電気・電子機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 02:51 UTC 版)
タンタルの主な用途は、電子機器の製造であり、主にコンデンサ(キャパシタ)や高出力抵抗器などに金属粉末の形態で用いられる。タンタル電解コンデンサ(英語版)は、タンタルが表面に保護酸化被膜を形成する性質を利用し、タンタルの粉末をペレット状の形態に焼き固めたものを一方の極板とし、酸化物 (Ta2O5) を誘電体とし、電解液または伝導性のある固体をもう一方の極板としたものである。誘電体の層が非常に薄くなる(同様のアルミニウム電解コンデンサなどに比べてもかなり薄い)ことから、小容積でも大きな静電容量を実現できる。大きさと重量の利点から、携帯電話、パーソナルコンピュータ、自動車エレクトロニクス(英語版)、カメラといった用途に適する。 また、表面弾性波フィルター(SAWフィルター)の材料としても用いられる。これは特定の信号波のみを選択的に通すフィルターであり、携帯電話などにおいて決められた送受信周波数以外の周波数成分をカットするために用いられる。電気信号を圧電効果を利用して一旦機械的な振動に変換し、固体表面を伝搬する弾性表面波とした上で、その圧電結晶基盤の上に形成されたパターンの構造により選択的に周波数フィルターを適用し、再び電気信号に変換する仕組みとなっている。このための圧電単結晶としてタンタル酸リチウム (LiTaO3) またはニオブ酸リチウム (LiNbO3) が用いられている。 スパッタリングによって薄膜を形成する際に、ターゲット材(薄膜材料)としてタンタル(五酸化タンタル)を用いることがある。これによって高誘電率・高絶縁耐圧の薄膜形成が行われる。 かつて白熱電球のフィラメントの製造にタンタルが利用されていたことがある。フィラメントは当初炭素(カーボン)のものが使用されていたが、その性能を向上させるために様々な金属フィラメントの開発が行われ、1902年にドイツのジーメンス・ウント・ハルスケの技術者ヴェルナー・フォン・ボルトン(ドイツ語版)がタンタルを利用したフィラメントを開発した。この電球は効率が良く明るく白い光を出すことから好評であった。アメリカのゼネラル・エレクトリックはライセンス生産の権利を買って1910年まで生産しており、ジーメンス自体は1913年まで生産していたが、1904年に発明され1906年に商品化されたタングステンフィラメントを利用した電球がより効率が高く寿命が長かったことから、タンタル電球は時代遅れとなった。 タンタルは無線送信機の極超短波真空管の製造に広く用いられている。タンタルは、窒化物や酸化物を形成して窒素や酸素を捕獲できるので、グリッドやプレートといった真空管内部の部品に使って、真空管内に必要な高い真空度を維持するためのゲッター(英語版)としても利用できる。
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電気電子機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 21:16 UTC 版)
電気機器類や電子機器類においても、ばねが活用されている。ばね自体が電気回路の一部となる場合もあり、そのような用途では導電性のよい銅合金ばねが使われる。電気を得るためのコンセントには銅製の薄板ばねが組み込まれており、この薄板ばねがプラグとの電気的接続およびプラグの保持を行っている。これによってプラグが容易には取れないようになっており、なおかつ適度な力でプラグを抜くこともできるようになっている。電気回路・電子回路中のリレーやスイッチでも、電気的な接点をばねが担っている。ノートパソコンや携帯電話といった電子機器類は高度な軽量化や小型化を求められるため、それらの中にあるリレー・スイッチ・コネクタなどで使われる薄板ばねにも同様に軽量化や小型化が求められ、結果として懸架装置用ばね並みの高強度を持つばねが使われることもある。 照明やリモコンなどのスイッチも、その動作にばねを利用している。ばねが無いとすると、スイッチをゆっくり押されると電気接点もゆっくり近づき接触するので、接点間でアークが長く発生しやすく、損傷に繋がる。ばねを利用することで、スイッチがゆっくり押されたとしても瞬間的に端子を接触させている。圧縮コイルばねやゴムを使う機構、接続する端子自体が板ばねとなっている機構などがある。 コンピュータの例では、操作を行うキーボードの中にばねが組み込まれている。古い型のキーボードでは金属製のコイルばねがそれぞのキーの下に組み込まれ、キーを押し戻すようになっている。ゴムの復元力でキーを押し戻す方式もあり、2008年現在ではこの方式のキーボードが主流となっている。記憶装置のハードディスクドライブでは、磁気ヘッドという部品が磁気ディスク上を移動して、ディスクに情報を読み書きする。このとき、サスペンションとよばれる薄板ばねが磁気ヘッドに一定荷重を与え、磁気ヘッドがディスク上数十nmの位置で維持されるのに寄与している。
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