用いられる用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 16:09 UTC 版)
ハザード(en:Hazard; 危害要因) 生物的、化学的あるいは物理的な要因で、コントロールされなかった場合には疾病や傷害を起こす可能性がある因子を示す。どのような危害要因が存在し、それによる事故の起こりやすさや事故の起こった際の重大性を分析することを危害要因分析(ハザード分析あるいはハザードアナリシス(英語版))という。 クリティカルコントロールポイント(en:Critical control point; 重要管理点) 危害要因を連続的にモニタリングしコントロールできる点で、もしそこでコントロールしなければ製品に健康に対する危害要因が残る点を示す。 GMP(en:Good manufacturing practice; 適正製造規範) HACCP の前段階である前提条件プログラムの中心となる基準。従業員の教育、工場と敷地、衛生作業(一般的な衛生管理)、衛生施設と管理(水の供給、下水の処理、トイレ、手洗い施設、ゴミの廃棄など)、設備と器具、プロセスとコントロール(原料と成分、製造作業)、倉庫保管と流通、欠陥取り締まり基準が含まれる。また、農場向けにはGAP(Good agricultural practice; 適正農業規範)というものが存在する。アメリカ合衆国におけるGMP は法により規定されており、連邦規則集のタイトル 21CFR パート110に記載されている。 Prerequisite program(PP; 一般的衛生管理プログラム ISO22000 関連ではPRP前提条件プログラム と表記 他にSSOPen:Sanitation Standard Operating Proceduresとも) HACCP を行う上で土台となる基礎的な管理プログラム。ここでは前出のGMP に基づいた教育訓練や、清浄化・衛生化作業のプログラムなどの他にリコールプログラム、トレーサビリティー、品質管理なども管理項目に入れられる。HACCP のプログラム構築する前にPP の構築を正しく行えばHACCP で管理すべき部分が少なくなり、さらに効率の良いHACCP のプログラムが構築できるようになる。HACCP で管理するものと異なり厳密な管理が不要な部分(安全性に直接影響しない部分)がここで管理される。また、HACCP はラインごとに計画をし、少ない管理点(必須管理点)で効率よく管理しなくてはならないのに対し、PP は工場全体で同じプログラムを用い、管理する点が非常に多いことが挙げられる。このようなことからHACCP と同時進行で進めると混乱を生じやすいためPP とHACCP は分けて計画する。 許容限界(Critical limit) ハザードを安全なレベルまで低減あるいは除去するために絶対にコントロールしなくてはいけない、最大あるいは最小値である限界値。 是正処置(あるいは措置)(Corrective actiion) 許容限界から外れた状態で製品を製造した(これを逸脱という)場合に、その製品の処理(廃棄、再検査、他の製品への変更など)を行うとともに再発防止の手段を講じること。措置という言葉は一時的な対策という意味があるので、「是正処置」という言い方が近年の日本では主流になりつつある。 HACCP 計画 前提条件プログラムとHACCP の手順を組み合わせて構築された計画。 HACCP システム HACCP 計画が運用されているもの。 FDA 食品医薬品局 アメリカ合衆国の食品と医薬品を監督する政府機関、食品分野では食肉食鳥肉と卵以外の食品を管轄している(殻のついた卵はFDAの管轄)。 USDA FSIS(en:Food Safety and Inspection Service; アメリカ合衆国農務省食品安全検査局) 食品関連では食肉食鳥肉と卵を管轄している。 低酸性缶詰 弱酸性(pHが4.6以上) - 中性付近の酸度の低い缶詰を示す。このpH の食品は、密封された状態で包装されるとボツリヌス菌が増えて食中毒を起こす可能性がある。そのため摂氏121度(華氏250度)で約3分間加熱してボツリヌス菌を不活化することが要求される。缶詰のHACCP 規制が実施されて以来、アメリカ合衆国では商業的に造られた缶詰が原因のボツリヌス食中毒は発生していない(ただし、自家製の缶詰でのボツリヌス中毒は毎年のように発生している)。
※この「用いられる用語」の解説は、「HACCP」の解説の一部です。
「用いられる用語」を含む「HACCP」の記事については、「HACCP」の概要を参照ください。
- 用いられる用語のページへのリンク