こうかがく‐スモッグ〔クワウクワガク‐〕【光化学スモッグ】
光化学スモッグ
光による化学変化でできたスモッグのこと。大気中の二酸化窒素,炭化水素に太陽の紫外線があたると複雑な反応を起こし,原子状の酸素ができ,これが酸素と反応しオゾンができます。オゾンが炭化水素と反応するとアルデヒドなどの刺激性のある物質をつくります。さらに一酸化窒素や二酸化窒素も加わりだんだん複雑な化合物をつくってPAN(パーオキシアシルナイトレイト;RCO3NO2)という物質をつくります。オゾン,アルデヒド,PAN等を総称してオキシダントといいます。これが光化学スモッグの主成分です。
光化学スモッグは,夏の日ざしが強く,風の弱い日にとくに発生しやすく,その影響は目がチカチカしたり,のどが痛くなったり,植物にある種の症状が現れたりするほか視程障害をおこしたり,呼吸器系皮膚粘膜をおかすなど広範にわたります。
光化学オキシダントの環境基準…1時間値が0.06ppm以下
光化学スモッグ
光化学オキシダントからなるガス状物質と、液状粒子物質からなる刺激性の強い混合スモッグをいう。大量のオキシダントから発生する公害で、夏季の風のない、日照の強い日に発生しやすい。
参照 光化学オキシダント、スモッグ光化学スモッグ
【英】: photochemical smog
自動車の排気ガス中の窒素酸化物や炭化水素が、大気中で強い太陽の紫外線に当たると化学変化を起こして光化学スモッグが発生するといわれている。 これは極めて酸化力の強いオゾン(O3)、アルデヒド(RHCO)、アルキルナイトレート(RONO2)、通称パン(PAN)と呼ばれるパーオキシ(過酸化)アセチル(またはアルキル)ナイトレートなど、いわゆるオキシダント(酸化性物質の総称)が主成分で、大気汚染物質の一つとされている。大気中のオキシダント濃度と視程とは非常に高い相関があり、日中におけるスモッグの発生に関連があるといわれている。光化学スモッグは 1946 年ころ米国ロサンゼルスで発生し、命名されたもので、わが国では1970 年(昭和 45 年)7 月に、東京都杉並区で運動中の学生が眼や咽頭{いんとう}の粘膜刺激、せき、息切れ、頭痛などの症状を呈して倒れ、病院に収容されるという事件が起き、これが光化学スモッグによるものではないかということで一躍有名になった。現在の大気汚染防止法によると、都道府県知事は大気中のオキシダント濃度が 0.12ppm 以上となった場合を一般緊急時として、一般に周知させるとともに、煤煙{ばいえん}の排出や自動車運行の自主的制限について協力を求めることとしている。さらに大気中の濃度が 0.4ppm 以上になった場合を重大緊急時として、煤煙発生施設の使用の制限など必要な措置をとるべきことを命じることができることとしている。 |
光化学スモッグ
光化学スモッグ
光化学スモッグ(オキシダント)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 21:50 UTC 版)
「大気汚染注意報」の記事における「光化学スモッグ(オキシダント)」の解説
一般に知られているのは注意報と警報だが、大気汚染防止法施行令で定められているのは注意報と重大緊急時警報(重大緊急警報、重大緊急報)だけである。都道府県によっては、注意報より軽い状態に当たる光化学スモッグ予報、あるいは注意報と重大緊急時警報の中間に当たる光化学スモッグ警報などが定められているところもある。濃度基準は光化学オキシダント(または単に「オキシダント」とも言う)にの値。 注意報と重大緊急時警報の発令基準は、全国同じであるが、各都道府県独自の予報・警報などの区分・発令基準は各都道府県によって異なる。こちらも参照。 光化学スモッグ学校予報 名称:学校情報(東京都) 基準:0.100ppmとしている(東京都)。 光化学スモッグ予報 名称:予報 基準:0.100ppm以上で、気象条件などから1時間後に注意報の基準値(後述)に達する可能性がある時に発令する所が多い。0.080ppmとしている所(愛知県)、「注意報基準値に近く、その状態が更に悪化すると予想される場合」としている所(山梨県)、「高濃度汚染が予想されるとき」としている所(東京都)などもある。 光化学スモッグ注意報 名称:注意報 基準:0.120ppm以上(全国同一基準) 光化学スモッグ警報 名称:警報 基準:0.240ppm以上としている所が多い。0.200ppmとしている所(埼玉県)もある。 光化学スモッグ重大警報 名称:重大警報、重大緊急警報 基準:0.400ppm以上(全国同一基準) 予報や警報基準が若干異なるのは、都道府県によって光化学オキシダントの原因物質の排出量や飛来量、光化学スモッグができやすい気象条件が異なるためである。解除の基準は、濃度が基準以下に下がってその状態が続くと予想される場合としているところが多いが、予報・注意報の解除基準に「日没になったとき」を加えているところもある(福島県)。 光化学オキシダントの環境基準は1時間値0.06ppm以下である。
※この「光化学スモッグ(オキシダント)」の解説は、「大気汚染注意報」の解説の一部です。
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