RoHSとは? わかりやすく解説

RoHS

フルスペル:Restriction on Hazardous Substances
読み方ローズ
別名:RoHS指令有害物質規制電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令

RoHSとは、電気・電子機器含まれる危険物質を規定し物質使用禁止する旨の指令のことである。電気・電子製品生産から処分まですべての段階で、環境や人の健康に及ぼす危険を最小化することが、RoHSの主な目的である。RoHSは2003年1月EUヨーロッパ連合加盟国15ヵ国で採決された指針であり、2006年7月以降に同圏内発売される製品について特定物質使用全面的に禁止されることになっている

RoHSによって指定され禁止物質は6種類で、鉛、水銀カドミウム六価クロムポリ臭化ビフェニールPBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテルPBDEとなっている。これらの原料物質おおむね電子機器によく用いられてきた。特に鉛などは、その安定性加工柔軟性といった特性から、プリント基板電子部品類を接続する材料(鉛はんだ)として多く採用されてきた。ところが、酸性雨などの影響もあって鉛を含んだ製品廃棄物から鉛が溶出する可能性がある、という指摘がされ始め、そしてRoHSの採択によって全面的に使用禁止される至った

早くから産業的物質使用規制が行われていたオランダでは、2001年10月ソニーが「PSone」の出荷に際して欧州向け製品陸上げ使用としたところ、製品一部部品規制逸する量のカドミウム検出されたとして、オランダ関税が「PSone」の陸上げ拒否するという事件が起きている。このためソニー欧州向け製品130台の出荷を2ヶ月延期し製品全て部品交換を施さなくてはならなかった。(これによって同社総額190億円に上る損失こうむったとされる)。

日本の各企業においてもRoHSの規制対応する動き進んでおり、主要企業多くWeb上などでRoHSへ準拠する趣旨声明文公表している。


RoHS(指令・規格)

Restricting the use Of Hazardous Substances 危険物に関する制限
EU欧州連合)が定め有害物質規制2006年7月以降電気電子機器への特定有害物質使用規制された。
対象物質
①鉛1000ppm以上
水銀1000ppm以上
カドミウム100ppm以上
六価クロム1000ppm以上
ポリ臭化ビフェニルPBB)1000ppm以上
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)1000ppm以上
これらを含む機器販売する事が出来ないEPSにはいずれの物質使用されていない
WEEEREACHEuP

特定有害物質使用制限指令

(RoHS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/29 13:53 UTC 版)

特定有害物質使用制限指令 (とくていゆうがいぶっしつしようせいげんしれい、英: Restriction of Hazardous Substances Directive) とは、電子電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)指令である。日本語では電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令[2]等と訳される。


  1. ^ EURLex – 02011L0065-20140129 – EN – EUR-Lex”. Eur-lex.europa.eu. 2016年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月3日閲覧。
  2. ^ 電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令(RoHS指令)の概要 (PDF) 』経済産業省産業構造審議会
  3. ^ 植月 献二「EU 電気電子機器の有害物質使用規制拡大(新RoHS指令制定)」『外国の立法』、国立国会図書館調査及び立法考査局、2011年8月、NAID 40018961256 
  4. ^ 「商品環境情報提供システム」の概要” (PDF). 環境省. p. 6 (2005年4月27日). 2024年1月29日閲覧。
  5. ^ Recast of the RoHS Directive - Environment - European Commission
  6. ^ https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX:32002L0095 EUR-Lex - 32002L0095]
  7. ^ EUR-Lex - 32011L0065
  8. ^ http://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/x-ray-fluorescence-analysis/weeerohselv/
  9. ^ 田中昭代「インジウム化合物およびインジウム・スズ酸化物の生体影響」『エアロゾル研究』第20巻第3号、日本エアロゾル学会、2005年、213-218頁、NAID 130000125445  九州大学大学院 医学研究院 環境医学分野(インジウム化合物の経口毒性は低い一方で、吸入毒性は比較的高いことが示されている)
  10. ^ 村田智吉「次世代技術利用金属の土壌環境中における影響の解明」『国環研ニュース』第22巻第3号、国立環境研究所、2003年。  (鉛・アンチモン・インジウムは同様に土壌微生物への有毒性を示すことを報告している)
  11. ^ 中西準子 部門長退任および文化功労者顕彰記念講演(YouTube)
  12. ^ 錫ウィスカ、その実在と複雑さ”. Maxim Integrated. 2019年2月17日閲覧。


「特定有害物質使用制限指令」の続きの解説一覧

RoHS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 05:55 UTC 版)

ローズ」の記事における「RoHS」の解説

RoHS - 欧州連合(EU)による特定有害物質規制指令

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