言葉である。漢字は言葉の意味に沿っており、風かんむりに止まると書いて「凪」である。波が荒れている様子を表す時化とは反対の意味で使われる。風が無く穏やかな状態から、心が平穏である様子、世の中が安定している様子を表す際に使われる場合もある。「凪」の発音・読み方
「凪」は訓読みで「なぎ」と読む場合と「凪ぐ(なぐ)」と読む場合がある。「凪」の語源・由来
「凪」は元々、平仮名で「なぎ」と記載されることが多く物事が安定した状態を表す言葉として用いられていたが、後に風かんむり(几)に止むで「凪」という字が当てはめられ、現在の風がなく波のない状態という意味で使われるようになった和製漢字である。平仮名の「なぎ」から派生したとされる漢字には「和ぎ」と「薙ぎ」があり、「和ぎ」は心が穏やかで安定している状態、「薙ぎ」は草木などを刈り取り地面を平坦にした状態を表す言葉として使われる。「凪」を含む熟語・言い回し
「凪」を含む熟語には、「朝凪」沿岸地域で夜中に吹く陸風と昼間に吹く海風が入れ替わるタイミングで無風になる状態、「夕凪」朝凪とは反対に昼間に吹く海風と夜中に吹く陸風が入れ替わり無風になる状態、「夜凪」夜に風が止み波が立っていない状態、「冬凪」冬の強い風がおさまり波が穏やかな状態、「小春凪」晩春ごろの穏やかな海の状態、「初凪」元旦に海が穏やかである状態を表すものなどがある。「小春凪」は冬の季語、「初凪」は新年の季語として俳句に使用される場合がある。凪がないとは
「凪がない」とは、海面が穏やかである状態とは反対の意味、時化と同じ状態である。漁師達の間でよく使われる言葉で「凪が悪い」というものがあり、あまり漁に適した海の状態ではない事を表す。海面が荒れている状態を心に置き換え、心中があまり穏やかではない状態、心が荒んでいる状態としても使うことができる。
「凪のお暇(ドラマ)」とは
「凪のお暇」は2019年の7月からTBSの金曜ドラマ枠にて放送されたテレビドラマ。全十話。主演は黒木華、高橋一生、中村倫也、吉田羊ら出演。「凪のお暇」の原作はEleganceイブにて2016年8月号から連載されたコナリミサト著作の少女漫画である。あらすじは人の顔色ばかり伺い周りの空気を読みながら生きてきた主人公、大島凪が彼氏の一言がきっかけで人生をリセットし、幸せを掴んでいこうとする物語である。テレビドラマ最終話は視聴率10.8%を記録した。「凪のあすから(アニメ)」とは
「凪のあすから」はP.A.WORKS制作によるオリジナルテレビアニメ。2013年10月から2014年4月まで全24話が放送された。あらすじは人間が海と陸に別れて生活をしている世界で繰り広げられる恋愛ヒューマンドラマ。日本に14箇所しかない海の中にある村、海村。その一つである汐鹿生で暮らす幼馴染4人が陸にある学校に通うところからストーリーが始まる。独特の世界観、背景の美しさ、切なく複雑な恋愛ストーリーで人気を集めた作品。監督は篠原俊哉。声優は花江夏樹、花澤香菜、芽野愛衣、逢坂良太らが務める。「凪誠士郎(漫画の登場人物)」とは
「凪誠士郎」は2018年7月に発売された週刊少年マガジン35号より連載されている「ブルーロック」に登場するキャラクターである。「ブルーロック」は原作・金城宗幸、作画・ノ村優介担当。ストライカーの頂点を目指し300人の高校生が召集され競い合うという斬新なストーリーで注目された。2022年10月8日からテレビ朝日にてアニメ放映も開始。「凪誠士郎」は漫画22話に主人公のライバル第伍号棟チームの得点王として初登場する。性格はめんどくさいが口癖でマイペース、なんでも器用にそつなくこなす天才肌の一面も描かれている。アニメの声優は島崎信長が務める。「凪良ゆう(小説家)」とは
「凪良ゆう」は2020年に「流浪の月」で本屋大賞を受賞した小説家である。2006年「小説花丸」に連載されたボーイズラブ小説「恋するエゴイスト」でデビュー。2014年に刊行された「美しい彼」はMBSでドラマ化された。2020年には「わたしの美しい庭」で第11回山田風太郎賞候補、2022年には「汝、星のごとく」で第168回直木賞候補に選ばれた。「凪」を含むその他の用語の解説
「凪」のつく作品には他にも映画「凪待ち」がある。白石和彌監督作品で2019年6月に公開された。主演は香取慎吾。リリーフランキーや恒松祐里らも出演している。あらすじはギャンブル好きの主人公郁男が会社をリストラされ、恋人である亜弓の実家に亜弓の娘、美波と移り住むところからストーリーが始まる。ギャンブルに依存する男を描いた作品である。脚本は「クライマーズ・ハイ」「天地明察」などを手掛けた加藤正人が担当した。「凪七瑠海(宝塚のスター)」とは
「凪七瑠海」は宝塚歌劇団専科に所属する男役スター。2001年に宝塚音楽学校に入学し、2003年宝塚歌劇団89期として主席入団する。月組公演「花の宝塚風士記/シニョールドン・ファン」で初舞台を踏み、2016年に専科へと移動。その後様々な舞台の主演を務めている。「凪七瑠海」の凪七は海のイメージからつけられ、綺麗な流れ、いい画数になるように家族で考えたという。
「凪」の使い方・例文
・海も凪で、水平線の空が長い刀を横たえたように冷たい光を放っていた(三浦哲郎「真夜中のサーカス」)
・凪で波がないものだから、本当にプカプカといった感じで揺れている(稲泉連「僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由」)
・それからしばらくは妙に静かな凪のような時間が過ぎた(有沢まみず「いぬかみっ!6」)
・私はその穏やかな嵐の後の凪のような心で春を待った(倉田百三「愛と認識との出発」)
・凪は波のない水面の情景を伝える場合や、穏やかで波風の立っていない心の状態を伝える場合などに多く使用される。
凪
凪
凪
凪
姓 | 読み方 |
---|---|
凪 | なぎ |
凪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/10 09:24 UTC 版)
凪(なぎ・英語: calm)は、それまで吹いていた風がしばらくの間なくなった状態をいう[1]。波がなくなり海面が静まった状態も含めて指すことがある[2]。
- ^ a b c d e 根本順吉. "凪". 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. コトバンクより2024年6月4日閲覧。
- ^ "凪". 小学館『デジタル大辞泉』. コトバンクより2024年6月4日閲覧。
- ^ “「風力」「静穏」”. 天気予報等で用いる用語. 気象庁. 2024年6月4日閲覧。
- ^ 『気象観測の手引き』(2訂)気象庁、2007年12月、21頁 。
- ^ a b "なぎ(凪)". 平凡社『百科事典マイペディア』. コトバンクより2024年6月4日閲覧。
- ^ “calm”. Glossary of Meteorology(気象学用語集). American Meteorological Society(アメリカ気象学会) (2024年3月26日). 2024年6月1日閲覧。
- ^ 日本気候百科 2018, p. 320「岡山県の気候」内記述(著者:大橋唯太)
- ^ 日本気候百科 2018, p. 329「広島県の気候」内記述(著者:塚本修)
- ^ 日本気候百科 2018, pp. 341–342「香川県の気候」内記述(著者:寺尾徹)
- ^ “lull”. Glossary of Meteorology. American Meteorological Society (2024年3月29日). 2024年6月1日閲覧。
- 1 凪とは
- 2 凪の概要
凪(ナギ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/20 16:45 UTC 版)
「ラグナロクオンライン ここから始まる物語」の記事における「凪(ナギ)」の解説
オズに雇われた少女。職業は忍者。相方の炎とは対称に、寡黙で感情に希薄。気がつけばボーっとしていたり、眠っていたりする。作中では一度もしゃべってはおらず、おまけマンガでも一切言葉を発さず立ったまま眠っていた。
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凪
「凪」の例文・使い方・用例・文例
- 嵐の後には凪が来る。
- 風が凪いだ。
- 風[海]は凪(な)いだ.
- 凪.
- この凪(なぎ)はあらしの前兆だ.
- 昼頃になって風が少し凪いだ.
- べた凪ぎに凪いだ
- 風が凪ぎる
- 風が凪いだ
- 船が凪に逢う
- 今日は実に好い凪だ
- 夕凪
- 夕方になると風が凪ぐ
- 油凪という海面状態
- 陰暦10月の海の凪ぎ
- 海が凪ぐ
- 海岸に打ち寄せる波が凪いで穏やかなこと
- 御講凪という,秋の穏やかな天気
- 受賞歴のある漫画「夕(ゆう)凪(なぎ)の街 桜の国」が同名の映画になった。
- 「夕凪の街」の物語は,広島市に原爆が投下されてから13年後に起こる。
- >> 「凪」を含む用語の索引
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