しん‐どう【振動】
振動
物体がある一点を中心に,ある周期をもってゆれ動くことですが,この動きによって人の生活等が阻害されることを振動による公害といいます。したがって,公害を発生させる振動は「不快な振動」「好ましくない振動」といえます。振動 (しんどう)
振動
ある量が、基準値付近で時間とともに大きくなったり小さくなったりする現象のことで、機械系、電気系などあらゆる分野で用いられる用語である。自動車ではおもに機械振動が対象になる。振動を表すには、変位、速度、加速度などに加えて、どの周波数成分がどの程度の振幅であるかを示す必要がある。振動にはその発生状態からいくつかに分類される。加えていた力を取り除いたあとに起こる振動を自由振動(突起を乗り越えたあとに数回起こる車体の上下振動など)、加えつづけている力で定常的に起こる振動を強制振動(運転時のエンジン振動など)、継続時間が1秒にも満たないような、非常に短い振動を衝撃振動という。
参照 周波数振動
振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 15:54 UTC 版)
もっとも狭義の乗り心地は、振動に関するものである。人体の振動に対する感覚は、振動の向きと周波数に依存しており、どの程度の振動を人体が等しく感じるのかを実験により測定し、等感覚曲線を描くことで振動の影響を評価する仕組みを用意している。 国際標準化機構 (ISO) では、西ドイツの基準を参考に1974年にISO 2631として「全身振動の評価法」という国際基準を定め、その後1985年にpart 1からpart 4の評価対象振動ごとの規格にまとめられた。この際に1974年の規格はISO 2631-1となったが、内容はほとんど変更されなかった。1997年の改定によってISO 2631-1は大きく改変されている。 ISO 2631-1において振動を評価する際には、人体を基準に振動の向きを定めている。立っているとき、座っているときのいずれも、身体の前後方向がX軸、左右方向がY軸、上下方向(頭と尻または足を結ぶ方向)がZ軸となる。寝ているときも同様の向きであるが、床面に対する人体の向きが変化したため、床面方向がZ軸、床面と鉛直方向がX軸となる。同一の振動であっても、座っているあるいは立っているときと寝ているときで、異なる向きとして評価されることになるので、人が寝ることがある建屋内などでの振動測定において問題となる。ISO 2631-2においてはこの問題に対応するために、Z軸とX/Y軸の複合特性で評価する方法を規定している。 振動が人間の健康、快適性、知覚、動揺病に影響を与える程度は、振動の周波数に依存する。また振動の向きに応じても異なるため、振動の軸ごとに周波数に応じて補正をかける係数が用意されている。ISO 2631-1では、周波数補正特性として主要補正特性のWk、Wd、Wfの3種類、さらに付加補正特性としてWc、We、Wjの3種類を用意しており、以下のような用途が定められている。 周波数補正特性の適用に対する概略指針周波数補正特性健康快適性知覚動揺病Wkz-座席 z-座席, z-立位, 垂直臥位, x,y,z-足部 z-座席, z-立位, 垂直臥位 - Wdx-座席, y-座席 x-座席, y-座席, x,y-立位, 水平臥位, y,z-背中 x-座席, y-座席, x,y-立位, 水平臥位 - Wf- - - z Wcx-背中 x-背中 x-背中 - We- rx,ry,rz-座席 rx,ry,rz-座席 - Wj- 垂直臥位(頭部) 垂直臥位(頭部) - たとえば、座った状態の人間の快適性を評価する際には、Z軸方向はWkで、X軸とY軸方向はWdで補正する。主要補正特性(基本特性)に関しては外部リンクのように補正特性が与えられており、たとえば座った状態のZ軸に関する補正特性であるWkに関していえば、4ヘルツから12.5ヘルツの範囲が感覚的にもっとも敏感であるとされる。 こうした周波数補正特性をかけて計算した時刻tにおける振動加速度の瞬時値を a w ( t ) {\displaystyle a_{w}(t)} (単位は並進振動に対してメートル毎秒毎秒 m/s2、回転振動に対してラジアン毎秒毎秒 rad/s2)とし、測定時間をT秒間としたとき、 a w = ( 1 T ∫ 0 T a w 2 ( t ) d t ) 1 2 {\displaystyle a_{w}=\left({\frac {1}{T}}\int _{0}^{T}a_{w}^{2}(t)dt\right)^{\frac {1}{2}}} …(1) の式で振動加速度の実効値 a w {\displaystyle a_{w}} を求める。ただしこれは波高比(英語版)(クレストファクター)が9未満の場合に適用される。 波高比が9以上となる、時折発生する衝撃の不快さを評価するためには、別に2つの測定方法が定義されている。1つは移動実効値法で、短い積分時定数を使用して時折の衝撃と過渡振動を考慮に入れる。周波数補正特性をかけて計算した時刻tにおける振動加速度の瞬時値を同様に a w ( t ) {\displaystyle a_{w}(t)} 、移動平均に対する積分時間を τ {\displaystyle \tau } 、時間をt、観測の時間を t 0 {\displaystyle t_{0}} としたとき、 a w ( t 0 ) = ( 1 τ ∫ t 0 − τ t 0 a w 2 ( t ) d t ) 1 2 {\displaystyle a_{w}(t_{0})=\left({\frac {1}{\tau }}\int _{t_{0}-\tau }^{t_{0}}a_{w}^{2}(t)dt\right)^{\frac {1}{2}}} …(2) を計算し、MTVV (Maximum Transient Vibration Value) をMTVV=max( a w ( t 0 ) {\displaystyle a_{w}(t_{0})} )として与える。ISOでは、MTVVの計算において τ = 1 {\displaystyle \tau =1} 秒を用いることを勧告している。これは、波高比9未満の場合の実効値計算法を1秒ずつ行い、その中で最大のものを採用することに相当する。 もう1つの方法は4乗振動ドーズ法(VDV法)で、(1)式において、2乗ではなく4乗を使うことで、時折発生する強い衝撃に敏感に反応するようにするものである。 こうして求めた周波数補正特性振動加速度実効値は、周波数補正特性の計算が振動軸ごとであることから各軸別になっている。そこで多軸振動を評価するために、以下の式が与えられている。 a v = ( k x 2 a w x 2 + k y 2 a w y 2 + k z 2 a w z 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{v}=\left({k_{x}}^{2}{a_{wx}}^{2}+{k_{y}}^{2}{a_{wy}}^{2}+{k_{z}}^{2}{a_{wz}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(3) ここで a w x , a w y , a w z {\displaystyle a_{wx},a_{wy},a_{wz}} は、X軸、Y軸、Z軸について(1)式で求めた周波数補正特性振動加速度実効値で、 k x , k y , k z {\displaystyle k_{x},k_{y},k_{z}} は次元のない倍率因子である。この式で求めた全体値は快適性の評価のときだけに使うべきだとされているが、特定の軸が卓越していないときは健康の安全面の評価にも用いられることがある。 健康に対する振動評価をするとき、 k x = k y = 1.4 , k z = 1 {\displaystyle k_{x}=k_{y}=1.4,k_{z}=1} を使用して周波数補正特性振動加速度実効値を求める。健康への影響に関しては振動に暴露される時間も影響することから、実効値と暴露時間の2軸に対して、健康に危険があると判断される領域を定義する健康指針警戒区域が定められている。実効値で0.5 m/s2の振動のとき、暴露時間が8時間を超えると危険があるとされ、より大きな振動では暴露時間がより短くても危険であると判定される。 一方、座っている状態の人に対する快適性の評価に関しては、座面上のX、Y、Z軸およびこれらの軸の周りの回転 r x , r y , r z {\displaystyle r_{x},r_{y},r_{z}} 、および背もたれと足部における並進軸(X、Y、Z軸)の合計12個の変数に対して評価する方法が以下のように定義されている。 座面: a s z = ( x s 2 + y s 2 + z s 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{sz}=\left({x_{s}}^{2}+{y_{s}}^{2}+{z_{s}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(4) 座面の回転: a s r = ( 0.63 2 r x 2 + 0.4 2 r y 2 + 0.2 2 r z 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{sr}=\left(0.63^{2}{r_{x}}^{2}+0.4^{2}{r_{y}}^{2}+0.2^{2}{r_{z}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(5) 背もたれ: a b = ( 0.8 2 x b 2 + 0.5 2 y b 2 + 0.4 2 z b 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{b}=\left(0.8^{2}{x_{b}}^{2}+0.5^{2}{y_{b}}^{2}+0.4^{2}{z_{b}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(6) 足部: a t = ( 0.25 2 x t 2 + 0.25 2 y t 2 + 0.4 2 z t 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{t}=\left(0.25^{2}{x_{t}}^{2}+0.25^{2}{y_{t}}^{2}+0.4^{2}{z_{t}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(7) (4) - (7)式の合計値として以下のように計算する。 a s e a t = ( a s z 2 + a s r 2 + a b 2 + a t 2 ) 1 2 {\displaystyle a_{seat}=\left({a_{sz}}^{2}+{a_{sr}}^{2}+{a_{b}}^{2}+{a_{t}}^{2}\right)^{\frac {1}{2}}} …(8) 公共交通機関における乗り心地の評価としては、ISO 2631-1では(8)式の値に対して以下のように与えている。 0.315 m/s2より小さい: 不快でない 0.315 - 0.63 m/s2: 少し不快 0.5 - 1 m/s2: やや不快 0.8 - 1.6 m/s2: 不快 1.25 - 2.5 m/s2: 非常に不快 2 m/s2より大きい: 極度に不快 ただし、鉄道車両のように振動条件が変化する場合には、振動加速度実効値の分布から統計的に求める方法なども提案されている。このほかに動揺病(乗り物酔い)の起こしやすさを評価する方法もある。 高速鉄道において多く発生する30ヘルツ前後の振動に関しては、ISO 2631-1の周波数補正特性では低すぎる評価となるという指摘もされている。
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 22:05 UTC 版)
全方位に対して対称な形状のため慣性力は釣り合いスムーズな回転が得られるように見える。しかし、マスター+サブロッドによる各気筒のピストンの動きの違いから単列であれば2次振動、複列であれば2次偶力が発生し、多気筒化しても振幅が大きくなるだけでスムーズな回転は得られない。排気量の増大によっても振幅は大きくなるため、高出力になった第二次世界大戦末期には2次バランサーを搭載した機種もあった。また重力(もしくはG)の関係上、キャブレター方式では全ての気筒に均等に混合気を配することは比較的困難であり燃焼のばらつきがトルク変動を発生させる。対策としてはクランクシャフトのカウンターウエイトへの振り子型ダンパーの組み込みや、慣性主軸エンジンマウントが用いられた。
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/05 10:12 UTC 版)
振動を与えて反復して力が加えられる場合の破壊に留意が必要である。振動で力が加わる都度、目に見えない微細な破壊が発生し、また、その破壊が徐々に拡がり、最終的に破断に至る。金属材料ではいわゆる金属疲労といわれる。 破壊が起こるまでの振動回数を測定し、それを実際の製品が受ける振動の頻度に当てはめて、全体としての寿命を予測する。
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 08:44 UTC 版)
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 04:49 UTC 版)
テザーを制御する機構は非常に重く、振動の制動のために非常に複雑になる。Walter Edwards の提案する1トンの climber(テザー上を伝って移動する機械)は振動を検出して制動をかけるのに使える可能性がある。climber はテザーの修理も行うことができる。
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 03:29 UTC 版)
この地震は、ボリビアの首都ラパスから約320km離れた、人のほとんどいないジャングルを震央として発生した。震源は震央から631kmという、深発地震の中でも極めて深い深度で発生した。震源はナスカプレートが南アメリカプレートの下に沈み込んでいる場所である。地震は48×32km (30×20mi) の断層が動いたことで発生し、Mw8.2という極めて規模の大きなものであったため、ラパスでメルカリ震度階級VIという強い揺れを観測したのをはじめとし、南アメリカの広範囲で身体に感じる程度の振動を観測した。更には、遠く離れたアメリカ合衆国のいくつかの州、およびカナダのトロントでも地震計が揺れを検知した。 震度の計測値震度国名都市名VI ボリビア ラパス IV ペルー アレキパ・モケグア・プーノ・タクナ チリ アリカ III ペルー モヨバンバ・リオハ・タラポト チリ イキケ エクアドル グアヤキル II チリ コピアポ エクアドル キト I チリ サンティアゴ・デ・チレ 有感 アメリカ合衆国 プエルトリコ ドミニカ共和国 ウルグアイ 無感 アメリカ合衆国 ロサンゼルス・レントン・オマハ・スーシティ・ミネアポリス・ラクロス・シカゴ・パーカーズバーグ・ノーウィッチ・ボストン カナダ トロント
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 04:03 UTC 版)
恒星の振動は、熱エネルギーが運動エネルギーに変換されることによって生じる。この過程は、温度が高いときに熱が吸収され、低い時に放出される熱機関の原理に類似している。恒星の主要な機構は、放射エネルギーの表層での脈動エネルギーへの変換である。結果として生じた振動は、それほど大きくないと考えられ、そのため恒星の独立と球対称の形は保たれる。連星系では、恒星潮汐が恒星の振動に大きな影響を与える。星震学の1つの応用は、中性子星である。その内部構造は直接観測できないが、中性子振動の研究から推測されている。
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振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 22:27 UTC 版)
roAp星は、高倍音、非動径圧力モードで振動している。このような脈動の振る舞いを説明するために用いられる一般的なモデルは、傾斜振動体モデル (英: oblique pulsator model) である。このモデルでは、脈動の軸は磁軸と一致しており、自転に伴って変化する磁軸の視線に対する向きによって脈動の振幅が変調することとなる。磁軸と脈動軸が明確に一致していることは、脈動の駆動機構の本質を知る手掛かりとなる。roAp星は、たて座δ不安定帯の主系列側に位置するようであるため、水素イオン化領域で作動するκ機構のような駆動機構を持つ可能性が示唆されている。κ機構でroAp星の振動を励起する標準的な脈動モデルは存在しない。磁場が重要であるように想定されるため、それを考慮した非標準的脈動モデルを導出する研究が行われている。roAp星の磁極付近の強い磁場によって対流が抑制されることでモードが駆動されることが示唆されており、脈動軸と磁軸が一致していることを説明できる。2002年の研究で計算されたroAp星の理論的な不安定帯の位置は、それまでに発見されていたroAp星のHR図上の位置と一致しており、加えて、より進化したroAp星の中には未発見の長周期脈動星が存在することも予測された。HD 177765は、2012年にそのような長周期の脈動が発見されたroAp星で、既知のroAp星では最長の23.6分という周期を持っている。 ほとんどのroAp星は、小型の望遠鏡を用いて恒星の脈動による振幅の小さな変化を観測することで発見されている。しかし、ネオジムやプラセオジムなど外部の影響に敏感に反応する吸収線の視線速度の変化を測定することでもこのような脈動を観測することができる。また、鉄のように脈動が見られない線もある。脈動は、恒星大気中の密度の低いところで最も大きくなると考えられている。そのため、大気中の高い位置で放射状に浮遊している元素が形成するスペクトル線が、脈動の測定に最も敏感である可能性が高い。一方で、鉄のように重力で沈降する元素のスペクトル線は、視線速度の変化を示さないものと考えられる。
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振動
「振動」の例文・使い方・用例・文例
- 電車の振動でその子は寝入ってしまった
- エンジンの規則的な振動
- 耳小骨連鎖は中耳の中で音の振動を増幅させるシステムである。
- 音が鼓膜に届くと鼓膜は振動する。
- 電話の受話器の振動板
- 落下試験と、振動試験で確かめる。
- 振動検査の結果を手に入れることは出来ますでしょうか?
- 電車が通るたびに家が振動する。
- その機械に振動や衝撃を与えないでください。
- あなたはその装置を振動させないで下さい。
- 振動の原因を解明する
- 1秒あたりの振動数
- 振動電流.
- 振り子の振動.
- エンジンの振動.
- 超音波振動.
- 弦は弾くと振動する.
- 彼らの家は重い車が外を通るたびに振動した.
- 時計の振り子の振動をいつまでもじっと見ていた.
- 時計の振り子が振動する
振動と同じ種類の言葉
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